ボーテ・ド・モード アーユルビオ シャンプー/ヘアマスクの解析3 ヘアマスク解析編 | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

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化粧品犬です。

全3回予定で、ボーテ・ド・モード アーユルビオ シャンプー/ヘアマスクの解析をしています。
今回は第3回として、ヘアマスク解析編をお送りします。

第1回の製品概要編では、このシャンプーは、大ヒットしたステラシードさんのアハロバターヘアマスクととても似ている・・・ということを指摘しました。
なぜならOEM(受託製造)を担当している会社がアハロシリーズと同じコスメカンパニーさんだからです。
これまでのエントリーでもたびたび書きましたが、化粧品業界では多くの場合、OEM会社が処方を作成していることが多いのです。
この商品についても、大ヒットしたアハロシリーズと使用感が似たものを作ってくれとボーテ・ド・モードさんが依頼した可能性すらあります。

毎度ですが商品写真を、再掲載します。
今回は100円のトライアルを買ってます。
詳しくは第1回の製品概要編をご覧ください。



では例によって、裏面の成分表示を整理します。
今回は、シャンプーの時と同様に、アハロバターのヘアマスクと併記してみました。
アハロバターヘアマスクもアーユルビオヘアマスクも成分成分数が多いので、整理した表は二つに分かれています。
また、共通の成分には○印を付けました。

それでは、まず前半いきます。


表の上の方から見ていきます。
まず、ワックスのパートとコンディショニング剤のパートを見てみましょう。
この二つのパートがアハロバターのマスクと、アーユルビオマスクマスクはそっくりです。
違うのは、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム(ヒアルロン酸をベースに吸着力を高めた成分)が、アハロの方には入っているけどアーユルビオマスクの方には入っていないという所ですね。

アーユルビオマスクの処方を詳細に見ていくと、一般的なワックス成分セテアリルアルコールを使っていますね。
このワックスを、長鎖型四級カチオンで高いコンディショニング効果をもつベヘントリモニウムクロリドと、普通の四級カチオンであるステアリルトリモニウムクロリド、それと二鎖型四級カチオンでクオタニウム-18(別名 塩化ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウム)で乳化しています。なかなかに、保湿感が高くなる組み合わせです。
あと、シャンプーにも配合されていた素材ですが、セテアラミドエチルジエトニウムサクシノイル加水分解エンドウタンパクと、 (ジヒドロキシメチルしリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解ダイズタンパクが配合されてますね。
セテアラミドエチルジエトニウムサクシノイル加水分解エンドウタンパクはこれまでにも何度か書きましたが、加水分解して水に溶けやすくしたエンドウ豆由来のタンパク質を髪に吸着させやすくした素材です。
(ジヒドロキシメチルシリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解ダイズタンパクは同様に、タンパク質をベースにシリコン化して髪に吸着させやすくした素材。
3種の塩基性アミノ酸もシャンプーにも入っていましたが、こちらにも配合。髪の修復に適した素材です。
クオタニウム-33は別名エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム(2)といって、ラノリンベースのカチオン性素材です。

次は油剤のパートを見てみます。
主な油剤はジメチコン(シリコンのこと)とワセリンです。
これはアハロの方の同じです。
あとの油剤は、実は配合順位がエキス類以下なので、すべて1%以下の少量配合となっています。
アハロバターの方は似たような感じですが、バターのような半固形の植物油が多いので、まあいいかな?と思えるのですが、アーユルビオマスクの方は、おおむね液状油なのでちょっと納得できないですね。

しかも、その液状油もヒマワリ種子油、ツバキ油 、アルガニアスピノサ核油、 アーモンド油、 ヤシ油 、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 、γ-ドコサラクトン、 ダイズステロール 、コレステロールまで、アハロバターとかぶっているという(^_^;)
(ダイズステロール 、コレステロールはバター状の油ですが)
いずれも酸化しにくい液状油です。
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 、γ ダイズステロール 、コレステロールは抱水力が高いという特徴があり、γ-ドコサラクトンは@熱で髪に吸着し補修するという特徴があります。
酢酸トコフェロールは抗炎症効果のあるオイル。
テトラヘキシルデカン酸アスコルビルは、アーユルビオシャンプーにも入っていた、油相性ビタミンCと呼ばれる成分です。
セレブロシドはセラミドに糖が付いた成分で、これもアーユルビオシャンプーにも入ってました。
またいくつかセラミドも配合されてます。
セラミドンNPは昔のセラミド3が名称変更されたもの。
セラミドAPはセラミド6Ⅱが名称変更されたおのです。
セラミド2もふくめ、全て人型セラミドと呼ばれる成分です。

