ロート製薬 スキンアクアの解析 サラフィットUVさらさらエッセンス(2016)の解析1 概要編 | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

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大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
ノラ犬となった化粧品犬が、面白いと思った情報を発信していくブログです。
化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

今回からスキンアクアサラフィットUV さらさらエッセンス(2016年度版)の解析を行っていきます。
今回は第1回で、製品概要編になります。

2016年のスキンアクアシリーズ全体については、こちらを参照してください。
ロート製薬 スキンアクアの解析 シリーズ概要編
http://ameblo.jp/kesyouhinken/entry-12179713210.html

この製品は去年も解析したのでどうしようかな・・・と思ったのですが。
今見直してみると、甘々な内容でした(^_^;)

調べてみると、全く面白いです。
製品としては面白くないのですが(ロートさんごめんなさい)、にじみ出る血みどろの開発ストーリーが、良い!
開発が難航したなんて、全く書いてないんですけどね(^_^;)
でも、にじみ出てしまうんですよー。

例えばこの製品、初投入は2014年だったんですが、そこから毎年改良されているんですよ。
日焼け止めはSPF測定にお金がかかるので、大抵2年に1回しか改良しないはずなんですけどね。
(商品に表示するSPF測定は、人体でやらないとダメなルールがあるので。これが高い)
その改良も、小変更に止まる事も、多いです。

しかしこの製品、華々しくデビューして以来、毎年のように紫外線吸収剤や粉体を変える大変更を実施(^_^;)
今年も大変更したのに、CMも作ってもらえず、明らかに去年より宣伝されてません(^_^;)

なぜなのかという謎を解くのが今回のエントリーです。
大きくですぎかな?

とりあえず、いつも通り外観から行きます。

外観
これです。


近所のドラッグストアで530円/80gでした。安い。
80gって、他社品だと、」他社ではジェルレベルの量ですよ!
スキンアクア亜rフィットエッセンスも、去年までは50gだったはずだけど・・・、驚異的なコストダウンですね(^_^;)

ちなみに去年と一昨年の商品もまだアマゾンで売ってます。両方とも50g。
2014年度品
https://www.amazon.co.jp/スキンアクア-サラフィット-さらさらエッセンス-無香料-50g/dp/B00ID1ZIAU
2015年度品
https://www.amazon.co.jp/スキンアクア-サラフィットUV-さらさらエッセンス-無香料-SPF50/dp/B00TJEO9PU/ref=pd_sim_121_2?ie=UTF8&dpID=51xu8fYZC4L&dpSrc=sims&preST=_AC_UL160_SR160%2C160_&psc=1&refRID=91EQTAFZWNFNARH7Z1FF

これは量は少ないし、間違って買うと馬鹿を見ますね。

またこのあと色々書いていくのですが、内容が本当かどうかは、上記アマゾンリンクに全成分が書いてあるので、そこで確認する事が出来ます(^_^;)
2016年品の全成分はアマゾンではわからないんだけど、製品公式HPから確認できます。
http://jp.rohto.com/skin-aqua/sarafit-essence/

概要
まずここ5年のスキンアクアシリーズの流を年表風にまとめてみました。
データは年ごとのロートのプレスリリースから取りました。
とりあえず、みてください。
サラフィットUV さらさらエッセンスの発売は2014年からで、この製品「だけ」が毎年改良されています

今年(2016年)のスキンアクアシリーズ全体については、パッケージ変更を含めて既に詳細を書いたので、興味ある方は以下のエントリーを見てください。
ロート製薬 スキンアクアの解析 シリーズ概要編
http://ameblo.jp/kesyouhinken/entry-12179713210.html


さて、詳細を書いていきますね。

ちょっと遠回りですが、まずサラフィットUVエッセンスのなりたちからです。
もともと、サラフィットUVエッセンス(2014年版)は、「ドライキープパウダー配合で、さらさらな肌仕上がり」というのが最大のコンセプトだったんです。

最初のサラフィットUVエッセンス(2014年版)のプレスリリース
http://www.rohto.co.jp/news/release/2013/1218_01/

で、華々しくデビューしたんですが、さらさらではあるものの、「よれる」とか、「ぽろぽろがでる」とか言う感想が多かったみたいです(@cosmeのレビューなど)。
それもそのはずで、この最初の製品は、有機粉体、無機粉体合わせて7種類もの粉が配合されていたんです。
正直、どれがドライキープパウダーか特定できませんでした。
製品全体としても、それだけの粉を1種類のノニオンだけで乳化するという、野心的な?ものでした。

