中村けんです
10月19日(水)・20日(木)の2日間、同期議員と一緒に、静岡市で開催された全国市議会議長会研究フォーラムに参加してきました
このフォーラムは、全国の市区議会議員が一堂に会し、さらなる地方議会の機能強化を目指し、共通する課題や今後の議会のあり方について意見交換を行うとともに、議員同士の一層の連携を深めることを目的としています
ちなみに、参加者数は約2,600人です
そして今年は、議会の監視権のあり方をメインテーマとし、以下のプログラムで行われました。
<1日目>
第1部 基調講演
テーマ:「二元代表制と議会の監視機能」
講師:大森 彌 氏(東京大学名誉教授)
第2部 パネルディスカッション
テーマ:「監視権の活用による議会改革」
コーディネーター:江藤 俊昭 氏(山梨学院大学大学院研究科長・教授)
パネリスト:斎藤 誠 氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
土山 希美枝 氏(龍谷大学政策学部政策学科教授)
谷 隆徳 氏(日本経済新聞編集委員兼論説委員)
栗田 裕之 氏(静岡市議会議長)
第3部 意見交換会(場所を移して開催)
<2日目>
第4部 課題討議
テーマ:「監視権を如何に行使すべきか」
コーディネーター:佐々木 信夫 氏(中央大学経済学部教授)
事例報告者:佐賀 和樹 氏(藤沢市議会前副議長)
井上 直樹 氏(和歌山市議会議会運営委員会委員長)
嶋﨑 健二 氏(日田市議会議長)
第1部の講師である大森先生は、合併前に西尾市で講演を拝聴したことがありますし、第2部のコーディネーターである江藤先生は、西尾市議会の議員研修会で講師としてお越しいただきました
また、第2部のパネリストの一人である土山先生は、西尾市議会の議会改革アドバイザーをお受けいただいており、なんだか勝手に親近感を持ってしまうフォーラムでした
実際に参加してみての感想ですが、本フォーラムで取り上げられた内容は、議会のあり方等についての原理原則論です
実際の議会運営では、なかなかそのようにいかない部分もあり、それが、多くの市議会で志ある議員が苦労しているところでもあります
しかし、原理原則論に立ち返って考えることは大事であり、今回、そのための良い機会となりました
以下、配布資料を基に、僕の意見を付したうえで、本フォーラムのまとめとさせていただきますので、お読みいただければ幸いです
議会の議員と首長は、住民が直接、別々に選挙で選び、住民の代表機関が二通りになっていることから、この関係を二元代表制と呼びます。
首長は、独任制であり、多くの一般職員を部下として使えることから、政策展開での主導性を発揮しやすく、一方、複数の議員からなる合議制の議会は、政策・行政上の争点を形成し、多様な民意の所在を明らかにしやすいという特徴があります。
この二つの代表機関は、競い合いけん制しつつも、協力し合い、住民にとって最良な意思決定を行っていくのが基本任務です。
もし、議会が首長提案の「追認機関化」(行政がやろうとすることについて、賛成するだけの意味)してしまうと、両者の関係は、一見平穏のように見えても、議会のチェック機能が働いていないことになります。
現実に目を当ててみると、西尾市議会では、議会と首長との関係は「なれ合い」と言われても仕方のない状態にあります。
PFI事業の議案については、例外的に賛否が大きく分かれましたが、与野党意識が強すぎたり、原則賛成の姿勢が強すぎ、市民のみなさんの期待に応えられるだけのチェック機能は働いていないように感じています。
当事者の一人として、お詫びいたしますとともに、こんなことで腐らず、議会としての機能向上に今後とも取り組んでいく所存でおります。
議会と首長とがなれ合わず、緊張関係を維持していくためには、議会全体が野党的な感覚を持ちつつ、是は是、非は非として、地方自治体として意思決定を適切なものにしていかなければなりません。
そのためには、議員一人ひとりがどのような気概を持って議員活動に取り組むかという点と、選挙において有権者がどのような候補者を選ぶかという点に尽きると思っています。
また、議会が議会として存在意義を示すためには、「チーム議会」の実現も重要です。
議員は、地域や職域を背負い、性別も年代も異なり、会派に分かれ、なかなか集合体としての意思を形成しにくい環境下にありますが、合議体としての議会が体をなすためには、会派や議員から出される様々な意見や議論を一つの意思に集約しなければなりません。
そして、そのために不可欠なことが、対話・調整・集約のための議員間討議です。
他の議員の足を引っ張り合ったり、メンツをつぶすなどして、自分の力を誇示し、自分の立場を有利にするような、マイナスの連鎖を生む議会運営をしていては、政治は良くなりません。
ここが、現在の西尾市議会が抱える一番の課題であると感じています。
お互いの立場や意見の相違を認めたうえで、時間をかけて討議を重ね、議会としての意思を集約させていける西尾市議会になれるよう、同志とともに改革に取り組んでまいりますので、今後とも叱咤激励よろしくお願いいたします。