スタンプショウヒロシマは希望の光 | 郵便・切手から 時代を読み解く

郵便・切手から 時代を読み解く

切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

嬉しいニュースが届きました。

 

毎年5-6月に広島市で開催される、西日本で最大の切手イベントである「スタンプショウヒロシマ」の新しい実行委員長が槇原晃二さん(広島大学特任教授、東広島市副市長)に決定し、来年以降の継続開催が確定した由です。

 

フィラテリーを取り巻く環境は、世界中どこでも高齢化が進んでおり、事業継続の問題はどこにでもある課題となっています。それがスムーズに行われるかどうかは、当該地域のフィラテリック・シーンを大きく左右する重要事となっていますので、わたくしも大いに関心を持っていました。

 

こうしたなかで、このたび西日本最大のイベントの事業主体が、関係者のみなさまのご尽力によって恙無く事業継続の目途をつけられたという吉報を得て、本当に安堵しました。

 

フィラテリスト有志によるボランティア活動で運営される各地の郵趣イベントは、「大変だからそろそろやめにしよう」というのは容易なことですが、いったん止めてしまうと、再度立ち上げるのは本当に至難の業となり、極めて高いハードルとなってしまいます。したがい、いかにこれを踏みとどまっていただくかが重要なポイントとなります。その意味では、スタンプショウヒロシマはその典型例ですので、これが持続可能であることは、わが国郵趣界の希望の光であるといっても過言ではないでしょう。

 

郵趣イベント存続のためには、他の組織やグループ、あるいは個人からのサポートがどれほど取り付けられるのかもその存否に少なくない影響を持ちますが、現状の動向を踏まえると、今後は、様々な地域にあり、多様な性質や規模をもつフィラテリーの組織・グループが相互に横断的に連携・協力して、互いに活動を支え合うことが重要になるでしょう。従来のように中央集権型で、何事も東京から発信しなければ事が進まない仕組みでは持続可能性を確保することは難しいかもしれません。

 

というわけで、来年のスタンプショウヒロシマ2019の会期も既に5月11-12日の両日で決定したそうで、このイベントの大成功に向け、私や関係組織も微力ながらできる限りのお手伝いをさせていただく予定です。