南方占領地マライ(ペナン)における戦後使用速達カバー | 郵便・切手から 時代を読み解く

郵便・切手から 時代を読み解く

切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

年が改まってからの入手品を順次ご紹介していきます。

 

画像は南方占領地マライのペラー州加刷切手5ドルの逆加刷を貼った、速達書留書状です。ペナン局差立てで同市内あて、日付は戦後にかかる2605(昭和20)年8月18日です。馬来軍政監部郵政局の検閲テープと検閲印がある、しっかりした使用例です。

 

5ドルは最高額切手であり、かつ逆加刷バラエティは珍しいので、料金はあわないのを承知で入手しました。この時期の郵便料金は、書留料15セント、速達料30セントなので、ここまでで合計45セントとなり、残り4ドル55セント分が書状料金(基本料金は4セント)です。単純計算では113倍重量便で3セント過剰となるのですが、そんなに重い書状ではないでしょう。