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2017年05月24日

日本糖尿病学会2017で面白かった話題③;肝細胞がんと高脂肪食・アシルカルニチン

テーマ:ブログ

[東大消化器内科の中川勇人Drらの研究]

マウスに高脂肪食を与え化学発癌させた癌部では、様々な炭素数のアシルカルニチン(AC)が著明に増加してており,それはACをカルニチンとアシルCoAに分解する酵素CPT2の低下によって生じていた.CPT2の低下はβ酸化を抑えてlipotoxicityから回避すると同時に,ACを蓄積させることによってSTAT3活性化を介したstem cell propertyの獲得にも寄与しており,肥満環境下での発癌促進に重要な役割を果たすと考えられた.またNASH-HCC患者は血清AC濃度が有意に上昇しており、ヒトでも大事な可能性。

この発がんメカニズムは、大腸がんでも大事なのではないか。

大腸がんの生活習慣上のリスクは、①高脂肪食②赤身肉の摂取過剰(週500g以上)だ。カルニチンの含有量は、ラム肉>牛肉>豚肉。鶏肉や魚の含有量は少ない。カルニチンの摂取量が多いと、大腸や肝臓でアシルカルニチンが蓄積しやすくなるかどうか、が興味あるところだ。

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2017年05月24日

②日本糖尿病学会2017の面白かった話題;T-カドヘリン

テーマ:ブログ

アディポネクチン受容体はAdipo-R1、Adipo-R2が東大の山内敏正らにより同定されているが、非特異的な受容体としてT-カドヘリンが存在し、これが血管内皮細胞に発現しているという。T-カドヘリンに結合したアディポネクチンは細胞内にエンドサイトーシスによって取りこまれ、分解されずにまたエクソサイトーシスによって細胞外に放出されるという。

 

これは、免疫グロプリンと、やはり血管内皮細胞に発現している胎児Fc受容体との関係と同様だ。胎児Fc受容体は、胎盤を介してお母さんから赤ちゃんに免疫グロブリンを渡す役割をはたしており、成人においては免疫グロブリンの半減期延長に役立っている。

 

発表者らは、T-カドヘリンの意義を細胞内セラミドを減少させるメカニズムとして重要と位置付けていたが、そうではなくてアディポネクチンの半減期延長に役立っているのではないか、と思った。

 

なお、今年3月にNature誌に、アディポネクチン受容体(Adipo-R)の構造解析から、受容体自身に低いながらもセラミダーゼ活性があるとフランスのグループから報告されているが、これはどうやら重要ではなさそうだ。

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2017年05月24日

①日本糖尿病学会2017の面白かった話題;プロリン水酸化酵素(PHD)阻害薬

テーマ:ブログ

PHDはHIFを不活性化する蛋白で、これを阻害すると体内(肝臓・腎臓)のエリスロポエチン産生を促すため、PHD阻害薬(経口薬)が開発中という。

このPHD阻害薬が乳酸アシドーシスの治療薬にもなるという。

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2016年09月26日

アボット社の新型血糖測定器の成績

テーマ:糖尿病

まもなく日本でも使える見込みのFlash glucose-monitoring system、もともとコントロールが良い1型(平均HbA1c 6.9%)だと、SMBGに比べてコントロールがさらに改善する訳ではないが、低血糖の時間をSMBG群と比べて1.2時間減らすという(もとが3.4時間/日)。日本では4施設のみ先行使用中とのこと。はやく使いたいものです。

 

文献;http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27634581

Novel glucose-sensing technology and hypoglycaemia in type  1 diabetes: a multicentre, non-masked, randomised controlled trial. 

