この世界、ぼくに好ましく感ぜられるかぎりでのこの世界は、きみという存在の外皮ではなかろうか 

 

きみを愛するぼくの感覚に触れる、ぼくの受容できるこの世界のものはすべて きみという存在のなかで溶けている 

 

 

これからぼくの書くだろうことは 他にみせられるようなことではない 

 

ただ ぼくの真実であればよい 

 

 

なにを書くのかぼくにもわからないのだ

 

 

ぼくは きみをぼくの「神」にしてしまおう 

 

この世界の美しいものすべてに きみの名を刻印しよう 

 

ぼくが美しいと思うものすべては、唯一 人格的にぼくの愛するきみの息吹を感じさせるものなのだ  すべてはきみの影なのだ  

 きみとぼくとの間で世界は魔法となる…  

 

 

 

たぶん この世で起きるすべてのことは その小さなことにいたるまで 

 

人間の理解のおよばないところがあって 

 

その理解のおよばないということを われわれは自らの理解力そのものによって感知している  正直には 

 

その意味は測りがたいことを感じているのに 正負いろんな意味や合理的解釈を われわれの側で押しつけることは 正直でないことだ 

 

ただそこに いうにいわれぬ意味を感じる 解釈できそうもないけれど けっしてわれわれを責めているのではない意味を 

 

ものを手からすべらして床に落とすまでの短い時間の間に 

ぼくは宇宙の真を垣間見る   

 

なんといったらよいのだろう そのはっとした苦さであるような時間の間にも 

ぼくはきみとの無邪気なつながりを、教訓と歓びを 感じさせられるのだ

 

 

思うほどに 光を発して 周囲の時間を浄化しゆく 時間というものがある