ボーテ・ド・モード アーユルビオ ゴールドシャンプー/ヘアマスクの解析1 製品概要編 | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

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大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
ノラ犬となった化粧品犬が、面白いと思った情報を発信していくブログです。
化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

今回から全3回予定で、ボーテ・ド・モード社の新製品である、アーユルビオ ゴールドシャンプー/ヘアマスクの解析をお送りします。

アーユルビオ ゴールドシャンプーは2015年9月発売なのですが、@cosmeの評価は、クチコミ 1件、注目人数 24人と、とても低調。
かつ評価点はまだありません(^_^;)

前作のアーユルビオ シャンプーは、化粧品犬が「アハロバターシャンプーに似ている!」と思ってしまうなかなかの使用感の良さでした。
発売が2015年の3月発売と少し前だったとはいえ、@cosmeの評価も、クチコミ 322件、注目人数 619人、評価点5.3点であったことを考えると、この新製品ゴールドシャンプーの不人気ぶりが際立ちます。

何故、こんなに差が開いてしまったのでしょうか?

この商品、商品自体は問題ないと思うんですよ。
OEMを担当している会社(実質的に処方開発を仕切っていると思われる)も、コスメカンパニーさんで変わっていません。
どこで間違ったのか?・・・というのが、この製品開発編のテーマですね。ちょっと残念なテーマですけど。

またこの商品に興味があるけど、@cosmeの評価を見て二の足を踏んでいる方がいたら、今回の解析を購入判断の足しにしてただければ幸いです。

発売会社のボーテ・ド・モードさんや製造販売元のコスメカンパニーさんについては、アーユルビオ シャンプー/ヘアマスクの解析1 製品概要編のエントリーを参考にしてください。

化粧品犬は、今回は100円のトライアルを買っています。
これもアハロバターや前作と同様に、シャンプーとトリートメントのセットでは無く、シャンプーとヘアマスクのセットになってます。
トリートメントも販売しているのですが、販売会社としてはヘアマスク推しである、と言うことですかね。
写真をアップします。これです。


一応本製品の写真もアップします。
まずゴールドシャンプー。520mL 900円です。


形は前作の、普通のアーユルビオシャンプーと同じですが、金色の配色がキレイです。

次にゴールドへアマスク。220g 900円です。

これは特にメタリックな金色が映えてキレイですね。

製品コンセプトは以下の通り。
製品のプレスリリースから要約しました。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000013012.html

ダメージの根源から修復し、指先までまとまる潤いツヤ髪へ。
五感に訴える、新発想ヘアケア。生ケラチン・ゴールドボタニカル配合、アーユルヴェーダ処方、
髪ヨガ®の理論でみなぎる美髪へ導きます。


インドっぽさは受けなかったのか、インド色は結構後退しています。
しかし、アーユルベーダ処方や髪ヨガという言葉は残っています。

1.アルガン幹細胞エキスをはじめとした21種の黄金植物&果実「ゴールドボタニカル」配合。
強い生命力と栄養を髪に与え、内側から湧き出るようなハリとツヤのある美髪を育みます。
<21種の黄金植物「ゴールドボタニカル」成分配合>
アルガン幹細胞エキス・アルガンオイル・ゴマオイル・アーモンドオイル・ハチミツ・アルニカ花エキス・ココナッツオイル・バニラ果実エキス・とうもろこし由来成分・大豆エキス・カシミールエキス・ひまわり油・あんず核油・ジンジャー・サフラワー油・シア脂・ヘーゼルナッツ油・マカダミアナッツ・キャロットオイル・マンゴーオイル・オレンジ油


前作のアーユルビオシャンプーではリンゴ幹細胞をフィーチャーしてましたが、今度はアルガン幹細胞なわけです。
ただ、リンゴ幹細胞は貴重な種類のリンゴエキスの代わりに、そのリンゴの幹細胞エキスを入れるんだという理屈があったのですが、今回はアルガンオイルは別途配合されているし、アルガン幹細胞の意味が薄れているのです。
また、実はアルガン幹細胞エキスは、スイスの原料メーカーから購入して配合していると思われるのですが、そのメーカーが提示している実証データが基本的に皮膚に対する抗シワデータなんですよ。毛髪用データでは無い(育毛用には少しあるのですが)。
だから、アルガン幹細胞エキスの毛髪に対する効果は、何も言えないのです。こういうのっって、地味に宣伝作りに効いてくる。
されと、「ゴールドボタニカル配合」と言うのは、前作の「レッドボタニカル配合」と対になるようになっていてるのですね。今回のシリーズは黄褐色のアルガンオイルや幹細胞が配合されていることから、商品カラーを金にしたいんだなというのは分かるのですが・・・肝心のゴールドボタニカル成分を見ても、全く金色というイメージが湧かないのが痛いです(^_^;)

2.超保湿&補修成分「3種の生リペア成分」が髪の芯部まで潤いを与えダメージを修復
乾燥ダメージで空洞化した髪の内部を集中補修する生ケラチン・生セラミド・生コラーゲンを配合。
髪の奥深くまで浸透して、毛先までなめらかな髪に導きます。


生ケラチン・生セラミド・生コラーゲンとも、前作から引き続きの配合です。
裏面表示でいうと、生ケラチン=ケラチン(羊毛)、生コラーゲン=水溶性コラーゲン、生セラミド=セレブロシドとなります。