Bolinder J et al. Lancet 2016. Sep 9 (E-pub)

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2016年03月18日

グルカゴンの測定法

テーマ:糖尿病

群馬大学の北村教授の御講演を拝聴する機会があった。

従来のグルカゴン測定法は、グルカゴンのC末端に対する抗体を用いており、グルカゴン以外のペプチドも測定してしまっているという問題点があった。

一方、北村先生の測定系は、N末端とC末端両者の抗体を用いており、より正確なアッセイが可能。


従来の測定系でグルカゴノーマが疑われる血中レベルだが、精査してもまったく内分泌腫瘍が見つからない場合に、群馬大学に正確なアッセイ系での再測定を依頼した結果、正常範囲と判明したとの症例があるとのこと。


数年前にお伺いした時には、ブドウ糖負荷試験でグルカゴンが正常者でも上昇するという衝撃の結果だったが、やはりそれは誤りだったようだ。その後の検討で、グルカゴンはやはりブドウ糖負荷後は下がるという訂正をお伺いできた。


ただし、食事負荷試験後、特に高蛋白食の場合、グルカゴンは上昇するとのこと。

アミノ酸受容体であるSU受容体はβ細胞だけでなくα細胞にも存在するため、ありうることだ。

では、SU剤でもグルカゴンは上昇しているのか。生理的な意義は分かるようにも思われる。


北村先生のアッセイ系は、厳格すぎてグルカゴンのコンフォメーションが少し変化するだけで測定できなくなっており、過小測定になっていると判明したそうだ。現時点で最も正確な測定系は、Mercodia社のアッセイ系とのことだった。

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2016年02月05日

シルバー民主主義

テーマ:社会

とある予防医学賞の授賞式で、小児科の先生が受賞者となり、それに対して祝辞を述べられた小児科学会会長のことばが大変印象的だった。


「小児科分野の研究者への授賞ありがとうございました。(中略) ところで皆さん、20歳未満の若年者への政府支出を1とすると、65歳以上への支出がどれくらいか御存知ですか?18ですよ。難破船の救助時の国際ルールを御存知ですか?まず小児、次に女性・けが人、壮年、最後が老年者です。これ以上は言いませんが・・・。」


想起されるのが、最近話題となっている画期的な抗がん剤。新規作用機序で、いろいろな癌腫の長期生存を達成する可能性がある薬剤だが、肺がんに使うと体重60kgの人で年間約2100万円!かかる。高額医療費制度を使うとわりと敷居が低い。現在、海外で開発された経口のC型肝炎治療薬が高額すぎると話題になっているが、さらにそんなものが登場。


このような高額な抗がん剤をがんがん使うと、この比率がさらに開大していきそうだ・・・。この薬価、厚生労働省は、何を考えているのだろうか・・・。海外にどんどん輸出し、国内での薬価は早く引き下げてほしい。

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2016年01月28日

『ケトン体が人類を救う』読書感想

テーマ:糖尿病
『ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか』
宗田 哲男著
光文社新書

著者は、絨毛-胎盤に高濃度のケトンが存在することを見出し、それを根拠に、胎児はケトン体を主要な栄養源にしているという説を提唱している。

したがって、成人もケトン体を主要な栄養源にして生きることができるはず、と論理展開している。

また、脳はブドウ糖だけでなく、ケトン体も栄養源にできる、と考えている。

大変興味深く、また考えさせられる内容だった。糖尿病の日常診療に、もっと積極的に糖質制限を取り入れるべきかもしれない。

ただ、率直に言えば論理展開の粗さも目に付いた。特にコレステロールについてがいまいち。著者自身も評価しているRCTの結果(数多くある)をどのように考えているのだろうか。この項目は記載しない方が良かったのではないか。

糖質制限に関する記述について、疑問が3点ある。

1番目の疑問 低血糖について

低血糖は死に至る危険がある状態だ。その理由は、低血糖だと脳がブドウ糖(栄養)不足のため昏睡に陥ること。また、低血糖状態はしばしば危険な不整脈を誘発することだ。
著者の考えが正しいならば、低血糖状態でも高ケトン血症であれば、昏睡にもならないし不整脈も誘発されないのだろうか?

