ボーテ・ド・モード アーユルビオ シャンプー/ヘアマスクの解析2 シャンプー解析編 | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

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大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
ノラ犬となった化粧品犬が、面白いと思った情報を発信していくブログです。
化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

ボーテ・ド・モード アーユルビオ シャンプー/ヘアマスクの解析をしています。
今回は第2回として、シャンプー解析編をお送りします。

第1回の製品概要編では、このシャンプーは、ヒットしたステラシードさんのアハロバターシャンプーととても似ている・・・ということを指摘しました。
なぜならOEM(受託製造)を担当している会社がアハロシリーズと同じコスメカンパニーさんだからです。

OEM(受託製造)会社って受託製造を担当しているだけじゃないの?と思われる方もいるかもしれません。
実際そういうこともあるのですが、化粧品業界では、OEM会社が処方を作成していることが多いのです。
ボーテ・ド・モードさんは新興の会社でもあるし、処方内容については、コスメカンパニーさんが主導したのかなと思います。
そもそも、大ヒットしたアハロシリーズと使用感が似たものを作ってくれとボーテ・ド・モードさんが依頼した可能性すらあります。
まあこの辺は、化粧品犬の妄想ですが(^_^;)

一応商品写真を再掲載します。
今回は100円のトライアルを買ってます。
詳しくは第1回の製品概要編をご覧ください。


では例によって、裏面の成分表示を整理します。
今回は、何度も似ているとして引用した、アハロバターシャンプーと併記してみました。
アハロバターのシャンプーは2種類あって、その2種類自体も似ているのですが、より新しい方ということで、アハロバター プレミアムスカルプ クリアシャンプーを選びました。
アハロバターシャンプーもアーユルビオ シャンプーも成分成分数がやたらと多いので、整理した表は二つに分けました。
また、共通の成分には○印を付けました。
しれでは、まず前半。
これです。



では、上の方から解説していきます。
まずは洗浄剤のパートです。
このパートは、アハロバターシャンプーもアーユルビオ シャンプーも成分は全く同じですね。
配合順序も同じ事から、殆ど配合量も同じなのでは無いかと思われます。
化粧品の表示上は、1%以下の配合の場合は順不同で良いという法律があるので。
洗浄剤は大概の場合は10%以上配合しているので表示順が配合量順だと思われます。
内容的には、ラウレス硫酸の代わりにAOS(オレフィン(C14-16)スルホン酸Na)を使用した、コーセーのジュレームなどと似た処方です。ただし、主成分は比較的安全性の高いコカミドプロピルベタインとし、増泡増粘補助剤であるコカミドDEAと、やはり比較的安全性の高いアミノ酸系洗浄剤であるココイルメチルタウリンを次に配合し、最後にAOSを配合しています。
こうすることで、泡立ちはいいが刺激性はラウレス硫酸と同程度のAOSの配合量を少なく抑えているわけです。
なかなか考えてありますね。

次にコンディショニング剤、オイル類のパートです。
アハロバターシャンプーとアーユルビオ シャンプーを較べると、コンディショニング剤の部分が特に似ています。
メインのコンディショニング剤は、両者ともポリクオタニウム-10別名カチオン化セルロースですね。これはもっtもよく使われる成分です。
サブがヒアルロン酸をベースに吸着性を向上させた、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムなのですが、これがアハロには入っているのですが、アーユルビオシャンプーには入っていません。
この辺りの細かい違いが、アハロバターシャンプーとアーユルビオシャンプーの違いになっているのかなと思います。

あとのクオタニウム-18(別名塩化ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウム)とベヘントリモニウムクロリドは基本的にリンス基材なのでシャンプーでどこまで効果があるかは分かりませんが、両者に共通して配合されてますね。
毛髪に吸着しやすいアミノ酸であるリシンHCl 、ヒスチジンHCl、 アルギニンも、両者に共通して配合されてます。

この辺り以降は、アーユルビオシャンプーの独自成分が多くなります。
ゴマ油、 アーモンド油、ヤシ油は、製品説明としては「アーユルビオ オリジナル・ニーラオイルブレンド」となっているものです。本物のアーユルヴェーダのニーラオイルはこの3種のオイルに薬草エキスをブレンドした頭皮マッサージ用オイルとのことですが。
この製品では薬草も入っていないし、「なんちゃんてニーラオイル」と言うことなのでしょう。

次のセテアラミドエチルジエトニウムサクシノイル加水分解 エンドウタンパクと、(ジヒドロキシメチルしリルプロポキシ)ヒドロキシプロピル加水分解ダイズタンパクは、両方とも植物性のタンパク質をベースにして、カチオン化したりシリコン化したりして毛髪への吸着を高めた成分です。
両方とも結構効きそうな成分ですが、「インドのアーユルベーダ」というコンセプトから外れるせいか、製品のホームページには特に説明はありません(^_^;)
次のテトラヘキシルデカン酸アスコルビルは油相性ビタミンCと呼ばれる成分ですが、これも「アーユルベーダ」的でないせいか、説明無し(^_^;)
次のセレブロシドはセラミドに糖が付いた成分ですね。化粧品犬ブログでは、ファンケル×ローソンの モイスチャライジングマスクに使われてました。
これを、アーユルビオシャンプーでは生セラミドと称しています。
うーん、これは言ったもの勝ちなのか、意味はは分かりませんが(^_^;)
セラミド2(いわゆる人型セラミド)やセラミド類似オイルであるラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)や、セラミドと同様に抱水性のあるダイズステロールも配合されています。
γ-ドコサラクトンは、最近出てきた新素材で熱によって髪に吸着し補修するという油性成分です。
酢酸トコフェロールは抗炎症効果のあるオイル。

