プロピルパラベンの安全性についての文献を紹介(続き) | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

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大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
ノラ犬となった化粧品犬が、面白いと思った情報を発信していくブログです。
化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

今回は解析ネタはお休みして、最近仕入れた情報を備忘録的に書いてみます。

内容的には以前書いた、「プロピルパラベンの安全性についての文献を紹介」の続きになるので、タイトルはその続編としています。
今回のエントリーは短いですよ〜。

さて化粧品業界では夏はなぜかセミナーの季節ということで(^_^;)
化粧品犬も先週、連続で2件受けさせてもらいました。

その中に防腐剤であるパラベン類の、ヨーロッパでの規制の話があったので、内容をお知らせします。
もともとこのブログでは、パラベンについては何度か取り上げているのですが、まとまったエントリーとして以下を書きました。

プロピルパラベンの安全性についての文献を紹介
http://ameblo.jp/kesyouhinken/entry-12119450565.html

このなかでヨーロッパの規制の話を書いたのです。
下記の文献からの引用ですが

「化粧品中の防腐剤であるパラオキシ安息香酸エステル(パラベン)の濃度」


今回も内容を引用すると、プロピルパラベン、ブチルパラベンについてこんな事が書かれています。

さらに,2011年3月欧州委員会の消費者安全科学委員会は、最近の知見に基づきパラベンの規制について見直し、プロピル及びブチルパラベンについて 規制を強化して、単体または合計で0.19%を超えないこと と提唱した。

しかし今回セミナーでヨーロッパの防腐剤の会社さんから聞くと、更に厳しくなっているという事でした。
まあこの仕込んだ情報自体は、よく調べると2016年では無く2015年に既に出された物みたいですが(^_^;)
2015年の最新版では更に以下ののようになっています。

現在(2015年)の規制
プロピルパラベン、ブチルパラベンについて
一般化粧品向け許容濃度を0.19%から0.14%に改定設定行った。


でした。
使用上限濃度が厳しくなっています。
また、メチルパラペン、エチルパラベンについては以下の規制になっていました。

メチルパラペン、エチルパラベンについて
化粧品中にそれぞれ単独で使用する場合は最大使用濃度は0.4%。
メチルパラペン、エチルパラベンの混合防腐剤使用の場合、混合製品の濃度が0.8%であれば安全性に問題なし。


ということです。

日本はパラベン類は全て、1%以下という荒い規制で何年も変わってないので、こんな感じで厳しくなって行くのは羨ましいとkろです。

ただし、日本では法律で規制されている以上に、企業努力で自主規制されているのは前エントリーで述べたとおりです。
実測データで見ると、みなさん見事な自主規制で、上限まで配合している製品はありません。
 ・メチルパラベン 0.204 %以下(平均値0.097 %)
 ・プロピルパラベン 0.04 %以下(平均値0.015 %)

で運用しています。
そ引用元は前出の「化粧品中の防腐剤であるパラオキシ安息香酸エステル(パラベン)の濃度」と言う文献です。

日本の防腐剤の規制は、政府の規制はゆるいけど、実態としてはヨーロッパ規制より厳しい(が、それは自主的な行為で明記無し)。

実際化粧品を購入するときは、海外品では無く、国内のある程度大手メ−カーの方が無難・・・ということですね。