前回の記事で、私の先生方の事を書きましたが、
その中のお一人、(唯一ご存命の)佐藤眞先生と昨夜、酒席を共にさせていただきました。

先生は71才とは思えないほどお若くて、まだまだ衰え知らずのオーラをお持ちでした。


昨夜は芸大時代のお友達のピアニストさんのコンサートだったのですが、
それも仲良くお隣の席で、「あ~でもない、こ~でもない」なんて曲間に会話しながら
鑑賞しました。


その酒席に向かうタクシーの中で、二人っきりになって、芸術家としてのかなり
突っ込んだお話を伺いました。


色々役立つ事があったのですが、その中で一人の作曲家について
「彼は良い人だね~、明るくて人間的にも優れているね、、、、だから作品がつまらないんだね」


とのお言葉がありました。


どうも、人間的な立派さと芸術家の作品の素晴らしさは、残念な事に反比例するらしいです。

古今東西作曲家も
、ベートーベンを始めとして、ブラームス、シューマン、ワーグナー、ベルリオーズなど、
キチガイばかりです。

本当にたくさんの生徒や作曲家の作品を見て来られた先生は、
面白い作品を作るやつは、ユニークなやつ(人間的には少し壊れている、狂気性を持っている)
である事が圧倒的に多い!事をご存知でした。


先生に言わせると、他の社会で通用するような優れた人間は、芸術などやらないで
他で立派に生きて行くべきである、と。

そして、他では通用しない人間としてどうしようもない者だけが、芸術家として
成功する資格を持っている、とも。



なるほど~

私はどうなんだろ?

どっちのタイプと言われても、何か嬉しくないような気分ですね。

# あなたは素晴しい芸術家である=人間としてはダメダメ君である

# あなたは人間性が素晴しい=芸術家としてはダメダメ君だし、そもそも資格もない


まあ、どちらかと言うと、私は前者になりたいですけど、、、