小説『ANGEL MILK』【第ニ章】<※無断掲載・複製・引用禁止※> | けんぢる♪-KENNDIRU-の★Libraの堕天使★

小説『ANGEL MILK』【第ニ章】<※無断掲載・複製・引用禁止※>

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 日本のT都内と言うところは、24時間眠る事が無い場所だ。 
 そして、私達もT都内の…とある場所のところどころに潜んでいる…。 
 全ては『オメガ』が、『ANGEL MILK』をどんどん開発する為の最適な場所が、日本と言うコンピュータ技術が発展して、『ANGEL MILK』の進化と実験に相応しい場所だと睨んだ為…。 
 『ANGEL MILK』の開発の核となる研究所もこのT都内の何処かに設置されているらしい。 
 私達、『リーダー24』のメンバーを『オメガ』が此処に連れてきているのは、次の『ANGEL MILK』のターゲットを、この日本のT都内にしているらしいと言う噂もある…。 

 私は、シグマと別れた後、一旦自分の隠れ場(家)に戻りパソコンの電源を入れた。 
 予想通り…、『オメガ』からの連絡データーが受信されていた。 

【………昨夜、我々『リーダー24』のメンバーであるカッパも、木っ端微塵にされて惨殺されていた。 
 もはや、よほど強力な組織か?私としても考えたくは無いのだが、我々『リーダー24』のメンバーの中に、裏切り者が存在しているかもしれない様にも思える。 
 何時もの事ながら、諸君等に各自の割り当てデーターを送っておくが、もしも、我々のメンバーの中に裏切り者が居ると仮定して、私がソレを見つけた場合、その者はしかるべき制裁を加えると言う事をよく肝にめんじてもらいたい。………】 

 私は、自分宛にオメガから渡された指令を確認した後、呟いた。 
「フンッ!裏切り者で悪かったわね…。オメガ…。しかるべき制裁なんてモノは、この私が直々に貴様に与えてやるわ……。」 

 一方…、オメガは、潜伏場所に居て、3人の部下と話していた。 
 一人は、金髪で額に『α』の文字の刺青をしている男…。 
もう一人は皮膚が異常に黒い男…。更にもう一人は、青い尖っている様にツンツンに立てた髪をしている女だった…。 
 オメガは、額に『α』の文字の刺青をしている男に尋ねた。 
「アルファ…、お前が持っている能力で、裏切り者が私の組織内に居るかどうか?分かるか?」 
 『アルファ』と呼ばれた男はオメガに答えた。 
「居る事だけは分かります……。それが誰だかまでは分かりませんが………。」 
「そうか?どれだけ居るかは分かるか?」 
「3人です…。」 
 『アルファ』と呼ばれた男はそう答えた……。 

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 『リーダー24』の一人…「イオタ」は、紫色の髪を少しパンク風に伸ばしており、横だけを刈り上げている。 
 その癖、青い袖無しのシャツに背中に羽根をつけている格好は、まるで70年代のロンドンのグラムロックのスターを意識している様だ。 
 首には、確りと『リーダー24』のメンバーの証とも言えるギリシャ文字の『Ι』と言う刺青が記されているが、全体的に長細い顔や、身体つきや、目や口元がつり上がってにやけた様な表情は、少し『リーダー24』のメンバーの一人とはにつかわしくない男だった。 

 イオタは、人影が殆ど見当たらない深夜の街外れにある薄暗い通りで、全身黒マントで覆われており顔もよく見えない占い師に、手相を見てもらっていた。 
「どうだ!?高い金払ってやってんだから、ちゃんと占えよ…。」 
 占い師は手相を見ながら答えた…。 
「何を占って欲しいんですか?」 
「分かる事全部だ………。」 
 イオタは、その外見とは裏腹に、非常に迷信深く占いや運勢等を非常に気にするタイプだった……。
 占い師は、イオタの手相を見ながら答えた。 
「残念ながら…、貴方もうすぐ殺されるよ……。全身を真っ赤に血の赤に染めてね………。」 
「な…何だと!?」 
 イオタがそう叫んだ瞬間、占い師は、イオタの左の手のひらを《ギュッ!!!》と握りしめ、その拳ごと握り潰した!!! 
 「ぐしゃっ!!!」と言う音がした。 
 占い師がイオタの手を離した瞬間、イオタは背中からその場に倒れこみ、左の手からは、ところどころに骨が色々な角度で飛び出していて、血が「ピュッ!ピュッ!」と水の途切れかけた噴水の様に断続的に飛び出していた。 
  
 イオタは、『ギャァァァァッッッ!!!』と激痛に叫びあげていた。そして、占い師の顔を見て《ギョッ!》とした様に叫んだ!!! 

