『20世紀少年 第1章』
監督:堤幸彦
原作・脚本:浦沢直樹
企画・脚本:長崎尚志
出演:唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子、香川照之、石塚英彦、宇梶剛士、宮迫博之、生瀬勝久、小日向文世、佐々木蔵之介、佐野史郎、石橋蓮司、中村嘉葎雄、黒木瞳 ほか
(C)1999浦沢直樹 スタジオナッツ/小学館
(C)2008映画「20世紀少年」製作委員会
浦沢直樹原作のベストセラー・コミックの待望の映画化、全三部作のうちの一作目“第1章”である。
原作者自らが脚本を手がけ、監督は“スタイリッシュな鬼才”堤幸彦。
彼が何度も口にしたのが“この映画は原作原理主義でいく”という宣言-。
その時点でこの映画の成功は約束されていたと思う。
そしてこだわりぬいた(であろう)キャスティング!
まさに原作コミックの、奇跡の“完全コピー”が実現したのである。
その出来栄えは…
原作未読でも楽しめる、本格エンターテイメント大作に仕上がった。
邦画もここまできたか!というのが、正直な感想だ。
◆
ケンヂたちこの物語の主人公は、僕よりもちょっと上の世代になる。
彼らがマーク・ボランのT.REXなら、僕らはKISSやQUEEN-。
彼らが鉄人28号ならば、僕らはマジンガーZ…という具合だ。
それでも彼らに対しての“同じ時代の空気を感じてきた”という絶対的なシンパシーがあって、それがこの物語に引き込まれる大きな要因であると感じている。
果たしてその“シンパシー”は、どこからくるのであろうか。
それは、間違いなく20世紀に少年期を過ごしたという事実と、ロックという音楽との衝撃的な出会いという、共通する経験にあるのだと思う。
僕らが少年時代を過ごした東京の下町には、原っぱがあった。
オニヤンマやタマムシも飛んできたし、秘密基地も作った。
原作に冠する“本格科学冒険漫画”という言葉、
そして映画にはもちろん“本格科学冒険映画”と入るのが、なんともうれしい。
毎日が冒険で、わくわくドキドキした、あの頃-。
夢と希望に満ち溢れていた、あの頃-。
そんな“かつて少年だった”大人たち、
そして、今まさに少年である世代への壮大なファンタジーを、無垢な心で堪能したい。
28号やマジンガーではなく、ガンダムだって、
T-REXやQUEENでなくて、レッチリだって、かまわないのさ。
◆
ケンヂがかき鳴らすギターは、フェンダーでもギブソンでもなく、グレコであるのがうれしい限り!
久しぶりに、どこかにしまい込んであるギターを引っ張り出して、アンプに繋ぎたくなってしまったよ。
ああ、第2章が待ち遠しい…