2008-09-24 04:33:27

MAYA+JAZZを聴こう

テーマ:映像・音楽関連全般
MAYA+JAZZ


というわけで、ジャズボーカリストMAYAさんのニューアルバム、「MAYA+JAZZ」をご紹介。

あくまで私個人の独断と偏見による曲の印象、楽曲の解釈ですので予めご了承ください。



まず、MAYAの歌声と言えば、ハスキーでもなくクリスタルボイスと言うわけでもなく、言わばシルクの様なサラリとしていてキラキラと光っているのだけれど、独特のシットリとした質感があり、陰影に富んだ声。押しの強い力強さは無い。
これまでジャズ以外にもラテンの曲を多く歌ってきたMAYAだけれど、今回のアルバムはまさにMAYAの歌声が輝かしい程に花開いた1枚なのではないでしょうか。
ラテンの名曲をキュートに、時に影を帯びながら歌うMAYAも素敵ですが、ジャズを歌わせたMAYAは最高です。
一体全体どうしちゃったの!?というほど、これまでの作品とはガラリと変わったMAYAに大注目です。


■1曲目 Take Me In Your Arms
 作詞:Fred Markush
 作曲:Mitchell Parish

まずこの1曲目を聴いた瞬間、「あれ、いままでのMAYAのアルバムとは違うな」と感じました。
今まではどちらかと言うと歌い方もラテン向きの陰の中にもどこか陽を感じる歌い方だったのですが、これはもういきなり違います。
陰の中に憂いを感じる、よりシットリとしたまとわりつく様な歌い方。

まさにジャズバラードです。

それにしても流石寺島レコード。
音が凄い!
沈み込むベースの音、シンバルのささやく様で刺激的な炸裂音など、歌を邪魔しないのに存在感のある録音。
ただのジャズボーカルCDではありません。


■2曲目 Black Coffee
 作詞:Paul Francis
 作曲:Sonny Burke

おぉ!出だしからエロティックなまでにテナーサックスの音色が冴え渡ります。
テナーサックスは松尾明さん率いるTAKE TENのメンバーでもある高橋康廣さん。
流石です。

歌の方はと言うと、このエロティックなテナーサックスと相まって、非常に色っぽく寄り添ってきます。
いけない、いけない。
寄り添ってくる女性は影のある怪しい女性。
ウカウカしていると魂をとろけさせられてしまいます。
ウットリです。

しかし・・・結局この歌、失恋歌で黒くて苦いコーヒーとのこと。 > Kちゃんサンクス


■3曲目 Ochi Chernie
 作詞・作曲 Traditional

もう、最高。
個人的にこのアルバムで1、2を争う程好きな曲です。
そう、ロシア民謡の「黒い瞳」です。
曲も良いけれど、演奏も良いけれど、やはり歌がいい。
MAYAは今回、この歌を原曲のロシア語で歌っています。
これまでに7枚ものアルバムを出してきたMAYAですが、その都度新しい異国の言葉で歌い上げ、このロシア語で一体何カ国語目なのでしょうか。
これこそ英語でもないので歌詞も分かりません。
でも、そんな事を抜きに引き込まれてしまう歌。
そしてそんなMAYAの歌声をベースとピアノがそっと支えています。
もう黙って聴いていましょう。


■4曲目 The Touch Of Your Lips
 作詞・作曲:Ray Noble

ここでようやく「陽」を感じる1曲。
こんな甘くささやいてくれる女性に寄り添ってもらいたい・・・
で、「The Touch Of Your Lips」・・・これぞ男の夢ではありませんか。
あまり馴染みの無い曲だったのですが、一気に好きになりました。
まるで隣で寄り添っている女性の唇、口紅の光沢が見えるようです。
ただ欲を言えば・・・もう少し甘く囁いて欲しかった。


■5曲目 Beautiful Love
 作詞:Haven Gillespie
 作曲:Victor Young, Wayne King, Egbert Van Alstyne

日本人が大好きな曲、「ビューティフル・ラブ」です。
この曲、なぜかアメリカではほとんど演奏されないそうです。
理由は分かりませんが、なんでこんなに素晴らしいメロディーの名曲を演奏しないのでしょう。
・・・それともこのメロディー、特に日本人の琴線に触れる旋律なのでしょうか。
いずれにせよこの名曲をMAYAが歌い上げます。
「ビューティフル」というタイトルとは少しニュアンスの異なるこのメロディーを十分に反映し、晴れやかに「ビューティフル」と歌うのではなく、どこかその「ビューティフル・ラブ」に違和感や疑問を抱きつつ、愛しい男性と一緒に居るのにどこか影を落として伏し目がちな女性・・・そんな雰囲気をMAYAが全身で表現しているようです。
そう、これが「ビューティフル・ラブ」。


