(高田先生がまだ日本にいた若い頃、触発を受けたと書いている、和辻哲郎のキルケゴール論に興味をもち、検索したが入手できそうでなく、その際気づいた道元論を購入してみた。)

 

昨日から読んでいるのだが、よい本だと思う。人格的道元論である。ぼくは読むとなったらじっくり、傍線だらけにして読む。読書するたびに思うのだが、人間とその状況は、いつの時代も変わらないものであり、本物の人間は本物との出会いを求めて人生を旅する。その中途挫折をおそれずむしろ本望と思う気魄に感動し、自分の確認とできることは、有難いこと。それをここに記したかった。 ただ、中間まで読み進めて、飽きがきてしまっている。真剣な真理探求の姿勢はよくわかり、それを徹底すればこういうことになる、ということもわかる(この種の思惟展開はぼくにとって大昔に卒業したものでもある)。だからといって、ひと昔前の思想的先達の姿勢を、いまのふにゃふにゃ世代が軽視する資格も力も、ぼくはみとめない。そのうえで、これはぼくが言うのだが、人間の真剣さと達する境地は、その人間の次元のものでしかない、そういう限界も、あきらかにみとめる。ともかく、具体的に接さず読むのみの関係においては、人格的触発こそ大事である。がまんして読んで、読んだあとの自分を経験するためにさいごまで読もう