小説『ANGEL MILK』【プロローグ】<※無断掲載・複製・引用禁止※> | けんぢる♪-KENNDIRU-の★Libraの堕天使★

小説『ANGEL MILK』【プロローグ】<※無断掲載・複製・引用禁止※>





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「また、あの夢…。」 

 私は、オメガ特殊暗殺部隊『リーダー24』に、 
所属しているコードネーム『ファイ』…。 

「いつもこの夢で目が覚めて、眠れなくなるのよね…。」 

 私は、上半身裸でパンツ一枚のまま、 
布団をベッドに被せて椅子に座り、煙草をくわえた。 

 ジッポを少し上下に軽く振り、 
ゆっくりとくわえた煙草に《シュボッ》と、 
ジッポを鳴らして火をつけ、その煙を吸い込み、 
軽く顔を上げながら…《ふぅ~~…‥》っと… 
私はゆっくりと白い煙を吐いた。 
 私は煙草を吸い終えた後、 
灰皿に《ギュッギュッ》と…煙草を押しつけ火を消し、 
写真立てを手に取り…ジッと、それを眺めていた。 

「ママ………。」 

 そんな折、私の携帯からの着信音が、 
《ピリリリリッッ!!!》と、部屋中に鳴り響いた。 
 私は写真立てを元の場所に置き、 
携帯を手に取った。 

『ファイ!またお前に任務が入ってきた。 
パソコンにターゲットのデータを送るから今回も頼むぞ!!』 

「デルタ、またなの? 
最近…私の仕事多くない?」 

 私は、《やれやれ…。》と…小さく呟きながら、 
右手の親指で携帯を切り、 
パソコンに受信されたデータを確認した。 

「ふ~ん…」 

 データをしっかりと確認した後、 
私は冷蔵庫の中から 
冷えたペットボトルの中のドリンクを飲みほし、 
何時もの格好に着替えた。 

 竹田組組長=竹田信治は何時もの様に、 
愛人の酢川京子の家へと車を飛ばしていた。 

「京子ちゃん♪京子ちゃん♪今行くからね~♪」 

 デレデレした表情のまま、 
竹田は、京子のマンションの前の駐車場で車を止め、 
マンションのエレベータを昇り、 
京子の部屋の前まで行き、合鍵でドアの鍵を開けた。 

「京子ちゃん♪今、信ちゃんが来ましたよ~♪」 

 竹田は京子のマンションの中に入り、 
部屋中の電気が全て真っ暗闇なのに少し違和感を感じた。 
 そして、何故か血の香りの様なモノもする…。 
おかしげな雰囲気の中… 
竹田は、京子の各部屋内の電気をつけていく内に驚愕した。 

 酢川京子は、寝室で大の字に倒れていた。 
そして、胸のあたりが、 
深く鋭利な刃物で、 
円形に切り取られたかの様に綺麗な空洞が開いていて、 
全身真っ赤な血に染まり、瞳をおおきく見開いていた……。 
 竹田はそれを見た瞬間唖然としていたが、 
次の瞬間…『ウフフ…♪♪』と、女の笑い声を耳にした。 
よく見ると、京子の倒れている寝室の隣にある… 
小さい部屋の隅っこ付近に、 
SM風な様な格好をした、 
長い金髪をした蒼い瞳をしている英国人の様な女が、 
鞭の様なモノを持って側に立っている。 

 竹田は思わず… 

「な…何や!!?お前は!?」 

と、叫ぶと…、女は薄気味悪い笑みを浮かべながら、 
その問いに答えた。 

「貴方が竹田信治さんね?私は通称《ブラッディー・ローズ》…♪ 
御存知無いかしら?ウフフ……♪♪♪」 

「ぶ・ブラッディー………」 

 竹田は顔の血の気が《サァー…》と、ひいていった……。 

 次の瞬間、女の鞭が竹田の首に巻きつき、 
その僅か一瞬の内に竹田の首は、 
胴体から離れて宙を舞い、 
竹田の首がとれた胴体は立ち尽くしたまま、 
首の無い根元から、赤い大量の液体が 
《ブシュ~~~ッッ……!!!》と… 
シャワーの様に吹き出していった。 

