化粧品犬です。
前回は、ゼラニウムは香りも名前もはっきりしないんですよ、ということを書きました。
実は効果もはっきりしない。
下痢に効果があるとか、生理不順に効果があるとかあるのですが、実際にはよくわからない。
美容的な効果としては、収斂性があるとか乾燥性湿疹に効果があるとか、抗菌力があるとかがその効果なのですが、これはたいてのアロマにも同様の効果があるので、ちょっと地味ですよね。
そこで今回は、ゼラニウムの良いところを取り上げて行きますよ。
その1。
「香りがはっきりしないため、逆にどのアロマにも合わせられる」です。
ゼラニウムはフローラルのような、青っぽいような、土臭いような、何とも言えない香りです。
ローズゼラニウムといて売られているものも、ローズっぽくはない。
(実際に臭いをかぐとそう思う人がほとんどと思います)
しかし逆にそこが良いです。
例えば単独で香りの良いオレンジがありますが、オレンジ単独では一本調子の上、何故か香りの広がりに欠けます。
しかしゼラニウムを組み合わせて、オレンジ:ゼラニウム=1:1~1:0.5とする事で、香りが有りが広がりやすくなり、高級感が出ます。
また同じく単独で香りが良いが、他のアロマと香りが馴染みにくいジャスミンにも合わせられます。
これもジャスミン:ゼラニウム=1:1~1:0.5とする事で、香りが有りが広がりやすく高級感が出るうえ、高価なジャスミンの使用量を減らせます。
全く違う香調ですが、クラリセージと合わせることも可能です。
これも、クラリセージ:ゼラニウム=1:1~1:0.5とする事で、クラリセージに足りなかったフローラルな香調を補い、快適な香りにします。
そのほか、シナモン、レモン、カモミールなど全く方向性の異なる香りとも、うまく合わせることができる。
ゼラニウムは全く使い勝手の良い、他に得がたい香りなのです。
その2。
実は安全性が高く、安心して使える精油です。
過去の動物実験ですが、皮膚刺激性が無いことが確認されています。
(使う動物の皮膚を損傷させてある場合は刺激があるという報告もありますが、それはあって当たり前)
また感作性も無いことがKligman先生によって70年代に確認されています。
アレルギーを生じないと言うことです。
Kligman先生といっても、知っている人は少ないかもしれませんが、化粧品の世界では神様のような偉い先生です。
教科書に出てくるような研究を、たくさんやっておられます。
特に感作性試験については正に神業で、まあ昔だったせいもあるのでしょうが、この方は、がっつりと人で評価しています。
つまり、感作性の疑いの有るサンプルを、人体にずぶっと注射しちゃいます(^_^;)
そしてアレルギーが発症するかどうか見ると(^_^;)
ちなみに現在では、感作性の評価は、普通は動物を使うんですが(その結果動物愛護団体に突っ込まれてしまったりするのですが)。
うーん、昔ってスゴい・・。
というわけで、いまいち地味で目立たないけど、世良い所のあるゼラニウム。
化粧品でなくアロマとしても使えますから、興味のある人は是非使ってみてください。