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2011年05月26日(木)

朝鮮郵便史

テーマ:郵便史全般

井上和幸氏の「朝鮮郵便史」の本が、鳴美から刊行され(JIPP監修)、私のところにも1冊献本していただきました。アジア国際展グランプリ・ドヌール作品が全てカラーで印刷されているほか、作品に盛り込まれなかった他の貴重なカバーまでカラーで掲載された豪華本です。


これほどコストのかかった本ですが、お値段は1冊6500円と格安です。郵便史を志す人には必読書といってよいでしょう。


郵便切手評論家・池田健三郎のブログ

2011年05月22日(日)

全国化以降の速達郵便(36) 開封書状 速達料金55銭

テーマ:速達郵便史

久しぶりの更新になりますが、ちょっと面白い使用例が入手できましたので、ご紹介します。


昭和白紙3銭2枚と東郷4銭13枚を貼った速達書状ですが、料金が非常に興味深いものになっています。


まず、書状料金ですが、これは中身があり役所からの会議招集通知(印刷物)のため、開封書状となりこれが3銭。次に速達料金を考えるのですが、基本料金なら郵便区市内で8銭、郊外の場合、郵便区市外となりますが、殆どのケースでは配達局から8キロ以内なので追加30銭ですみます。ところがこの使用例は、市外でもさらに辺鄙なところへの配達ということで速達料金は55銭となっています。あて先地は現在の東村山市ですが、昭和15年当時は、最寄の郵便局(東村山局)から相当遠かったということになります。


この55銭という速達料金のレートが適用された使用例は、今日非常に入手が困難で、オークションにも滅多に姿を現しませんし、まれに登場すれば結構な争奪戦になります。しかもこれは、開封書状なのでさらに捻りの利いたカバーです。私は合計58銭の料金は初見でした。



郵便切手評論家・池田健三郎のブログ


■使用例のデータ

櫛/丸ノ内仲通 15.10.16 → 東京 東村山 15.10.17

料金: 無封書状3銭+速達55銭(配達局より8キロ超12キロまで)=計58銭

貼付切手: 昭和白紙3銭、1次昭和4銭

希少性☆☆☆☆(入手困難/オークション・アイテム)



2010年11月24日(水)

英文タイトル・リーフ

テーマ:競争切手展

このところJIPP関係でコレクションの英文タイトルリーフの作成支援に関するお問い合わせが多いと思ったら、11月30日がPHILANIPPON2011のエントリー締め切りが迫っているのですね。今回は、運営側がルールに厳格な対応をとっているようで、出品申込書に加えて英文タイトル頁を添付することが事実上、義務付けられているので、一時的に英訳ニーズが高まっているようです。


これはとくに国際展初出品の方にはご留意いただきたいことなのですが、和文のリーフが完成していれば、「あとは日本語を英語にそのまま直すだけ」と考えがちなのですけれど、実際には事はそう簡単にいきません。日本語という言語は曖昧な要素が多分にある一方、英語は白黒はっきりつけないと表現ができない言語なので、曖昧さを残すと翻訳がうまくいかないのです。これは伝統郵趣でも、郵便史でもエアロでも、テーマでも変わりありません。


一例を挙げれば、二重丸型日付印・KGタイプのところを、そのまま"double c.d.s/KG"などと書いても、外国人は何のことやら分からないということです。ほかにも私の専門分野でいえば、別配達と別仕立をどう区別するか、速達の同一郵便区市内相互間と二箇郵便区市内相互間をどう区別するか、等々で時間をとられるので頭が痛いですね。また、地名表記も、和文では漢字だけでよいので正確な地名の読みを知らなくてもやり過ごせるのですが、英文の場合にはそうはいきませんので、これまた結構大変な作業です。


したがって、これからタイトルを作られる方は、極力、「外国人にも分かりやすい表現」を心がけられたほうが良いかもしれません。いくら国際展本番では日本部門の審査担当は日本人審査員が多くを占めるとはいえ、外国人審査員から変なツッコミを入れられてスコアが伸びないのでは困りますので・・・。


とまれ、エントリー締め切りが迫っており、私どももJIPPのメンバーの皆様のためにはできるだけお役に立てるようにとは思っておりますが、当然、対応能力にも限界がありますので、お手伝いを希望される方がもしおられましたらどうかお急ぎください。




2010年11月15日(月)