次は防腐剤のパートです。
フェノキシエタノールと安息香酸Naですね。普通ではあるけれど、アハロに較べてパラベン不使用なのは良いですね。

次は成分表の2パージ目。
保湿剤、 香料類等のパートです。


このパートでアハロバターとアーユルビオに共通なのは、グリセリン、水溶性コラーゲン、アロエエキス等の基本的な保湿剤と、ケラチン、」シルクなどのいくつかのタンパク系素材。そしてアミノ酸類とイノシン酸グアニル酸といった核酸類です。
アミノ酸については、許可の有る物全て入れてあるのでは無いかと(^_^;)
列挙すると、タウリン、 チロシン 、グルタミン酸、グリシン、ロイシン 、セリン、バリン、トレオニン、 アスパラギン酸Na、イソロイシン、アラニン 、フェニルアラニン、プロリン、シスチンということになります(^_^;)
個々に効果は色々あるのですが、似た成分の核酸(イノシン酸グアニル酸)とあわせ、おおまかには保湿剤だと思えば間違いではありません。

さて、ここ以降はアーユルビオシャンプーの独自成分です。
数が多いので、とりあえず、見慣れないエキスから解説してみます。
アンマロク果実エキスは前エントリーで書いたように、別名アムラエキス。
アムラはインドのアーユルベーダの代表的な果実で天然のビタミンCを豊富に含み、保湿、抗酸化作用に優れ、髪の毛を黒く美しく豊かにする効果があるそうです。
サピンヅストリホリアツス果実エキスはインド・パキスタンなどに広く自生する木ソープナッツツリーの果実エキスで、サポニンを多く含むため、石けんの代替として使う事が出来ます。
メリアアザジラクタ葉エキスとはアーユルベーダでは万病に効くと言われているニ-ムエキスのことです。
ハス胚芽エキスには、コラーゲンの減少を抑え肌のシワを改善する働きがあるといわれている成分です。ハスはアーユルベーダでも健康茶として使われている成分らしいです。
ヒメフクロウエキスは抗炎症効果の高いエキス。
スミノミザクラ果実エキスとはサクランボエキスのことです。

そしてここまで触れなかった、4種のエキスのハイビスカス花エキス、イチゴ果実水、ザクロ花エキス、アセロラ果実エキス。
既に触れた3種のエキスである、ハス胚芽エキス、スミノミザクラ果実エキスヒメフクロウエキス、
そして6種のリンゴ系エキスである、リンゴタンニン、リンゴ種子油、リンゴ果実水、リンゴ果汁、リンゴ果実培養細胞エキス、リンゴ果実エキス。
合計13種の赤い植物エキスの配合を称して、「レッドボタニカル成分配合」とうたっています。
これも、まあ言ったもの勝ちですかね。レッドボタニカルとまとめるような共通の効果があるのかと思いましたが、製品のホームページには特に説明は書いてまかったです。
どうも、コンディショナーまで入れると、ツバキ油とダマスクローズ油が足されて15種になるようです(^_^;)

レッドボタニカル成分の中で特に強調されているのが、リンゴ果実培養細胞エキスです。別名リンゴ幹細胞エキス。
製品についてのホームページをみても、どうも、細胞の寿命を延ばすとかおかしな方向に誘導する説明が多いのですが。
基本的には、腐りにくい貴重なリンゴのエキスを配合する代わりに、そのりんごの培養細胞を配合したというのがメインです。
それが幹細胞なので、そこに含まれるアミノ酸やペプチド等が肌に有効であるようだ・・というお話しです(^_^;)

あと特に説明は無いのですが、ココヤシ果汁、オレンジ油、コーヒー種子エキス 、ユキノシタエキスが配合されてます。
コーヒー種子エキスは、カフェインやタンニンの働きで、抗酸化作用や紫外線によるダメージから皮膚を守る効果があるといわれています。
ユキノシタエキスは美白効果に優れたエキス。
ココヤシ果汁は保湿・湿潤剤のある成分。
オレンジ油はフラボノイドとビタミンA、B、C等を含む香りの良い精油。

駆け足になってしまいましたが、これで、一通り終わりです。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。
お疲れ様でした。

アーユルビオシャンプーは、アハロバターシャンプーと較べると、洗浄剤などシャンプーの基本は似ているのですが。
コンディショニング剤が減り、バターやオイルの配合も減り、やたらとエキスが増えているのが特徴です。
よりナチュラル、だけどオイルがない分、髪のまとまりにはやや弱い・・という感じ、結構処方にも出ていたと思います。

次回はヘアマスク解析の予定です。