3.髪を構成する主成分「16種のアミノ酸保湿成分」+「ナノリペアCMC成分」が髪を根元から強化
髪の主成分である16種のアミノ酸※1と剥がれたキューティクルをつなぎ合わせるナノリペアCMC成分を配合。傷んだ髪の内部と表面を集中補修し、まとまる髪へ整えます。


これも、前作から引き続きの配合です。

4.アーユルヴェーダベース処方+自然の力を秘めた49種の厳選植物成分配合
世界最古の伝承医学アーユルヴェーダ発想のベース処方を採用。さらに、太陽をたっぷり浴びた生命力あふれる
49種類の植物由来成分が、髪本来の美髪力を呼び覚まし、ハリ・ツヤ・潤いを取り戻します。
■アーユルヴェーダブレンド
世界最古5000年の歴史を誇る伝承医学“アーユルヴェーダ”に用いられる植物を配合。
髪の芯部に働きかけ、ツヤ・ハリのあるしなやかな髪を育みます。
(アムラ・ココナッツ・蓮(ハス)・ニーム)


これも前作に引き続きの配合+αという所ですね。

これで製品コンセプトの解説は終了。
最大の変更点はアルガン幹細胞のみなのですが、メーカー的にはそこを強調したいようだけど、配合理由がはっきりしないです(^_^;)
これが一つ目の問題点ですね。

二つ目の問題点は、シャンプー処方にあると思います。
前作のアーユルビオシャンプーをまとめると次のようになっていました。

アーユルビオシャンプー
洗浄剤:コカミドプロピルベタイン 、コカミドDEA、 ココイルメチルタウリンNa、 オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
売り文句:サルフェートフリー/ノンシリコン
(公式ページより引用http://www.ayurbio.jp/haircare/product-red.html)


オレフィン(C14-16)スルホン酸Naは、英語にすると「スルホネート」なので、実質的には「サルフェート」(硫酸系洗浄剤)でしょ!とは思いますが、まあ字的には確かに違うと、言えないことも無い。
サルフェートフリーとは、ラウレス硫酸を使っていませんよ、だから良いでしょう・・・というアピールな訳です。
化粧品犬は、」ラウレス硫酸は刺激が無くは無いが、それほど高いものではないと思っているのですが、程度問題なのでそこを重視する方がいるのも知ってます。
また、このアピールもよく行われており、結構効く方がいるのだとも思います。
オレフィン(C14-16)スルホン酸Naの刺激性はラウレス硫酸と、にたりよったりなのですが、処方内容から配合量を低く抑えているのは、好感が持てます。
ノンシリコンも、トレンドに乗っていて、まあ良いとしましょう。

しかし今回の新作のゴールドシャンプーはこうなっています。

アーユルビオゴ-ルドシャンプー
洗浄剤:ラウレス硫酸Na 、コカミドプロピルベタイン、 コカミドメチルMEA 、ラウリルグルコシド
売り文句:石油系界面活性剤フリー
(公式ページより引用http://www.ayurbio.jp/haircare/product-gold.html)


前作でサルフェートフリーにするんだ!といって外したラウレス硫酸を、トップ配合しています。
これだけで、ラウレス硫酸嫌いの人は買いませんよ(^_^;)
また売り文句が、「石油系界面活性剤フリー」って(^_^;)
何を持って石油系界面活性剤というのは難しいところなのですが、確かにオレフィン(C14-16)スルホン酸Naは、「オレフィン(C14-16)」の部分が石油由来なのです。それに化学合成でスルホン酸の部分を付けて作られています。スルホン酸の部分も大元は石油のだつリュから作られている事が多いそうなので、全体的に石油由来の界面活性剤であると言えそうです
ここまで遡る人はあまりいないのですが(^_^;)

でまあ、とりあえず前作のシャンプーを貶めて、作った新作が「石油系界面活性剤のかわりに、嫌われ者のラウレス硫酸Naをいれました!」というわけです。
このマーケティングで売れるわけないですね(^_^;)

ちなみにラウレス硫酸Naが石油系では無いかというと微妙です。
ラウレス硫酸Naは長い名前でいうと、「ラウリルエーテル硫酸Na」というのですが、「ラウリル」の部分は植物由来なのですが、「エーテル」の部分は石油由来です、また前述したように「硫酸Na」の部分も、そもそも硫酸が石油由来です。
つまり一部のみ植物由来で、石油由来部分も多い洗浄剤です。
このあたり、二重の意味で間違ってます。

かつ、気づかれた方もいるかもしれませんが、ノンシリコンを止め、しれっとシリコン系原料を配合しています

まさに、各方面に喧嘩を売ってますね(^_^;)

マーケティング担当者かアホだったのか、処方担当者が変わったのか。
又はその両方か(^_^;)
こだわりのシャンプーがこだわり忘れては売れませんよね。

ただもったいないのは、使ってみるとクレンジングシャプーとしては結構イケる使用感をしてるんですよ。
前作のアーユルビオシャンプーより、髪に残り感がすくなく、自然に軽く洗えます。
マーケティング的には愚策でしたけど、洗浄剤の突飛配合量にラウレス硫酸Naを持ってきた、良い面が出てます。

まあ製品表面に「Extra Moist  Rich Moist Shampoo」と書いてあるので、クレンジング系の良さがあることは全く意図していなかったのかもしれませんけど(^_^;)

そんなわけで、マーケティング的にはいろいろ問題あるこのゴールドシリーズですが。
容器はキレイで、それに釣られて買ってしまっても使用感的には損はしないシリーズです。

第2回はシャンプー解析編の予定です。