ボーテ・ド・モード アーユルビオ ゴールドシャンプー/ヘアマスクの解析2  シャンプー解析編 | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

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大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
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化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

全3回予定で、ボーテ・ド・モード社の新製品である、アーユルビオ ゴールドシャンプー/ヘアマスクの解析をお送りしています。

今回は2回目として、シャンプー解析編をお送りします。

このシャンプー、発売後3ヶ月経ったのですが、@cosmeの評価がまだ付いてません(^_^;)

前作のアーユルビオ シャンプーは、そこそこ高い評価だったので、むしろ驚きですが。
それにはこんな理由があるのでは?という内容を、前エントリーの製品概要編に書きました。

今回はそれを受けてのシャンプー解析編になります。

この商品はとにかく成分が多いので、さっさと本文に入りますね。

化粧品犬は、今回は100円のトライアルを買っています。
前エントリーの再掲載になりますが、一応写真を再度アップします。これです。
製品詳細は前エントリーをご覧ください。



さていつもの通り、裏面の原料を整理します。
前作のアーユルビオシャンプーと併記して、解説していきます。
成分数が多く表が長いので、まず前半を掲示します。




表のから順に見ていきましょう。
まずは洗浄剤のパートです。
前作のアーユルビオシャンプーと使用感は似ているのですが、内容は全く違う内容に案っています
まさかのラウレス硫酸主剤系への変更です。
前作で、「サルフェート系(ラウレス硫酸のこと)不使用」を強くうたっていたのに・・・。
製品的には問題ないのですが、ユーザーにはチェックされやすいところです。
このあたりは前エントリーに書きましたけど、マーケティング上の大失敗ですね。
まあとにかく、実際の刺激性はどれほど高く無いのですが、人気の無いラウレス硫酸をトップ配合してしまって。
どこに、そこそこ安全性の高いコカミドプロピルベタインとラウリルグルコシドを兵世するという配置です。
このラウレス硫酸/コカミドプロピルベタイン/ラウリルグルコシドは海外のナチュラル系のブランドでは定番の組み合わせなのですが、日本では事情が違うんですよね。
コカミドメチルMEAは、コカミドDEAと同じような、増粘増泡補助成分です。ちょっとだけ、性能が良いらしい。

次はコンディショニング剤、オイル類のパートです。
ここは結構似ている点が多いです。
クオタニウム-18、ポリクオタニウム-10 、ベヘントリモニウムクロリド の3つのカチオン性成分は特に重要ですが、ここは前作と同じですね
クオタニウム-18 は別名 塩化ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウム。二鎖型四級カチオンとも言われ、どちらかというとコンディショナーに使われる事が多い、吸着力の強いコンディショニング剤です。
ポリクオタニウム-10は、別名カチオン化セルロース。シャンプー用の定のコンディショニング剤です。
ベヘントリモニウムクロリドもどちらかというとコンディショナーに使われる事が多い、定番の長鎖型四級カチオンです。

次に配合されている3種の塩基性アミノ酸(リシンHCl 、ヒスチジンHCl 、アルギニン)も前作と共通。
何れも吸着性の強いアミノ酸です。

次のアルガニアスピノサ核油。いわゆるアルガンオイルです。
これは本製品のみに配合されている成分ですが。世の中的には既に多く使用されていて、目新しさは無いです。

次のゴマ油 、アーモンド油、 ヤシ油もアーユルベーダのマッサージオイに使われているということで、前作に引き続きの配合です。
次からの7種のオイル(ヘーゼルナッツ油 、ダイズ油、 マカデミア種子油、 シア脂、 ヒマワリ種子油、 アンズ核油、 ハイブリッドサフラワー油)は、本製品で「ゴールドボタニカル成分」とうたわれている物の一部です。何れも保湿感がある良いオイルなのですが、ゴールドっていうイメージは無いんですけどね(^_^;) 
どれも普通の油の色で、茶色と言うか褐色ですよ。

次からまた前作との共通成分になるのですが、まずセラミド系成分2種。
セラミド2 は代表的な人型セラミド。セレブロシドはセラミドに糖が付いた成分。
次はタンパク系成分ですね。 (ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解ダイズタンパクは、何故入れてしまったんだという感じの、シリコンをタンパクと結合させた原料です。これが配合されると、厳密にはノンシリコンとは言えなくなります。よって本製品はノンシリコンコンをうたっていません。

