ジャズオーディオの会「SOUL NOTE編」に行ってきた | UNTITLED

ジャズオーディオの会「SOUL NOTE編」に行ってきた

先週の土曜日(23日)、とある用事があって吉祥寺へ。


その後、吉祥寺MEGで『ジャズオーディオの会』の日と言うことで、MEGに移動。
イベント開始時間前でしたが、既に空席がほとんど無いという盛況ぶりでした。


今日は国内のガレージメーカー「SOUL NOTE」さんの特集ということで、CDプレイヤーからスピーカーまで、全ての機器がSOUL NOTEの製品で構成されています。
UNTITLED-ジャズオーディオの会「SOUL NOTE編」1

中でも今回の目玉は、出荷を開始したばかりという新作のラインアンプ「LA10」。
これまで10万円台から、高くても50万円前後の製品ラインナップだったSOUL NOTEですが、満を持してフラグシップラインアンプ(プリアンプともちと違う、入力系という1個のみのボリュームコントロール機器)を作成したと言うことで、果たしてどんな音を聴かせてくれるのか・・・楽しみです!




UNTITLED-ジャズオーディオの会「SOUL NOTE編」2

まずは「ジャズオーディオの会」会長の中塚さんの挨拶。

今回で25回目の開催とのこと。
考えてみると、ジャズオーディオの会、これまでに何回来れたっけなぁ?



続いて、本日の協力メーカー「SOUL NOTE」の鈴木社長のご挨拶。

UNTITLED-ジャズオーディオの会「SOUL NOTE編」3

鈴木さんは元マランツ勤務でギタリストとしても活躍されている異色のエンジニア。
各機器についてのマニアックなオーディオ話よりも、かけるCDについての話をしたくてムズムズしている様子です。

そんな鈴木さんが、ジャズ喫茶MEGでのイベントと言うことで遠慮しながら最初にかけたのが、Helge Lienの『SPIRAL CIRCLE』から「Take Five」。





・・・・・うはっ!!


なんと鮮度の高い音!
空間が広く、定位も素晴らしい!!

この小さな同軸ユニットを搭載したスピーカーから、こんなにもしっかり沈み込んで澄んだ低音が出るとは・・・。
しかも、同軸ユニットなので高域も低域のユニット振動に引っ張られずにスーッと自然に伸びていきます。


・・・にしても、今回のシステムの「なに」が効いてこんな音が出ているのか・・・

如何せん入り口から出口まで初めて聴くSOUL NOTEの製品なので、どうジャッジして良いのか頭が混乱してきます。


が、出てきている音が「良い」のは事実。

これはSOUL NOTEの各製品に興味が湧いてきました。



ちなみに第1部で鳴らしている機器は以下の通り。

CD-Player sc1.0B
D/A Converter  sd2.0B
Line Amplifire LA10
Power Amplifire  sa4.0B
Speaker sm10



なかなか各機器のマニアックな説明をしない鈴木さんにシビレを切らしたのか(笑)、お客さんから「各機器の説明を!」の声が。

普段の試聴会では、かける音楽の方を中心に説明しているという鈴木さん、躊躇しながらも、まずは発売したばかりの新製品、ラインアンプの「LA10」について解説をしてくれました。(というか、お客さんからのマニアック極まりない質問に丁寧に答えていたという感じですが)

・今のCD等のデジタルソースのアナログ定格出力は2.0V前後。
・2.0Vの電圧を、8Ωのスピーカーを50Wでドライブする20Vrmsに増幅するのであれば、ゲインは20dB(10倍)で足りてしまう!
・プリアンプのゲインはS/Nを悪化させてしまうのではないか。

ということで、

・Penny&Gilesの高精度ロータリーフェーダーを採用
・超広帯域・高S/N比のL/R独立電流バッファーアンプモジュールを搭載
・1kVAの大容量トランスを別筐体で搭載
・グランド処理を考慮した各パネル間の接触面積を最小化したストレスフリーシャーシ
・筐体左右のパネル以外は全て厚みを変更して共振を最大限に抑制
・ビスの1つまで新規起工した非磁性化対応
・オーダーを受けてから1台1台手作りで作り上げるカスタムメイド

鈴木氏自身も「超高級ボリュームって言われます」と苦笑いしつつ、こだわり抜いて作り上げたラインアンプ。

入力は1系統のみで、バランス接続のみ。
価格は税込みで105万円。

いやはや、説明を聞けば聞くほど・・・・欲しくなる・・・(笑)


