朝鮮ビズシリーズ記事「低金利津波」その6 | Korea Economic News by KANI

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ミ( ゚w゚)彡 <前回に続いてシリーズ記事の第6弾では、もう一つの金利ビジネスである保険業を取り上げます。

http://anago.2ch.net/test/read.cgi/asia/1356606026/503-505,507
503 名前:蟹 ◆M6A1eiUUqQ [sage] 投稿日:2013/01/06(日) 19:27:24.62 ID:wAt/8/oU
[低金利津波 6]逆マージンのブーメランに苦心する保険会社 【朝鮮ビズ】
http://biz.chosun.com/site/data/html_dir/2013/01/05/2013010500811.html

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金利が今より1%ポイント以上下落すれば生保会社の利差損失が拡大して、国内は今年から、外国生保会社は来年から当期損失を出す保険会社が出てくると展望される。/保険開発院提供

 低金利長期化で最も大きい被害を受けるのは保険会社だ。長期商品を運用する保険業の構造上、市場金利が落ちれば落ちるほど損害をこうむる可能性が高くなるためだ。このような状況では、高金利で資金を長期調達して低金利で運用する‘損をする商売’も同然だ。

 長期安定性に焦点を合わせている保険会社は、新たに保険契約を結ぶときに、期間がほぼ同じ債券を買いとってリスクを分散する。資産運用の核心軸は国債と公企業長期債だ。しかし最近の低金利長期化によって国債金利が下落し、収益率が大きく悪化している。

 保険研究院によれば、現行の金利水準(12月28日基準、5年国債2.97%)が維持されるならば、低金利が保険会社に及ぼす影響は制限的だが、今後金利が1%ポイント以上下落すれば生命保険会社は来年から、損害保険会社は2015年から、利差(予定金利と実際の運用収益率の差額)逆マージンが拡大して、当期損失を出す保険会社が出てくると展望された。

◆保険会社すでに逆マージン発生、大型社の過去の高金利商品が‘ブーメラン’
 保険業界は事実上、すでに逆マージンが発生している状態だ。昨年生保会社の一般アカウント保険料積立金(282兆ウォン)の支払利子は16兆ウォンだったが、投資収益は14兆9000億ウォンに終わった。1兆1000億ウォンを超える逆マージンが出た。生保会社はこのような逆マージンを、資本アカウントの投資収益と保険営業利益などで埋め合わせて純利益を出した。ジョ・ジェリン保険研究院研究委員は“金利がさらに下がれば、投資収益と保険営業利益による逆マージン補填も限界に達するだろう”として、“過去に販売した確定型高金利商品が生保会社に負担として作用している”と話した。

 大型生保会社は、過去には最高年12%の金利を掲げて保険商品を販売した。三星生命保険は最高12%の高金利保険契約が現在2兆ウォン近く残っているほか、韓火生命保険も2兆4000億ウォン、教保生命も2兆ウォンほど保有している。

 イ・ソクホ金融研究院研究委員は"金融危機後に低金利基調が続いて、保険会社の投資営業利益と全体収益性が悪化する憂慮が大きい"として、“今年は特に全体利益規模が縮小されると見られるが、投資営業部門は低金利基調下で運用資産利益率の下落が続く反面、保険負債の負担利率水準が依然として高く、利差逆マージンの拡大が憂慮される”と話した。

 ユン・ソンフン保険研究院動向分析室長も、“金融会社が確定金利支払を約束すれば、必ず契約期間に相当する高収益資産にマッチング投資するべきだが、そのような商品は探すのは難しい”として、“唯一の方法は契約期間が終わるか、市中金利が上がることを待つことだ”と話した。

◆日本と似ている?日本の保険会社はどのように破産したか
 日本は1980年代後半に不動産バブルがはじけて低金利が長期化すると、1997年から2001年までに7つの生命保険会社が破産した。バブル崩壊時の急な資産不良にともなう一時的負担と、その後の低金利期の保険商品マージン減少によって長期的な負担が発生したためだ。

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▲バブル崩壊後、日本は最高8%水準だった10年国債収益率が1%台まで下落した。

 破産手続きを進めた千代田、東邦、日産など日本の生命保険会社は、バブルが崩壊した1990年代初期までは、即時年金と似た一時払い貯蓄性保険商品を攻撃的に販売した。しかし低金利が長期化すると、金利が高い時期には問題がなかった資産運用収益率に非常灯がついた。運用収益率が日増しに悪化して、逆マージン構造を招くことになったのだ。

 国内金融環境もこれと似た様相を見せている。クォン・ヒョクセ金融監督院長は最近記者らと会い、“構造的な差異点はあるが、我が国の現状況が90年代の日本の長期沈滞初期状況と似た形で進んでいる”として、日本の事例を反面教師としなければならないと強調した。

 問題は、高金利負担が国内の保険会社がさらに大きいということだ。日本の場合、6%以上の高金利が形成されなかった時期に純保険料式準備金を積み立てていたため、高金利に対する負担が相対的に少なく、バブル崩壊による資産不良が破産により大きい影響を及ぼした。しかし国内保険会社の場合、年6%以上の高金利を確定的に保証する商品が全体の3分の1を超えていて、高金利で販売した保険商品に対する負担が大きい状況だ。

