インド
著者:小磯千尋・小磯学
定価:3,200円
本体:3,048円
A5判 272ページ
ISBNコード: 4-540-05007-9
発行日:2006年3月25日
インドに通いつめた夫妻が、神々とともにあったインド亜大陸の食を信仰や儀礼との関わりで語る
小磯千尋(こいそ ちひろ)
1957年長野県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。プーナ大学文学部哲学科博士課程修了(Ph.D)。東海大学・亜細亜大学非常勤講師。著書に『ヒンディー語のかたち』(白水社)、共著に『インド魅惑わくわく大陸』(トラベルジャーナル社)、共訳に『インド人』(G.S.コラナド著)(河出書房新社)などがある。
小磯 学(こいそ まなぶ)
1960年兵庫県生まれ。立教大学博士後期課程退学。プーナ大学デカン・カレッジ考古学部博士課程修了(Ph.D)。東海大学・神奈川大学・鎌倉女子大学非常勤講師。共著に『四大文明インダス』(日本放送出版協会)、共訳に『インド考古学の新発見』(雄山閣)や『インド人』(G.S.コラナド著)(河出書房新社)などがある。
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はじめに
あなたは菜食主義者ですか?/グローバル化の速度/インドの家庭の味
第1章 インド料理東西南北
1 東部ベンガルは魚介料理が自慢/自給自足のアッサム/郷愁をさそうマニプルの料理
2 西部多彩なマハーラーシュトラ料理/ムンバイーのパールスィー料理/旧ポルトガル植民地ゴアの料理/質実剛健なラージャスターン/甘辛いグジャラート料理/南と西と北をつなぐカルナータカ/自然療法アーシュラムの食
3 米なくしては語れない南部豊富な米料理/南インド版定食/酸味の効いたご飯とスープ
4 北部デリー周辺のムガル料理/いにしえのアワドの歴史を感じさせるラクナウの家庭料理/パンジャーブ料理といえばヒヨコマメカレー/風光明媚なカシュミールの料理/小チベット、ラダックの粉食分化/市民権を得た外国料理
第2章 インド料理の神髄は家庭料理にあり
1 ガドギル家の食卓一年の消費量は/チャパーティー作り/インド流テーブルセッティング/食事の作法
2 主婦の一日目覚めたらモーニング・ティー/一品は甘いものを/食事に欠かせないダール/すべてをテーブルへ/ある日の献立/主婦は一人で残り物を/来客が絶えない夕食時
3 旬の食材を使った手作り食品
4 ハレの日の特別料理
5 香辛料の使い方
6 軽食あれこれ
7 伝統の継承
第3章 食材・香辛料の歴史と調理法
1 歴史的概観新石器時代/インダス文明/ヴェーダの時代/アーユル・ヴェーダ/仏陀の時代/叙事詩の時代/中世の料理本/イスラーム/東西交流の幕開け/ヨーロッパとの接触/味覚/旨味とこく
2 穀物の調理法
3 香辛料スパイス/ハーブ/香りづけと色づけ
4 油
5 豆類
第4章 食と宗教の間で
1 食のタブー
2 ヒンドゥー教の浄・不浄観右手と左手/カースト制度の起源/浄・不浄の三つのレベル
3 菜食主義と肉食主義宗派による教えの違い/菜食・肉食の人口比/肉のタブー/菜食、そして浄性を保つ
4 食材の序列
第5章 台所の風景
1 朝の祈り
2 プネーにて
3 神の間と台所
4 台所のタブー
5 台所と食事空間の浄・不浄
第6章 食は神々とともに
1 日々の祈り
2 ヒンドゥー教徒の通過儀礼誕生まで/命名式/食い初め式/聖紐式/結婚式/最後の儀礼(葬式)/祖霊祭(シュラーッダー)
3 祭り
4 警戒儀礼(ヴラタ)
5 その他の儀礼
第7章 グローバル化と食の変容
巨大ショッピングモールの登場/安全な食への志向/越境する食―世界に広がるインド料理店とインド食材屋/変容する食への意識/台所をめぐる生活の実態
付章 台所用品と器具
杵と石臼/ソーラー・クッカー/冷蔵庫/電子レンジ/プロパンガスコンロと土の竈/食器棚/素焼きの水がめとフィルター/金属製の水がめ/箕/石板・磨り棒/香辛料つぶし/取っ手なしの鍋と鍋つかみ/ミルク缶/鉄鍋/圧力鍋/蒸し器/チャパーティー焼き用鉄板/チャパーティー延ばし台と延ばし棒/包丁/ナッツカッター/攪拌棒/フライ返し/水入れとコップ/重ね弁当箱/金属製大皿/椀/ソーサーとティーカップ/お菓子・スナック用の調理具/香辛料入れ/陶器の容器/理想の台所
あとがき
監修にあたって 石毛直道
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