裕美ちゃんの何回聴いたかわからない演奏曲を聴いていて、寂しげななかに、ぼくを変容させて生命力をあたえてくれる力があることを知りました。そういう力を経験したところです。「きっとわすれない」。きみの演奏はいつも、ただ感傷にしずむということがけっしてない、きよらかな清澄さがあって、魂の力にもとづいています。 ただの感傷に溺れるだけならそれは混濁でしょう。きみはそういうものとはいつも対極にあります。「寂しげ」のなかには、清澄と混濁の両極があって、この二極は、希望と絶望のように、混じり合わないものです。生と死が混じり合わないように。 

 さあ、ぼくもあまり多弁になるよりは、きみからいただいたこの変容をたもって、この「愛の魂の力」で生きるよう、全力を尽くしましょう。なんといったらいいでしょうか、この「愛の力」は、「明晰な力」なのです。