2番目の疑問 糖尿病性ケトアシドーシスについて

著者は、糖質制限でたんぱく・脂肪で十分栄養をとっている状態で、正常血糖であればケトーシスであっても問題ない、と言っている。それは理解可能。では、正常血糖であってもケトアシドーシスになるレベルのケトン体濃度は、どの程度なのか、ということが疑問。血液pHの低値が生体にとって危険なのは疑いの余地がないからだ。通常DKAの時の血中総ケトン体は1万越えとなることが多いが、著者は5000を超えても問題ないケースを記載している。では、どの程度を超えると危険なのか?

3番目の疑問 

日本人の現状は高炭水化物(炭水化物50-60%)、米国人の現状は高脂肪食(脂肪50%超)、南米の畜産国家では高たんぱく食の国もある。世界で一番長寿な国は日本。米国は心筋梗塞による死亡率が高く、長寿国家ではない。糖質制限のクオリティーを決めるのは、糖質の代わりに何を食べるか、ではないだろうか。それが本当に肉と卵とチーズでよいのだろうか。コレステロールの血中濃度は、食事より体質の影響が大きく関わり、だからこそスタチンは良く効く。MEC食は(Meat, Egg, Cheese)、やっても良い人と、やってはいけない人がいるのではないか。

まとめ

面白い本だが、危険な面もある。一番感銘を受けたのは、胎児の栄養面の考察。さすが産婦人科医。二番目におもしろかったのは、学会で「襲撃された」というくだり。危険な面は、著者のコレステロールに関する勉強不足と、1型糖尿病に対する配慮が無い記述。いずれも、経験が乏しいこと、知らない(勉強不足な)ことを軽率に書いてはだめでしょう、医者なんだから。考察の緻密さと慎重さという意味で、同じ炭水化物制限推進派でも山田悟先生とはまったく違う。山田悟先生の本ならば自分の患者にも安心して勧められるが、この本は読んでも良い人といけない人がいると思う。本書は重篤な副作用をもたらす可能性があり、一言でまとめるならば「劇薬指定」。
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2015年11月22日

今季から新しいインフルエンザワクチン

テーマ:感染症
昨季までは、インフルエンザワクチンは3価だった。3種類のタイプに対応していた。A型のH1N1型、H3N2型と、B型は山形系統またはビクトリア系統のどちらか。流行タイプを予測して選んでいた。

しかし、B型が両方流行してしまうという事態を受け、今季からは4価となった。B型も両者が入っている。

その分接種費用が値上がりしているようだ。価格を据え置いているクリニックもあるが。
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2015年10月24日

大村智先生

テーマ:感染症

『大村智ー2億人を病魔から守った化学者』

馬場錬成著

中央公論新社


ノーベル医学賞を受賞されたので、どのようなお方なのかなと思い読んでみました。

凄い。

確かにノーベル賞に値する業績を挙げられているが、加えて経営者としても活躍し、特許収入で得た財を世のため人のために生かし切っているところが、常人ではないという印象を与えます。


ノーベル賞受賞理由であるイベルメクチン(およびその誘導体)が、たった1回の内服で、アフリカの風土病だけでなく、皮膚難病として知られている疥癬の特効薬でもあり、2006年に保険収載されたということも初めて認識しました。


大志を抱いている一流の研究者は、研究面で信義にもとる行為はしないが、一流大学(プリンストン大学など)の教授であってもそのようなふるまいに及ぶことがある、ということにも触れられています。まあ、お祝いの際にはどうでもよいことなのですが、そのような恥ずべき行為は白日のもとに晒される日が来ることもある。超一流の研究者は、権威主義的ではなくリベラルだ、ということも良く伝わってきました。

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2015年07月14日

下肢静脈瘤の非手術治療法

テーマ:循環器

かつては、下肢静脈瘤の治療はストリッピング手術といって、外科的に静脈を切除する方法しかなかったが、現在では血管内レーザー治療/高周波治療という非手術療法が可能となり、しかも保険適応になっている。保険適応になっている事実を今日初めて認識した。日帰り治療が可能だとのこと。患者さんに教えてもらった・・・。下腿の静脈瘤治療のため、大腿の機能しなくなっていた静脈を日帰りレーザー治療にて閉塞させたところ、効果は即日確認でき、自己負担は6万円程度だったと。

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