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 私は、深夜の高速道路を車で快速さながらに飛ばしながら、 
携帯で話していた…。 

「デルタ!!殺っといたわよ!竹田信治…。 
シグマに奇麗に後始末する様、言っておいてね!!!」 

『は…はやっ…!!! 
さすが、ファイ!い・いや…《ブラッディー・ローズ》だな? 
ハハハ…。 
分かったよ!了解した!! 
ちゃんと言っておくっっ!!!』 

 そう、私は裏社会からの暗殺を依頼された人物達を、 
この世から抹殺していく、 
裏社会に人知れず存在しているオメガ特殊暗殺部隊… 
『リーダー24』の一人、コードネーム『ファイ』…。 
またの異名を、 
殺した相手を真紅の薔薇の如く、 
血まみれに真っ赤に染める事から、 
《ブラッディー・ローズ》とも呼ばれている……。 

 デルタからの電話を切った後、 
私は家に戻りシャワーを浴びて、 
竹田達の返り血を洗い流していた。 
 バスロープを身に纏い、 
ウォッカを開けてグラスに氷を入れ、 
グラスの中に注ごうとすると、 
携帯の受信メール通知の音が、《チャララーン♪》と、鳴った。 
私は、携帯のメールの差し出し人を見てみると、 
それはデルタからのモノだった。 
メールにはこう書かれていた。 

『ファイ、やっとトップのオメガの潜伏場所を突き止めた。 
計画の実行は……』 

 私はデルタからのメールを読んで、《ふぅ~…》と、 
軽く息を吐き、こう返信した。 

『そう、とうとうこの時がやってきたのね。』 

 私は、氷で割ったグラスの中のウォッカを飲みほし、 
そのまま裸のまま、ベッドに横になった。 
 そして、また、例の夢にうなされた……。。。 

 明朝、私は、デルタとの私達専用のパソコンによる、 
メールのやり取りをする事で朝が始まった。 

『他のメンバーにはバレてない?』 

『シグマには、ちゃんと連絡とれてる?』 

 私が、いや…、私達が始めようとしているのは、 
一種の抵抗<レジスタンス>だ……。 
 私達の母国は、『リーダー24』のトップ=【オメガ】が、 
生み出した狂薬=通称『ANGEL MILK』のせいで、 
壊滅状態となった……。 

 私達は、その復讐の為に、 
オメガが当時作り始めた、 
オメガ特殊暗殺部隊=『リーダー24』に密かに入隊したのだ……。 

 私のママ、シェリーは、 
私達と一緒にオメガの魔の手から逃げ出し、 
今はある国に逃亡して、密かに暮らしている……。 
 私は、ママに『リーダー24』に入隊して、 
オメガの居場所へ侵入し、 
復讐しに向かう計画から旅立つ前に約束をしていた。 

「必ず、アレックスをみつけて連れて帰るからね!!!」 

 そう、私の弟アレックスは、 
オメガの組織の軍団に私達が見ている眼の前で、 
7年前に無理矢理連れ去られた。 
その時の光景は…今でも私の脳裏に焼きついている……。。。 
 そして、毎日の様にその時の光景が、 
私の夢の中に甦り現れて、 
私は今でもうなされ続けている…。 

「アレックス……。」 

 ふと、私の脳裏に幼き弟の面影がよぎった……。 
 デルタとの専用パソコンによる、 
メールでの作戦会議を終え、私は呟いた。 

「まず初めのターゲットは、ガンマね。」 

 私は鞭を手に取り、何時もの格好に着替えた…。 

――――――――――――――――――――――――― 
―――――――――――――――――――――――――
 

 ガンマは、暗黒街の情報屋を始末する任務遂行を終え、 
殺したターゲットの血が染みついているナイフを、 
ベロベロと舌で舐めながら、ニタニタ笑っていた。 
 ガンマは深夜の裏路地で、 
不気味過ぎる程の薄暗闇の静けさの中、呟いた…。 

「ククク…。 
殺した奴の返り血程、俺にとって美味なモノはないぜ……。 
ヘヘ……。。。」 

 ガンマが殺した男の表情を、いやらしく眺めていると、 
いきなり、ガンマは胸のあたりに強い衝撃を感じた!!! 