 キム・スボン金融監督院保険担当副院長補は、“今より金利がさらに1%ポイントほど下落して、新契約率が10%近く下落するという仮定で国内保険会社に対するストレス テストを実施してみた結果、すぐに問題が発生する保険会社はなかったが、このような状況が長期間続く場合、保険会社は大きい打撃を受けることになる”と話した。

◆代替投資先・有配当など商品革新に取り組むべき。対策用意至急
 専門家は、保険会社が低金利リスク増大に備えて全社的管理を始めなければならないと強調した。ジョ・ジェリン研究委員は“低金利に対応して保障性商品の比率を高めて、金利連動型商品を増やす一方、会社債や海外債券など債券中心の投資を維持しながら、収益性を向上しなければならないだろう”と話した。

 日本の事例を見れば学ぶ点が多い。日本の保険会社は金利逆マージンリスクが増加して、保険解約が急激に増加する状況に置かれると、すぐにハイリスク資産に投資を増やして、収益構造を多角化する努力を傾けた。これによって低金利による利差逆マージンを相殺することに注力した。販売チャネルの効率化で事業費を削減して保証利率も引き下げた。同時に保険料引き上げ、価格競争緩和、保障性保険販売拡大など、商品革新にも焦点を合わせた。

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▲日本の生保会社は低金利状況に直面すると、個人生命保険販売を金利連動型と保障性保険販売に再構成するなど商品革新に出た。

 資産運用では、国公債に依存する状態から抜け出して、長期的で安定した代替投資先発掘も必須だ。社会間接資本(SOC)投資、海外不動産投資、新再生エネルギーなどの親環境事業投資が、新しい投資先として浮上している。

 金利リスクが高い確定型よりも金利連動型保険商品を拡大して、低金利にともなうリスク負担を減らさなければならない。このために、今はほとんど消えてしまった有配当保険を活性化するべきだという指摘もある。有配当保険は初期金利を低く設定しながら、その後の金利引き上げにともなう収益を顧客に支払う方式なので、低金利リスクを最小化できる商品だ。相対的に保険料は高いが、顧客もそれだけ配当収益を期待することができるという長所がある。

◆高齢化を民間社会的セーフティーネット市場創出の‘機会’に
 高齢化にともなう民間による社会的セーフティネットの役割と、これによる市場創出も課題だ。韓国金融研究院の報告書によれば、高齢化社会(65才以上人口が7%以上)から、超高齢化社会(65才以上人口が20%以上)まで進むのに、フランスは154年、米国は94年かかるのに対し、我が国はわずか26年で進入すると予想された。このような高齢化にともなう福祉支出は政府の財政だけでは耐えることができないため、保険会社が民間部門の次世代の収益源を育成する機会にすることができる。老後の備えとしての年金と健康保険に対する需要拡大を期待することができるためだ。

 高齢化と関連して日本の保険業界は、高齢運転者の運転免許更新要件を強化し、交通環境整備などの対策をたてたほか、台湾では今年から一般死亡率と年金死亡率を新たに算出するなど、民営長期療養保険の統計も集積し始めた。国内保険業界も年金保険で発生する長寿リスクを効率的に管理できるならば、低金利に備えた新しい収益源創出が可能だ。超高齢年金保険、現物給付型介護保険、高年齢有病者健康保険などに加えて、高齢層に必要な第2の人生および生活支援と健康管理サービスを用意して、設計士が長寿コンサルティング サービスを提供する案も考えられる。

 保険開発院関係者は“(低金利時代に備えて)年金資産配分戦略、ライフサイクルファンド型投資商品の開発も考慮するべきで、長寿リスクを資本市場に転嫁する派生商品開発、生存保険と死亡保険のポートフォリオを適切に構成する必要性もある”と話した。

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ミ( ゚w゚)彡 <契約者に提示した予定利率を実際の運用益が下回ってしまう利差損失は、前回の銀行NIMにも似ていますけれど、保険の場合は預金以上に契約期間が長いことが、問題を大きくしています。日本の金融機関を今調べてみたところ10年や20年の定期預金もありましたが、満期ごとに金利が高い商品に乗り換えられるので、半年から数年満期の定期預金のほうが使いやすいのではないでしょうか。

 この記事で取り上げられている保険会社の悩みは、いわば長期固定の高金利で定期預金を販売してしまった(それも大量に)銀行の悩みと同質だと言えますね。契約者に提示した予定利率の引き下げは不可能ではないものの、日本では引き下げ幅などに厳しい制限が課せられています。調べきれなくて申し訳ないのですが、記事から読む限り韓国でも同様か、あるいは引き下げが出来ないと考えられます。なにしろ「唯一の方法は契約期間が終わるか、市中金利が上がることを待つ」ですからね。

 方法があるとすれば、より高金利の投資を探すしかありません。前回の銀行のように海外に投資先を探すのも有効ですし、記事にあるように医療保険と連動した生活支援型サービスも一つの方法ですね。

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ミ( ゚w゚)彡 <そういえば、昨年8月に保険会社からのPF融資が増えているという記事 がありましたが…


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