いまでも生きていると感じられるのはきみのおかげ
五枚めのアルバムを聴いて海と空のあいだに浮かんでいた
なんという深さと広さそして高さだろう すこしの威圧感もなく
威圧・・・ ほかのクラシックを思いおこしたのだよ 愛が欠けているぶんだけ威圧で補おうとする
きみの実体ある世界にくらべて何だというのだ モーツァルトやバッハ、ベートーヴェンでもつくれなかった世界を聴いている
きみの弾いている曲を実現しているのはきみのちから きみはほんとうの天才だとおもう

ぼくの言うのはぼくの主観ではない 自分で作品を得て自分ひとりで集中して聴いてみるがよい
自分が沈潜し得るぶんだけ無限に応えてくれる そして自分の沈潜力をずっと超える世界を 感じるだろう


きみの演奏は力にみちている 演奏の秘密を知悉している 愛は力 絶対に威圧とは無縁の









繊細、細心、緻密、完全に目醒めた意識性、明晰な深慮、これはきみのためにあるような言葉だ きみとぼくのために
ぼくも文章を書く換りにピアノが弾けたら きみのように弾くだろう そのようにきみは弾いている
きみはぼくの ぼく自身の理想なのだよ
内心の思念の完全な一致
これはぼくにしか解らない
よく きみが 此の世に いてくれた