禁煙すると太るか | 生活習慣病の予防

禁煙すると太るか

 禁煙すると太るか。経験的に分かっているように、答えは残念ながらイエスです。
 1999年にMetabolismという雑誌に、禁煙すると太るメカニズムはレプチンを介していることが報告されました。レプチンの血中濃度は太るほど上昇しますが(2/10の記事参照)、喫煙者の血中レプチンレベルは非喫煙者に比較して全体的に高いことが分かりました。論文の報告によると、禁煙後半年で体重が平均7%増加しましたが、レプチン血中濃度は体重増加に見合った上昇を示しませんでした。論文の筆者は、喫煙がレプチンの血中濃度を直接上昇させる作用があると結論付けています。
 喫煙がレプチン血中濃度を上昇させるメカニズムはまだ不明です。
 では、ダイエットのために喫煙するか。それが全体的には健康に有害であることは、2/14の記事に記した通りです。しかしながら、禁煙するためには、ニコチンの誘惑だけでなく食欲増進にも立ち向かわなければならないのは、残念ながら事実です。ただし一時的に太ったとしても、禁煙するメリットは長期的には明らかでしょう。