・・ここまで書いて気づきましたが。
この (ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解ダイズタンパクは前作のアーユルビオシャンプーにも配合されてたんですが、前作はノンシリコンを名乗ってますね(^_^;)
前作では気付かずにノンシリコンで売ってしまって、引っ込みが付かなくなったのか。
それとも、(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解ダイズタンパクがシリコン系だと知らなかったのか。
ちょっと分かりません。機会があったらメーカーに問い合わせてみます。

セテアラミドエチルジエトニウムサクシノイル加水分解エンドウタンパク はカチオン化されて吸着力を高められた素材です。
あとはダイズステロールや ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)といって抱水性の高い油が配合されています。

それと、ビス(C13-15アルコキシ)PGアモジメチコンもシリコン原料ですね。
比較的新しい原料で、アミノグリコール変性されていることで、親水性が向上したとされているシリコン油です。

あとネオペンタン酸イソステアリルも独自原料ですね。エステル油という軽い感触の油の一種で、軽くさっぱりとした低粘性のオイルです。

では後半。


保湿剤のパートですね。
グリセリン 、水溶性コラーゲンといった基本的な保湿成分は前作と同じ。
また、アロエベラ葉エキス 、ハス胚芽エキス 、アンマロク果実エキス 、サピンヅストリホリアツス果実エキス 、メリアアザジラクタ葉エキス 、ココヤシ果汁などのアーユルベーダゆかりのエキスも前作と共通なので、そちらも参照していただくとして今回は省略します。

ここで取り上げるべきは、やはり幹細胞エキスのアルガニアスピノサカルス培養エキスですね。
しかし、プレスリリースを読んでも

あらゆる細胞の元となる「幹細胞」を配合。髪や頭皮の芯まで潤いと栄養を与え、ハリとコシのある美髪へ導きます。

とかしか書いてありません(^_^;)
まあこの原料はスイスの原料メーカーが出しているのですが、そこにも真皮に働きかけるとか(これは薬事法上で言えないトーク)とか、シワを改善するしか書いてないのでやむ無しですね。
プレスリリースの説明は、「アルガニアスピノサカルス培養エキスが真皮の状態を改善する・・・」という原料メーカー説明から、「頭皮の芯まで潤いと栄養を与え」という文言を思いついたのでしょう。

あと独自の成分は、「ゴールドボタニカル成分」のニンジン根エキス、 ダイズ種子エキス 、アルニカ花エキス 、カミツレ花エキス 、バニラ果実エキス、 ローズマリー葉エキス 、トウキンセンカ花エキス 、メリッサ葉エキス 、サトウカエデ樹液ということになるのですが。
まとめる理由もよくわからないし(何も説明が無いです)、既に茶色や褐色でも無く、白い花とかが多いです(^_^;)
ダイズやトウモロコシはまだましかな、ニンジンは赤だし(^_^;)
まあ、大体どれも保湿成分です(^_^;)

あとはおおむね前作との共通成分で、ケラチン系素材やアミノ酸や核酸類などが配合されてます。

見慣れない原料はまずイソマルト。これはオリゴ糖の一種で保湿成分ですが、アルガン幹細胞エキスにセットで配合されてくる原料です。意図して入れたわけでは無い。
あとPPG-3カプリリルエーテル。これは花王さんが販売している化粧品原料ですね。メリットなど自社でも製品化てますね。
その効果は、「髪にまとまりとツヤを与え、シリコーン様の感触を実現する新規コンディショニング剤」とのことです。

これで一通りおしまいです。
お疲れさまでした。

今までのマーケットプランを投げ捨てて、ラウレス硫酸+シリコン系原料に何故か踏み込んでしまった、この商品(^_^;)
容器は金色で格好良いんですけどね。

ラウレス硫酸+シリコン系原料でも、安全性上の問題は無いので、容器の格好よさで買ってしまっても何ら問題は無いです。
使用感も悪くない。

こだわりの甘さがおしいですね。