「うぐぅっ!!?」 

 ガンマの口から《ゴボゴボッ!!》と、 
血の泡が溢れ出し、体中に激しい痺れが生じた。 
 ガンマの胸からは、鋭い黒い槍の様なモノが心臓から生えていた。 
そして、ソレは今度は鞭の様に…、 
《シュワッ!!!シュワッ!!!》と、曲がりくねって靡いた!!! 
 ソレがまるで円を描く様に、 
ガンマの胸を大きく風穴を開けるが如く抉りとっていった!!! 
 綺麗な円形に削りとられた、心臓を含む胸部の肉片が、 
《ボチャッ…》と、トマトが潰れたかの様な音を立てて、 
ガンマの眼前に零れ落ちた。 
 そして、その黒い鞭の様なモノが、 
ガンマの体から抜き出た途端にガンマの胸元から、 
赤い鮮血が噴射花火の様に《バシャアァァァッッ!!!》と、飛び散っていった……。。。 

 ガンマは、体中を真っ赤に染めながら、 
その場に《ドサッ!!!》と倒れ落ちた……。 

「これで、計画の一つ目はひとまず完了ね……。」 

 ガンマの亡骸を見つめながら、 
その女…『ファイ』は、静かに呟いた……。 

 私は、何時も通りお気に入りのペットボトルドリンクを飲み、 
煙草を吹かしながら今日も朝を迎えた。 
 そして、パソコンの前に立ち、 
受信データを確認してみると、 
予想通り『リーダー24』のトップ=オメガからの連絡データが届いている……。 

「フフ……。 
はいはい、おいでなすったわね………。」 

 私が、その受信データを確認してみると、 
次の様な事が書かれていた……。 

【……昨夜、ガンマがターゲットを始末しに行った現場に、 
手下を向かわせてみたトコロ、 
ガンマがターゲットと共に惨殺されていたと言う情報が入ってきた。 
 私も実際、ガンマの死体を確認してみたが、 
とても只者ではない手口であった。 
 諸君等も知っていると思うが、 
我々オメガ特殊暗殺部隊=『リーダー24』は、 
そう簡単に任務を失敗する様な弱者は居ない。 
それにそこいらの暗殺者にでも簡単に殺される様な粒達も居ない。 
ガンマをこうも簡単に惨殺出来るのは、 
何か我々の組織に匹敵する様な極めて強力な暗殺者と、 
高度な組織が動いていると私は感じた。 
 もしかしたら、我々にとって脅威となる存在なのかもしれない。 
 そこで、諸君等に情報収集に当たってもらいたい。 
各自の割り当ては、次のデータの中に収めている……】 

 私は、自分のオメガから言い渡された指令のデータを確認した。 

「フフ…。 
なるほど……。」 

 そして、それからすぐに私は、 
デルタと専用パソコンによるメールの交換で、 
自分達の計画の構想を相談し合った……。 

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『カッパは、中国刀剣の達人だ。 
気をつけろよ。』 

『大丈夫よ★奴の戦術は、 
私は全て把握しているわ。』 

 私は、次なる標的『カッパ』の居る場所へと、 
車を飛ばした……。 

 デルタが、オメガから指令を送られた、 
『リーダー24』の隊員の中では、 
隊員達のデータをハックした結果、 
カッパが最も警戒があさいと言う理由からだ。 
 カッパは、貧民街で、 
ゴロツキや占い師等に情報収集をしていた……。 
 暫らく私は、カッパが誰も居ない場所に行くまでは、 
奴の尾行を続けていた。 
 次第に時間が経つと、カッパは、 
廃工場の中へ自分の隠れ家である地下室へと向かった……。 
 私が《そろそろね……。》と、行動を起こそうとすると、 
カッパは、ゆっくりと自慢の刀剣を、ズル…と、抜き……、 