また同時に、オイラの場合は昨年12月にB.M.Cの「AMP-S1」を購入して絶賛使用中なので、同社のDAC-Preの「DAC1Pre」を購入すれば、DIGM(DIGM電流入力対応のBMCパワーアンプを直接ゲインコントロールできる機能)を使ってプリアンプのゲインから解放される!とか思ったりすると、買うつもりの無かった「DAC1Pre」にも俄然興味が湧いてくるのであります。



さて、それはそうと、鈴木さん自身ギタリストと言うこともあり、ジャズはジャズでもギターのCDを立て続けにかけたり、ジャズとは離れたCD(坂本龍一とか)をかける鈴木さんに寺島さんから「もう少しジャズに寄っていただけませんかねぇ?」とクレーム。
UNTITLED-ジャズオーディオの会「SOUL NOTE編」4


「こうやって見てみるとねぇ、なんというか、ケースが試作品みたいというか、野暮ったいと思うんですよ。ケースのデザインをもっと格好良いモノにできませんかねぇ?」と寺島さんから質問。
これに対して鈴木さんはあっさりと「(ケースデザインの変更は)無いですねぇ。」と返答。
「いやぁ、そうハッキリ言われるとコッチもこれ以上突っ込めなくなっちゃうんだけどねぇ(笑)」と苦笑い。

その後も、お客さんとしていらしていた47研究所の木村社長や、カイザーサウンドの貝崎社長を交えて寺島さんの攻撃は続きますが、それを遮るお客さんの熱気、質問攻勢。


某氏からは「スピーカーについてもっと解説してもらいたいんですけど。欲しくなっちゃいました。」と、もう買う気満々の本気質問。

今回鳴らしている「sm10」は、山下達郎氏のレコーディングスタジオで使う為に制作したという小型のモニタースピーカー。

大型のモニタースピーカーが無いスタジオが多くなってきた昨今、国内の多くのスタジオではミキサーの前に並べた小型スピーカーでサウンドチェックをするというのが当たり前になってしまっているそうです。
そんなか、レコーディングした音を忠実にプレイバックするために、40Hzまでの低音が自然に出る様に設計し、ボリュームを絞っても空間表現やダイナミズムが失われないモニタースピーカーとして、この「sm10」を開発したとのこと。

同軸2wayユニットの各ユニットの調整や、バスレフでありながらバスレフ臭さを感じさせず、さらに吸音材を廃止した設計、エンクロージャの底面が台の接地面と平行にならないようにする為の±3度のセッティングが可能なスパイクなど、こだわりは盛りだくさん。

それでいて、価格はペアで157,500円!

ハッキリ言ってこの音でこの価格は安い!!

思わず2ndシステムのスピーカーを変更してコイツにしたくなるほどグッと来ちゃいました。


ちなみに、今回の試聴会用に試作品のスピーカースタンドを使っていましたが、会場から「スピーカースタンドは出さないんですか?」との質問に、「この試作品のヤツを売りに出そうとするとスピーカーと同じくらいの価格になっちゃうんですよ。」と鈴木さん。
そんな鈴木さんに「スピーカーと同じくらいの価格(15万円)なら、オーディオマニアだったら買っちゃうでしょう!」と、お客さんから声が上がりますが、「でも、ウチのお客さんの意見を聞いてみると、5万円がスピーカースタンドに払える限界みたいなんですよ。15万円で買ってもらえるんだったら明日にでも作って売りに出すんですが・・・」と嘆き節。
ちなみに、市販のスタンドやラック等に乗せて使うように、スパイク受けは別途用意しているそうです。



なお、今回の新製品「LA10」から新ブランド『Fundamental』を立ち上げ、このブランドから様々な製品、作品を展開していくとのこと。

詳細はまだ詳しくは言えない・・・とのことでしたが、音楽配信やパッケージでの展開など、様々な展開を考えているとのことで、コチラも非常に興味深いお話しでした。






第2部は、「LA10」から先をMEGのシステムにつなぎ替えて、AvantgardeのDUOを鳴らす・・・ということだったのですが、所用があり、最初のさわりの所だけ店の入り口のところで聴いて帰りました。


SOUL NOTE、今後の「LA10」と組み合わせるアンプやDACの開発に期待大です!