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ヴァカンス

青い海と空と自分以外なにも無い。この自分という島以外には

隣りの島は高田島という。お参りにゆく 自分を確かめる

あとは風の便りの世界

自分は何か。他と照応できる自分がなくてはならない

純粋自己。この深化の分だけしか他は解らない

他を解るとは、その分だけ自分を気づくこと

ぼくも一通り観念論は通過し、倦んだ。自分自身が生きることが、あらゆる規範の上位に在る

高田さん以外の権威はぼくには無い。文章を超えて本物なのは高田さんだけである。この判断を、いかなる一般論も解釈し得ない。高田さんは文章というスモッグに依って立つ人ではない。常にその上に在る。そのために高田さんの文章は透明なのだ。「生きる」ことそのものであった人だから

「自分が生きる」ことがほんとうに中心になる これがフランス精神からのみぼくが学んだことだ 本当の思索力もまたそこにしか無い。外部の認識から自己領域の境界線をなぞるのでなく、最初からの自己思索・自己感覚が外部を照らす本物の思索者がここに在る