■6曲目 I'm A Fool To Care
 作詞・作曲:Ted Daffan

再びテナーサックス登場。
今度は「Black Coffee」の様なエロティックではなく、しかし色気のある音色。
まるでMAYAの歌と呼吸を合わせるかの様な、デュエットをしている様な演奏で、MAYAの歌声に一層の艶を与えているかのようです。
男性歌手とデュエットをしていたら嫉妬していたかもしれないけれど、このテナーとのデュエットだったら心地よさに身を委ねられます(笑)。


■7曲目 The Moon Was Yellow
 作詞・作曲:Fred Ahlert & Edgar Leslie

この曲で急に雰囲気が変わりました。
ややラテンの香りを匂わせつつ、それまでに感じていたまとわりつく様なシットリした感じが無く、夏の乾いた夜風に当たりながら月夜を見上げている女性がフッと頭の中に浮かびました。

それにしても、この曲も良く知りませんが、曲のチョイスが素晴らしい。
松尾さんの選曲か?寺島さんの選曲か?はたまたディスクユニオンの菊田さんの選曲か・・・。
この曲も耳に残る素晴らしい曲。
特にMAYAの歌い上げるこの曲は情景が豊かに浮かんできます。


■8曲目 I Fall In Love Too Easily
 作詞:Sammy Cahn
 作曲:Jule Styne

この曲もまた印象が変わります。
ほんの少しコケティッシュで可愛らしい女性が頭に浮かびます。
ピアノの演出も素晴らしく、MAYAの歌声との相乗効果で先ほどのコケティッシュさ、可愛らしさが演出されているのでしょう。
一体この女性はどんな眼差しで相手の男性を見つめているのでしょうか。
この曲を聴いていると、そんな視線を投げられてみたかったり、チョット怖かったり・・・。


■9曲目 Let's Do It (Let's Fall In Love)
 作詞・作曲:Cole Porter

さっきの「I Fall In Love Too Easily」とはまた違った「Fall In Love」。
先ほどの曲が「あぁ・・・恋に落ちてしまった」と嬉しい様な、戸惑っている様な歌声だったのに対して、コチラは「好きになっちゃいましょう?」と、悪戯っぽくはにかんでいる様な、そんな雰囲気を歌声に乗せています。
でもなんででしょう、こういう歌声に男の方もコロリと落ちてしまう様な・・・。
以前MAYAがジャズ批評でファッションデザイナーのタダシ・ショージさんとの対談で「私はステージ上で演じている」と言っていたけれど、なるほど、まさに女優のように声、表情、仕草を変えて歌っているようです。


■10曲目 Honeysuckle Rose
 作詞:Andy Razaf
 作曲:Thomas Waller

私はこのジャズスタンダードの名曲をピアノトリオで良く聴きます。
思えばボーカルで聴くのは初めてかも知れません。
なるほど、こんなにスローテンポで、時にキュートに、時にコケティッシュに、そして、時に優しく歌われるとこの曲の印象が変わります。

ピアノトリオで聴いていた時には、こんなに楽しげな雰囲気は感じませんでした。
しかし、今回のアルバムでMAYAの歌で聴くと・・・なるほど、こんなにも愛らしい恋の歌だったとは・・・。
好きな曲に新しい発見をしました。
「It's sweet when you stir it up.」なるほどね、こんなことを言われてみたい・・・。


■11曲目 Dance Me To The End Of Love
 作詞・作曲 Leonard Cohen

最後は松尾明(ds)、嶌田憲二(b)、嶋津健一(p)のトリオによるインストゥルメンタルです。
非常にスローなバラードで、ジックリとピアノトリオに浸ることができます。
松尾さんのブラッシがスネアやシンバルを擦る度に物悲しいリズムが溢れ出し、嶌田さんのベースがそれに追い討ちをかける様に海の唸りの様な重い波を起こし、嶋津さんのピアノがまるで吠える様に哭いています。
う~ん、まさに哭きのピアノトリオ。
参りました。

これでMAYA劇場が一旦幕を閉じます。
そう、トリオの演奏がエンディングのスタッフロールだったのだと気付きます。

あぁ、早くまたこの幕を開きたい。
CDプレイヤーの再生ボタンを押してしまいます。
しかし、このMAYA劇場はこれで完結したわけではありません。
11月に発売されるクリスマスアルバム。
これに続いているわけです。

はやくクリスマスアルバムを聴きたい・・・そう思うのは私だけではないはず。
決して「はしゃいで」居ないクリスマスアルバムを、この「MAYA+JAZZ」を聴きながら待つのであります。
AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

後藤啓太さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

最近の画像つき記事
 もっと見る >>

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。