ブログ

テーマ:その他

久しぶりの書き込みになってしまいました。


この週末、日本最大の切手の展覧会<JAPEX>にいってきました。

会場では多くのみなさんと親しくお話させていただきましたが、少なくない方々から、このブログの更新を楽しみにしているとのお話があり、恐縮した次第です。


実は、スキャナーが動かなくなり、画像の作成ができなくなっているのですが、いつまでもそのままというわけにも行かないので、みなさんの声におされてこの際、スキャナーを更新することにしました。


というわけで、無事、新スキャナーが稼動すれば、遠からずこのブログにも書き込みができるものと思います。

気長にお待ちいただければ幸いです。




2009年08月22日(土)

タモリ倶楽部

テーマ:フィラテリー

金曜深夜(正確には土曜未明)のテレビ朝日系「タモリ倶楽部」で切手が特集され、なかなか面白く拝見しました。


ちょっとマニアックすぎて一般視聴者では分かりにくいかもしれないところもありましたが、それがかえってこの番組らしさを醸し出していたのではないかと思います。


ただ1つ残念だったのは、第20回国体切手シートの評価の場面。この博物館の鑑定士は「額面+α」などと述べていましたが、それはあくまでカタログ上のこと。実際の流通価値は額面を大きく下回るという事実を、堂々と開示してほしかったですね。


いずれにせよ、フィラテリーが多くのメディアで採り上げられるのはよいことです。私も10月に朝日放送の深夜番組で切手特集に出演する予定なので、とても参考になりました。


2009年08月08日(土)

サマーペックス2009に行ってきました

テーマ:フィラテリー

とくに行く予定には入れていなかったのですが、来月収録予定の朝日放送の番組で「切手」を特集するということで、ディレクターさんの「ぜひ観ておきたい」との意向を踏まえて、13時過ぎに会場前で待ち合わせして「サマーぺックス2009」を参観してきました。


昨年は特別展示が不発行4種完シート揃いを含む「てーぱーくの秘宝展」と見応え十分であったことに加え、カラーをふんだんに使った図録も格安で頒布されるなど、何かと話題が多かったサマーペックスでした。


それが今年は一転、特筆すべき特別展もなく(一応、ふるさと切手20年ということで、図入リーフに全種を収納してみせるというのと、ふるさと小型シートの原画やエッセをショウケースにごく少量展示してあっただけ)、昨年との落差が激しく、きわめて安直な展示でがっかりしたとの声を会場で多く耳にしました。


なるほど図入リーフをそのまま展示しただけというのはちょっと手抜きにしてもやり過ぎという感がなくもないですね。実際に、私がみたときにはこの展示を観ている方はいらっしゃいませんでした。


このサマーペックスは例年ですと、ちょうど会場の逓信総合博物館の入場料無料の時期に重なるのですが、今年はそれがなく私も110円の入館料を払って入場しました。確かに小額とはいえサマペのためにお金を払った人からすると、昨年比大きく見劣りする特別展示ということで、クレームをつけたくなる気持ちも理解できなくはありません。


それでも、この展覧会の「主役」である筈の子どもたちのための「切手縁日」の企画は、昨年から継続して設営され、多くの子どもたちで賑わっていたのは幸いでした。主催者組織の委員である中原さんや仲間の学生さんたちが子どもたちのためにと懸命に汗をかいておられたのは心強く感じた次第です。


また、全国の子どもたちの力作や、フリースタイルのワンフレーム展示には興味深い作品もあるほか、多数の切手商ブースが軒を連ねていますので、こちらの面ではかなり楽しめるイベントになっているといえるでしょう。


このサマーペックスは明日まで東京・大手町の逓信総合博物館で開かれています。

2009年08月03日(月)

PHILAKOREA2009

テーマ:競争切手展

7月30日から始まったソウル国際切手展(アジア展)PHILAKOREA2009に来ています。日本郵便文化振興機構(JIPP)が会場内にブースを開設しており、私は星野専務理事と一緒に前半の担当、後半3日間は内藤陽介代表理事が責任者となって、日本および海外からのお客様の接遇をさせていただいております。


競争展の授賞結果は、昨日午後に発表になりましたが(詳細は、JIPP公式サイトをご覧下さい)、日本勢は総じて健闘されていました。


今回は日本からはJIPPのほか、山本誠之さんと、郵便事業(株)もブースを設けていました。すこし興味深かったのは、内藤陽介さんのブログにもある通り、日本政府100%出資(間接)であり職員は「みなし公務員」である郵便事業会社が、「日本国旗を向かって左側、韓国旗を右側に掲げていたこと」です。


このブースは日本の郵政当局のオフィシャル・ブースですから、当然のことながら海外におけるプロトコルは通常、日本国政府(外務省)の方針(=左が上位とされるため自国旗は右に掲げて相手国に敬意を表す)に従うということなのかもしれませんが、民営化の動きと関連があるのかどうかはともかく、今回はあくまで逆になっています。