で、ここに手をつけてしまったわけです。
もともと「ドライキープパウダー」という決まった粉があったわけでは無く、数種類の効果でドライキープ力を出していたのではないかと思うのですが、それ故、改良は難航してしまったようですね。
2015年度は酸化亜鉛の配合を止めて紫外線吸収剤に置き換え、粉体の数を5種類に減らしています。乳化剤も変更。
(ここで、人体でSPF測定をやり直したはず)
まだ、「ドライキープパウダー」は、うたっていたようです(はっきりしませんが)。
しかし、「ぽろぽろがでる」わりに、サラサラ感が減ったと言う声が出てきてしまったようで。まさにこちらを立てればあちらが立たず、
2016年度は、結局、粉体は2種類まで減らされてしまいます。
しかも、経緯は分かりませんが、同時発売されたスキンアクアのスーパーモイスチャージェルと同じ粉体が配合されました。
スーパーモイスチャージェルは「ドライキープパウダー」配合ってうたってないですから、当然この製品でもうたえるはずがありません。
ここに至って、「ドライキープパウダー」配合ではなくなってしまったわけです(^_^;)
なぜか紫外線吸収剤もいじったので、おそらくSPFも取り直しになったはず。
(またお金がかかる・・)
しかも、感触を高めたかったのか、スーパーモイスチャージェルにつかわれた乳化剤「シルキーワックス」をこちらにも使用してしまったんです(^_^;)
まあ、「シルキーワックス」をメインとして、あと2種のノニオンを併用しては、いるんですが。
結果として、2016年度品はスーパーモイスチャージェルと良く似た製品となってしまいました(^_^;)
純粋に使用感だけみると、区別が付きにくい(^_^;)
サラフィットUVエッセンスのほうが若干コクがあるかな?と言う感じです。
そして、似すぎたためか、CMも作ってもらえないという結末になってしましました(^_^;)
お金、かかたろうに(^_^;)
ちなみに、スーパーモイスチャージェルは2014年度に新規投入されてますが、2015年は改良無し。2016年に改良されてますが、乳化剤を「シルキーワックス」に変更しただけです。
乳化剤の変更程度だと、SPFを人体で取り直さなくてもいいルールもあるので、取り直してないかもですね。
これは開発費も測定費用も安く済んだっぽい(^_^;)
スーパーモイスチャージェルについては下記エントリーをどうぞ。

ロート製薬 スキンアクアの解析 スキンアクアスーパーモイスチャージェル3 処方解析編
http://ameblo.jp/kesyouhinken/entry-12181637531.html

この様に、サラフィットUVエッセンスの開発は、大変なことになったと予想さされます(^_^;)
しかも最終的に、営業に熱心に売ってもらえない(^_^;)
開発って難しい・・・。

@cosme評価
発売日は2016/2/13と最近ではあるのですが、クチコミ 13件 注目人数 59人と、やや少なめ。
しかし、評価点は5.5点で、日焼け止め(ボディ用)カテゴリーで6位ですね!

CM
今年のスキンアクアのCMは、スーパーモイスチャージェルの物しか作られてないです。
差をつけられてるなあ。
今年は売る気が無いんですね(^_^;)

製品コンセプト
1)サラフィットUVは「素肌のようなさらさら感」が続く、最高のUVカット効果を備えた日やけ止めです。
2)スーパーウォータープルーフ(80分の耐水テスト済み)で、汗水に強い。レジャー(海水浴含む)、スポーツ、野外イベント、外出に。
3)たっぷり使える80g
4)アレルギーテスト済み*2、無香料、無着色、鉱物油フリー。

以上、製品公式HPとパッケージより化粧品犬が構成しました。
製品公式HP
http://jp.rohto.com/skin-aqua/sarafit-essence/

使用感等
上記しましたが、同じスキンアクアのスーパーモイスチャージェルと似ています。
というわけで、悪くは無いんですよ。

ただ、サラフィットなのに、スーパーモイスチャージェルより少し重めです。
サラサラ感も同じぐらいかな。
そして、この製品は80gだけど、スーパーモイスチャージェルは110gでよりお得というのがイタイ。
そこをどう考えるかです(^_^;)

あと両方ともウォータープルーフなんですよね。
次回はウォータープルーフ性の検証編かなー。
次々回は、書府解析編で、今回扱った2014年度、2015年度製品や、スーパーモイスチャージェルとの詳細な比較をやる予定です。