関東州の訴訟書類 昭和9年 | 郵便・切手から 時代を読み解く

郵便・切手から 時代を読み解く

切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

関東州及び満鉄付属地の訴訟書類は使用例が非常に少ないことで知られています。

 

わたくしもこれまで4-5通程度しかみていませんが、いずれも奉天地区の差出で、差出人は「奉天日本総領事館」となっているものばかりです。これは、おそらくは満鉄付属地においては総領事館が司法関係の事務を担当していたことの証ではないかと思っていますが、確たる裏付けはとれていません。

 

今回画像で示すのは、大連伏見町局差立ての訴訟書類書状で、日付は昭和9年1月31日となっています。裏をみますと差立ては「関東庁地方法院」となっており、関東州においては、領事館ではなく他の外地と同様に「地方法院」が差し出したものとなっています。これまでに見たことがないので、類例は知りませんが、どなたか同様のものをお持ちでしたらお知らせいただきたいと思っています。