気になるのは、この国旗掲揚方針が、郵政当局(政府?)の方針によるものなのか、ブース受託業者の意図によるものなのか、はたまた韓国の現場設営業者の意向なのか、それとも単なるミスなのかということです。この点はいまひとつ判然としませんが、私が会期2日目に受託業者のスタッフの方に確認してみたのですがよくわかりませんでした。しかし、その後も変更がないところをみると、明確な意思あってのことなのでしょう。


米国のように常時自国旗を左掲するという国もありますが、日本人からみると一般的には、韓国のど真ん中で日本国旗を左掲するのはなかなか勇気の要ることだと感じる方も多いでしょうが、当の韓国では米国と同じく自国旗を左掲するようですから、開催地の慣習という面では現場で違和感を感じた人は少ないのかもしれません。


私も日本銀行国際局勤務時代、国際会議の運営の中でプロトコルには随分と苦労させられましたが、いずれにせよプロトコルというのは、教科書に載っている事例通りにはすべて行かないもので、その現場での運用は複雑で難しいものだということを改めて思い出させられました。


2009年07月07日(火)

別仕立カバー

テーマ:速達郵便史

旧小判切手の時代(明治9-15年)の別配達・別仕立の使用例は現存数が少なく、人気も高いので入手難ですが、久し振りに状態の良いカバーが出てきましたのでご覧に入れます。


旧小判黒1銭と狸2銭を貼った書状で、肥後国・合津局から八代局を経由し鏡局まで運ばれ、そこから特別に脚夫を仕立て野崎村まで逓送されました。


珍しいことに配達局である鏡局の付箋がついており「別仕立脚夫賃金拾銭」と書込みがあり、脚夫に受取人が支払った料金が記載された稀有な使用例といえましょう。


二重丸印がKGタイプのため、年代は推定になりますが、別仕立が書留郵便を伴わなくてもよかった明治12-13年の使用と思われます。


明治12年からの4年間は、別配達・別仕立の歴史上は例外的な時代とされ、本来、書留扱いとセットになる別配達・別仕立を、書留扱いなしでも受け付けたのです。これは、ただでさえ使用例の現存数が少ないなかでも、とくに収集が難しい期間に相当します。


郵便切手評論家・池田健三郎のブログ


■使用例のデータ

記番/イノ23号+◎KG/肥後国・合津 M12or13.11.11 → ◎KG/八代 同11.13 → ◎KG/鏡 同14.11.17 →(別仕立)野崎村

料金: 書状2銭+不便地持込料1銭=計3銭 他に10銭の別仕立料を受取人払い

貼付切手: 旧小判 黒1銭・狸2銭

希少性☆☆☆☆☆ 極めて入手困難/オークションで高値がつく可能性高い



2009年07月03日(金)

「全日本郵趣」7月号

テーマ:競争切手展

「全日本郵趣」(財団法人日本郵趣連合の機関誌)7月号が届きました。


FIP審査員の佐藤さんが消印の15%総量規制のことも含めて明解な解説文を書かれており、まことに時宜を得た内容と思います。


競争展への出品にご興味のある方、自己流の解釈に固執して引込みがつかなくなっている方は、必読の内容と思います。



2009年07月02日(木)

希少性の概念と「スモール・バラエティ」

テーマ:競争切手展

本年のFIP国際展新ルールへの移行に関し、先日FIP審査員の方からお寄せいただいた最新情報の中には、次のような条文がGuidelines for judging Traditional Philately Exhibits(伝統郵趣作品の審査のためのガイドライン) の Article 4 に追加されたことも付記されていました。


これは、希少性の意味と、マイナー・バラエティについて記した重要な箇所で、これまた一部の収集スタイルに拘りのある方にとってはなかなか強烈なインパクトを持つ可能性がありますので、一応ご紹介しておきましょう。


The rarity of the whole issue or one value from the issue counts normally higher than the rarity of a small variety. The rarity and importance of varieties is not the same for different countries or areas. This has to be taken into the consideration when judging the exhibit.


※この情報が必要な方は、英語でのプレゼンが要求される方のみなので、敢えて訳はつけておりません。ご了承下さい。


こうした考え方が全面的に「良い」と言えるのかどうかは、新ルールの適用状況をみないと何とも言えないでしょう。しかし、現にルールがそうなった以上、コンペに参加しようという方は、甘受しなければならないのは致し方ないことです。普段はどのような収集スタイルをしようと、各自が自由に楽しめば良いことですから。

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