『ANGEL_MILK_STORY【第三部】【Vol-3】＜改正版＞』

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　ファイ・チァイ・デルタ達は、チァイの車ですぐチァイの隠れ場に着いた。

　ファイがチァイに尋ねた。

「チァイ、一つ質問してもいい？」

「どうぞ♪」

「私の弟…アレックス、いや、アルファの脳にある探知信号のせいで、貴女がオメガを裏切って、私達を助け出したと言う情報もすぐバレるわ。

あのベータが言ってた。

貴女もその事は十分分かっている筈だわよね！？

なのにその余裕は何故なの！？」

「ファイ…いえ、メアリー…。貴女、ニックの事を少しみくびってない？

ニック…シグマは、自分が死んだ時に、代わりに貴女達の事を守る様にと動く様に命令したのは、私だけじゃないのよ？」

「どういう事！？」

「ファイ。『リーダー２４』の一人、『プサイ』って知ってる！？」

「名前だけは聞いた事がある…。確か『ロックンロール・キッド』って異名を持っている…。。」

「彼も、ニックが死んだ時は動く様に言われているの。ちなみに彼の武術も凄いけど、本当に凄いのはそのコンピューター技術よ。

それに、その技術はオメガにも誰にも知られてないし、オメガの組織内で、内部から奴等が、アルファへの利用を誰にもバレない様に妨げる事さえ出来る。」

「そう…。ニックは、やっぱり無駄死にでは無かったのね……。。。。。」

「私は、ニックの事を愛しているからこそ分かる。

彼がその気になったら、例え新型『ＡＮＧＥＬ　ＭＩＬＫ』を打たれたベータであろうともやっつける事さえ出来る。

恐らくニックは、新型『ＡＮＧＥＬ　ＭＩＬＫ』の存在をいち早く知り、私達を動かす為に、自ら命を絶ったんだと思うわ……。。。。。」

　ファイは、チァイのその言葉を聞いて、上を見上げ、ゆっくりとその瞼を閉じた……。。。。。

（ニック………）

　物思いにふけっているファイの心を遮る様に、チァイはデルタに言った！！！

「貴方。確か武器作り担当のデルタだったわよね！？今のファイの武器では奴等に勝てない。もっとファイの武器を改良する事出来る！？？」

「あ・あぁ…。実は言うと、俺もシグマが死ぬ前にその事を頼まれてたんだ……。。。。。」

　チァイは、デルタの言葉に答えるかの様に《ニヤリ…》と、微笑んだ。

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　ファイはチァイに呼ばれて、チァイの隠れ場の地下にある戦闘訓練場に連れていかれた。

　チァイは、ファイの身体の様子を見ながら答えた。

「私、今すぐ貴女に戦闘訓練を叩きこみたいトコロなんだけど…。身体の状態は大丈夫！？傷とか痛まない！？」

　ファイは、確かにこの数日間の戦いによる極度の疲労感を感じていたが、シグマやアルファの事を思うと、そんな弱音を吐いている気分さえなれず、疲労より気力の方が、十二分に勝っていた。

「いいわ♪チァイ。遠慮せずにかかってきて頂戴♪」

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