" 道 " | 書の庵

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書道家 脇田龍峯のブログ

前回の続きを…



何故に” 道 ” には ” 首 ” が付いているのか。



甲骨文字が出来た殷の時代、今からおよそ3200年前に溯ります。



道…そのころの道といえばおそらく現在のような舗装された道が



あるわけでもなく、ほとんど道無き道を行く、という感じだったんだろうと



思います。



そんな所を歩き行く…というのはいつの時代でも気味の悪いもの



ですが、この殷の時代と現代とでは”道”を歩くスタイルが



まるで違っていました。



その比較で現代ではなく、少し前の江戸あたりと比べると



おもしろいと思います。



江戸時代…時代劇ものを見ていると夜道を歩くのに



棒の先に提灯を付けて歩いているのを見ますが



殷の時代には提灯の代わりに ”首 ” をぶら下げて



それを魔よけにして歩いたんだそうです。



それで ” 道 ”



なんだそうです。



私たちにすれば、その首ぶら下げてるだけで十分に



魔物連れて歩いてるのと同じだと思うんですけどね…







通常の字典には載っていませんが ” 行 ” の字の間に



” 首 ” が入る文字があるのですがこれも ” 道 ” なんです。



成り立ちがわかれば、この異体字も ” 道 ” と読むのかが



よくわかります。



昔…



公募展に漢詩作品を出品していた頃、ある先生がこの



” 道 ” をよく使われていて、私も最初は何の字かも気に



していなかったのですが、ある時この先生から御指導を



受けた際に、構成上こちら(異体字)の ” 道 ”の方が良いから



こちらを使って書きなさいと言われ初めて ”道 ” と知りました。



(なんで ” 行 ” に ”首 ” が間に入って ” 道 ” なんだ?)



とその当時も思っていましたがあまり気にもとめず、



そのまま歳月が流れてほとんど忘れていました。






先だってこの本を買い、” 道 ” の話を思い出しまして




書の庵


記事にいたしました。



ちなみに、この本には ” 道 ” の話は載っていませんので



悪しからず。







少し、篆書や金石の” 道 ”を何例か書いてみました。



まずはオーソドックスな篆書から




書の庵


続いて、異体字の ” 道 ”



言われれば…行と首ってのがわかりますよね。




書の庵






で、こんなおどろおどろしいのがあったので、書いてみました。




書の庵





こんな道は歩きたくないですね…



こんなおどろおどろしいのばかりでもないんですよ。



こんなかわいらしいのもありました。





書の庵



ん~漫画ですね…





さいごに素朴な” 道 ” で締めたいと思います。






書の庵


決して1本忘れたわけではございませんので…



念のため^^



それではまた