「き・き・き…貴様は…レ・レ・レ……レッド・フィンガーッッ!??」 

 占い師は、イオタがそう言った直後に、その手でイオタの体中を手刀でマシンガンの様に…、《ドスドスドスドスドスッッッ!!!》と、シューティングゲームの連射さながらの速さで突き刺していった!!! 
 一瞬の内にイオタの体中は、占い師の手刀により、蜂の巣の様に穴だらけになり、全身血まみれの肉団子と化した。 

「フン…。『レッド・フィンガー』か?久々にそう呼ばれたな…。フフ……。どうだ?占いは見事に当たっただろ!?」 

 占い師は、イオタの返り血を浴びている黒マントを脱ぎ、血まみれの手袋を外して、血まみれの肉団子と化したイオタの遺体をその場で見続けていた。 
「オメガの奴、どうやらこいつには、『ANGEL MILK』を打っていなかったようだな……。」 

 占い師の正体は、ファイやデルタ達と同様の<レジスタンス>のメンバーである『シグマ』だった……。 
「俺の手も、また血生臭い香りに包まれていきそうだな…。」 
 シグマは、イオタの死骸を見ながら呟いた。 

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 私が今回オメガから受けた指令は、『リーダー24』のメンバーの中でも『TOP3』と呼ばれている…『アルファ』と一緒に、組織内の【裏切り者】についての情報を調査する事だった。 
 デルタには…、《アルファは、『ブレイン・シュガー』と言う異名を持ち、予知能力等の超能力も備えているらしい…。ファイ…くれぐれも気をつけろよ……。》と、十分に念を押されていた……。。。 

「どうした?ファイ…?…何か考え事でもしている様だが!?」 

 私は、アルファの言葉に《ドキッ!!》とし、動揺を隠しながら答えた。 
「いや…、【裏切り者】が、本当に組織内に潜んでいるのか気になっているだけよ……。」 
「そうか…。」 

 アルファと私は、様々な情報屋をあたりながら数時間近く時間が経過していた。 

 夜も殆ど明けはじめ、日が覗き出した頃、裏通りに小さなシャム猫の捨て子が私の瞳に映った。 

《そう言えば…、弟がまだ小さい頃…。こんな感じのシャム猫をうちに拾ってきたっけ……。》 

 私は子猫を見ながら、少し余韻にふけった。 
 アルファもその子猫に気がついたらしく、その子猫を『チチチ……』と、口を鳴らしながら呼び寄せ、頭を撫でてやっていた。 
 子猫は、《ゴロゴロ…》と喉を鳴らしながら、アルファの撫でる手に甘えていた。私はその光景を見ながら…… 
「あら?貴方、案外優しいトコロがあるのね?」 
と、言うと、アルファは……、、、 
「いや、昔…、こんな猫を拾ってきた事がある様な気がしてな…。」 
と、答えた。 
 その言葉を聞いて、私は一瞬頭の中が真っ白になった……。。。 
 アルファの子猫のあやし方も、弟…アレックスの姿にそっくりだったからだ。 
 私は、心がブルブル震えてきて……、、、 
《ま…まさか……、、、アルファ……。。。貴方は…もしかして…アレックス…貴方なの………???………》 
と、言う想いが脳裏によぎった……。アルファは、私を見て不思議そうに…… 
「どうした!?」と、尋ねたが……。私は……、、、 

「いや…、何でもないわ……。。。。。」と、答えた。 

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               【END】
 

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小説『ANGEL MILK』【プロローグ】

          ↓↓↓↓↓

http://ameblo.jp/kenndirurios/entry-11506295921.html

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小説『ANGEL MILK』【第一章

          ↓↓↓↓↓

http://ameblo.jp/kenndirurios/entry-11506514870.html

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