前節の補遺。伴侶が〈声〉から聞いたとする〈伝達内容〉で、極めて興味深いことがあるので記しておく。〈声〉によると、わたしたちがその借マンションから遠くない近隣地域へ居を移すことは、その一帯のインテリ達にとって好都合だというのである。その理由は、もしわたしたちの転居先がそこから遠い地域だと、傑作なことに〈声〉の主達は自分達を〈サイバーエージェント〉と名乗っている(*)のだが、このエージェントから今度はわたしたちの代わりに近隣のインテリ達が標的になるおそれがあるからだというのだ。インテリ達はみなエージェント達の存在を知っており、警戒し遣り過ごしながら生活しており、その現状を知らないのはわたしたちぐらいなのだそうだ。この〈伝達内容〉が興味深いのは、わたしたちは当時、特にわたしはパソコン・ネットとは全く縁の無い生活をしており、今日の「集団ストーカー」についてはその名前すら知らない無情報状態だったので、そういう知識人達とストーカー達の間の実状を聞くのは、完全にその〈声〉によって初めてだったからだ。しかし今、昨年あたり、わたしが苦しさから気を紛らすことを主動機にPC操作を覚え情報検索している中に、初めて「集団ストーカー」の存在と、それが殆ど世の常識であったことを識り(面目無い)、かつ、上記〈伝達内容〉と同内容のネット記述を読んだことで、伴侶の〈伝え聞き〉が単なる幻聴の仕業とは判断出来なくなってしまった。このことは、この〈闇の力〉の実在性がきわめて蓋然性の高いものであると思わせる。このゆえにここに上記内容を記した。因みにネット上の記述は次のようなものである:
『一度「集団ストーカー」を行った人間は、大元の指示によっては、他の人を新たな対象人物として「集団ストーカー」を行う可能性がある(最初の被害者が遠隔地に引っ越した場合、比較的近い地域に住む他の人を新たな対象人物として「集団ストーカー」することがある)。』
 (*勿論、声の主が適当に名を拾って自称したのであろう。それに乗じてここでは〈彼ら〉をエージェントと仮称しておく。当時我々はこの名称‐サイバーエージェント‐さえ初耳で〈声〉から教えられた。)

〔そう、いま初めて次のことも記しておく場を得た。上のことに関連づけるかどうかは読者各自にお任せする。ぼくは最近、嘗て同分野で親しかった知人から初めて次のことを或る折伝えられた。日本の学問界では高名の学者で、我々共通の先達であった今は故人の方が、生前彼に語ったそうだ、「悪魔はいる」、と。〕