防腐剤はアハロもアーユルビオもフェノキシエタノールのみですね。


この保湿剤のパートは、実は水、DPG以外は全て1%以下以下しか配合されていない、順不同の配合になっているので、見やすいように並べ替えています。
1%以下とは言えこれだけの量が配合されると、使用感に影響が出そうではありますね。
また、アハロシリーズとアーユルビオシリーズの最も異なるパートとなっています。

ただ、アンマロク果実エキスは(別名アムラエキス)は、アハロマスクにも配合されています。
アムラはアーユルビオシャンプーにも配合されていた、インドのアーユルベーダの代表的な果実でエキスなのですが。
むしろインドを生かしたアーユルビオシリーズを発想するきっかけになったのは、アンマロク果実エキスが入手出来たからかもしれません。
メリアアザジラクタ葉エキスも同様で、アーユルベーダでは万病に効くと言われているニ-ムエキスのことですが、何故かアハロにも配合されています(^_^;)
ハス胚芽エキスもアーユルベーダでは有名ですが、これはアーユルビオシリーズだけに配合されてますね。シャンプーにも配合されてましたが、コラーゲンの減少を抑え肌のシワを改善する働きがあるといわれている成分です。

ツボクサ、セージ、アロエ、ショウブなどは、アーユルベーダでよく使われるハーブです。
特にツボクサは、もともとインドのハーブで、アーユルベーダでは若返りのハーブといわれています。

レッドボタニカル成分配合!と大きく宣伝されている成分も、シャンプー同様に健在です。
レッドボタニカル成分とは、
ハイビスカス花エキス、イチゴ果実水、ザクロ花エキス、アセロラ果実エキス、スミノミザクラ果実エキス(サクランボエキス)、抗炎症効果の高いヒメフクロウエキス、既に触れたハス胚芽エキス、の7種のエキス。
それに6種のリンゴ系エキスである、リンゴタンニン、リンゴ種子油、リンゴ果実水、リンゴ果汁、リンゴ果実培養細胞エキス、リンゴ果実エキス。
更に既に出てきたツバキ油と、ダマスクローズ油。
合計15種の赤い植物エキスの配合を称して、「レッドボタニカル成分配合」とうたっています。
まとめると効果が強まるとかは特にない様なので、ただ分かりやる九するために「レッドボタニカル」とまとめたのかなと思います(^_^;)

レッドボタニカル成分の中で特に強調されているのが、リンゴ果実培養細胞エキス(別名リンゴ幹細胞エキス)も、シャンプー同様にに配合されています。
効能についても議論は、シャンプーのエントリーで書きましたので気になる方は参照してください。

あと基本機能としてなんでしょうが、アハロとアーユルビオの両方に配合されている物として、ケラチン類とアミノ酸類と核酸類(イノシン酸2Na、グアニル酸2Na)、そして水溶性コラーゲンも配合されています。
ヘアケアの定番と言える成分ですが、これだけ入っているとお得な気分になってきます(^_^;)

こんなところですかね。
2、3個、漏れたような気もするけど、細かいエキスはシャンプーと一緒なのでそちらも見てください<(_ _)>

このヘアマスクは、油のメインがワセリンというのが少しがっかりですが、3種の四級カチオンの組み合わせなど、基本は良いと思うんですよ。
ただ、アハロの「植物バター」のように、ヘアケアとして分かりやすいアピールポイントが少ないですよね。
インドのハーブ、興味はあるけど馴染みは薄いですもん。
また、なにげにコンディショニング剤のパートで、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムを減らしてあったりするのもマイナスポイントかな。

使用感がアハロに較べて軽くなっているのも、狙ってるもかもしれませんが好き嫌いが分かれるところでしょう。