「誰だ…?さっきから、この俺のあとをつけてる奴は…?」 

と、周囲中に殺気をちらつかせて言った……。 

《チッ…、やはり、 
一筋縄ではいかない様ね……。》 

 (奴の間合いに入ったら、 
幾ら私と言えどもかなりの危険がある…。) 

 私は、廃工場のスイッチの一つを音が立たない様に、 
ゆっくりと静かに右手の人差し指で押した。 
すると、工場の奥のローラーが《ギュイイイィィンッッ!!!》と、 
回り始め、カッパは一瞬そちらに気をとられた。 
私は、それを見逃さずにカッパの背後から、 
鞭を首に巻きつけ、鞭に仕込んでいるボタンを押した!!! 
 鞭からは、《シュバッ!!!》と、 
鋭い円形のカッターの様な刃が何本も飛び出し、 
それから、ファイが鞭を《クルッ!》と両腕で引っ張って、一回転させると、 
カッパの首は、回転しながら、垂直方向に宙を舞った。 
そして、首のとれた胴体からは、《ブシュウウゥゥッ…!!!》と…、 
噴水の様に赤い鮮血がほとばしった……。 
 カッパの首は、地面に《ボトンッ!》と鈍い音を立てて落ち、 
血痕の足跡をつけながら、地面にコロコロと転がり続けた……。 

「これで二つ目…。」 

 私は、口元に笑みを浮かべ、 
その場を立ち去ろうとすると……、 
 背後から…、 

《ヘッヘッヘッヘッヘ………》 

と言う不気味な笑い声が聞こえた………。。 

 私が、そぅっ…と背後を振り向くと、 
カッパのもぎとられた血まみれの首は、 
ニヤニヤと私の方を見つめながら、薄気味悪い笑みを浮かべていた。 
 そして、首がとられた胴体も、 
首がない部分から《ピュッ!ピュッ!…》と赤い血を吹き立たせながら、 
ロボットの様に《ドスッ…ドスッ…》と地面を叩く様に、 
ゆっくりと私の方に向かって歩き出してきた……。 

『そうか?そうか? 
お前の仕業だったのか……?ヘヘへ……。 
なぁ?ファイ……!? 
…いや、ブラッディー・ローズ??? 
………ケケケケケ………。。』 

 カッパの血まみれの青ざめた首は、 
私の方を見つめながら、不気味に微笑んでいた……。 

「こ・これは、ま・まさか………? 
ANGEL…MILK………???」 

 私は、《仕方ないわね…。》と…、思った途端すぐに、 
鞭を槍状と形態を変えて、 
カッパのもぎ取られた首の口の中に《ブスッ!!》と突き刺し、 
鞭のボタンを右手の親指で、《グルンッ》と、ひねった!!! 
 カッパの首は、《ボンッ!!!》と…、 
木っ端微塵に破裂した!!! 
 そしてすぐさま、胴体の方の心臓の部分にも、 
同じ様に鞭を突き刺し、ボタンをひねって…《ボンッ!!!》と、 
胴体も木っ端微塵に破裂させた!!! 

「鞭の中に、爆薬を仕掛けておいたのが、 
まさか、こんなところで役に立つとはね…。」 

 私は、その後、ゆっくりと呟いた…。 

「オメガの奴、 
まさか『リーダー24』の隊員にまで、 
『ANGEL MILK』を打っていたとは……。」 

 私は、母国を襲った、 
『ANGEL MILK』の恐怖が脳裏に甦り、 
背中に何やら氷の破片を突き刺されたかの様な、 
冷たい凍る様な恐怖を感じていた……。。。。。 

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               【END】
 

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