『The Harimaya Bridge はりまや橋』 美しい高知の風景の中で心と心を紡ぐ佳作 | ketchup 36oz. on the table ~フードアナリストの小さな日記

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映画中心のブログだったのですけれど、突然トラックバック機能がなくなってしまって…。どうしたものかと思っていたのですが、とりあえずコチラはコチラで再開します。料理のこと、お酒のこと、レストランのこと…“FOOD”な話題を語っていきます。

『The Harimaya Bridge はりまや橋』

監督・脚本:アロン・ウルフォーク
出演:ベン・ギロリ 高岡早紀 清水美沙 ダニー・グローヴァー misono 穂のか ヴィクター・グラント アーダ・ウルフォーク 白石美帆 他


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(C) Harimaya Bridge, LLP


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(C) Harimaya Bridge, LLP


サンフランシスコ、そして太平洋を越えて高知へ-。

日本の美しい風景の中で展開するこの物語は、名優ダニー・グローヴァーがエグゼクティブ・プロデューサーをつとめる日本・アメリカ・韓国合作映画です。


監督に抜擢されたアロン・ウルフォークは、これが初作品となる映像作家。

実際に高知県で英語教師として働いていた経験があり、いわゆる“外国人が撮った日本”ではない、日本の文化と真剣に向き合う姿勢に好感が持てます。


異文化、立場の違い、偏見・・・それらを克服し、乗り越えるシンボルとして“Bridge=橋”をとらえ、

お互いに通じ合う気持ちを架けていく…そんな物語です。

日本固有の差別に関わるセリフにどきっとする場面も。


感動の押し売りでは決してない語り口には好感が持てるし、

ラストの展開もハートウォーミングないい味わいです。


英語のセリフにもかかわらず、存在感あるしっかりとした演技が光る清水美沙がいい。

そして、初々しい恋人同士の頃のチャーミングな英語教師と、憂いのあるシングルマザー役を演じ分ける高岡早紀がいい。


『おばちゃんチップス』でのみずみずしい演技が印象深いmisonoは、本作でもシリアスになりがちなストーリーのなかで和める役どころを生き生きと演じています。

でもこんなキャラは、田舎の教育委員会には絶対いないと思うなぁ。


監督本人が、映画の中のミッキーに、自分自身を重ねた部分もかなりあることでしょう。

ただその思い入れが強い分、色々と詰め込み過ぎの感が否めないところが惜しいわけで…

それぞれのキャラクターやストーリーにもっと深みがあればなぁ、と。

脚本は別の人に委ねた方が良かったのかもしれません。



試写会の舞台挨拶にも登場のアロン・ウルフォーク監督は、上映後もロビーに顔を出して観客との写真撮影にも気さくに応じてくれるなど、とってもいい人そうでした。



ketchup 36oz. on the table ~新作映画レビュー-はりまや橋3
新宿・バルト9にて


映画『The Harimaya Bridge はりまや橋』公式サイト


The Harimaya Bridge はりまや橋 - goo 映画


The Harimaya Bridge はりまや橋@映画生活



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