けいた君をご支援下さる全ての皆様へ | けいた君を救う会

けいた君をご支援下さる全ての皆様へ

 先般,このブログ上にて事前告知をさせて頂きました件で,今回私共の募金活動に対し多大なるご支援を頂戴致しました皆様方の信頼を失墜させるにも等しい大変なご迷惑を,一部の皆様にお掛けした事実をここにご報告申し上げますと共に,このような事態を招いた事につきまして,まずは皆様に深くお詫び申し上げます。

 事の発端は去る8月30日に,千葉ロッテマリンスタジアムにて行われておりました街頭募金で,何と酒に酔った者が募金現場で呼びかけを行ったのみならず,あろう事か募金にご協力下さった観客の方々に対して暴言を吐いたという,俄かには信じられないような失態があったというものです。この事を当事者のお一人(以下Aさんとさせて頂きます)から頂戴したお電話とメ-ルによって知った私は,直ちに当日の関係者を問い質し,事実関係の説明を求めました所,このメ-ルに記されておりました内容が全て間違いのない事実である事を確認するに至りました。

 募金活動としてはもちろんのこと,当会の発足以来今日に至るまでの活動に於いてもまた同様に,このような不祥事は前代未聞であり,通常であればまず絶対にあり得ないとしか申し上げようのない文字通りの異常事態に,これは経緯の全てをつまびらかにし,その上でお詫びを申し上げる以外ないとの結論に至り,当該メ-ル内容の公開をAさんご本人にお願い致しました所ご了解を頂けましたので,以下にまずそのメ-ルの全文をご紹介し,次いでそのような事態に至った経緯
をご説明させて頂きます。なお,差出人ご本人様の個人情報のみはプライバシ-保護の観点から公開を差し控えさせて頂きますので,その点は何卒悪しからずご了承下さい。

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当会へ送られたメ-ル(全文)

『がっかりしました。非常に虚しく、腹立たしいです。』(タイトル)

『はじめまして。私は千葉マリンスタジアムでけいた君の募金をした者です。

千葉マリンスタジアムにはかなり通っていまして、8月だけでも13回観戦しました。その際に3~4回ほど募金しています。

昨日8月30日に試合終了後、正面Dゲート前から3塁側方向に向かって階段を降りていくと、いつものように募金活動をされていました。3名ほどいて、真ん中の方(メガネをかけていた方)がこちらに向かって叫んでいました。だいぶ熱くなってる感じだったのですが、私は聞き取れた言葉に耳を疑いました。

「お前ら、1歳の子供が死ぬかもしれないのに見殺しにするのかよ!」
 (註1:原文ではこの一行のみ青文字にて強調されています)

この発言は、私と一緒にいた友人も間違いなく聞いています。

階段から降りてくる人の中には、私のように何回も募金している人もいるのではないでしょうか?
お前らって私も含まれているんだなと思いました。

昨日、けいた君に助かってほしいと思い募金したが、今日は募金をしなかったら見殺しにしようとしているということでしょうか?
夕方、入場前にけいた君に助かってほしいと思い募金し、帰りにもう一度募金しないと見殺しにしようとしているということでしょうか?

では、千葉ロッテマリーンズの野球を観戦するたびに募金をしなければいけないのでしょうか?
今まで募金した私の善意って何だったのでしょうか?

1回のみ100円を募金すると、他の日は見殺しにするということでしょうか?
1回につき1円を13回募金したほうが、上記の人よりも良いということでしょうか?

私たちが募金したお金は、必死に働いて稼いだものって分かってますか?
私たち野球観戦者が、募金をすることが当たり前と思っていませんか?
私たちが階段から降りていくことの通行の妨げにならないように意識してますか?


私たちは千葉マリンスタジアムに野球を見に行っているのです。決して募金をするために行っているのではないのです。
どうして、野球を観戦した帰りに、あなたたちの為に不愉快な思いをしなければならないのでしょうか?

人間として、けいた君には助かってほしいと思いますが、最近の募金活動に対しては「けいた君さえ助かればどうでもよい」と思っているのではないかと感じます。

野球観戦に行って不愉快に感じることが続けば、球団に意見することにもなるでしょう。

1年後、数年後同じ状況になった子供が千葉マリンスタジアムで募金できなくなったら悲しくないですか?

今後改善され、また心から募金できるようになることを望みます。』

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 この内容を拝見し,私のみならず当会の役員全員が一様に激しい衝撃を受け,また同時に言葉を失いました。しかし何よりもまず,この事をお知らせ下さったAさんに,そして当日この場におられ,同様にご不快な思いをされた方々に対し,当会を代表しこの場をお借りして慎んでお詫びを申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。

 次に何故このような事態が生じたのか,その点につきまして以下にその経緯をご説明申し上げますが,その前に当会の代表者として皆様に申し上げます。けいた君を救う会の名の下に行われた募金活動に関しましては,経緯や形態の如何を問わずその責任の全ては会の代表者である私にあります。また同時にその募金活動が誰によってなされたものであろうとこの責任の所在にはいささかの変わりもありませんし,ましてやそれを免れる事など絶対に出来ません。まずはその私の立場を明確にさせて頂いた上で下記にご報告申し上げる経緯をご覧下さい。

 当会の発足以来今日に至るまで,私共が直接的に関わって参りました募金活動は,先様が開催されるイベントに参加させて頂く形態のものなどの一部の例外を除いては,その全てを私共自身が計画するか,あるいは主体となって行ったものばかりです。従いまして,当会をご支援下さる方々があくまでもその方々の責任に於いて行って下さった募金活動以外,私共がその立案から人員の確保に至るまで,その全てに於いて全く関与せずに行われた募金活動など皆無であり,言い換えればそのような活動自体が基本的にはあり得ません。

 しかしながら,この千葉マリンスタジアムでの募金活動は,私共けいた君を救う会がその活動内容の決定に関する事柄に於いて,当初より全くと言って差し支えないほどその一切に関与する事が出来なかった唯一の例外案件でした。もちろんけいたのために行って頂いている募金活動である事は事実ですので,私自身を始めとして当会の役員が応援に駆け付けた事実も確かにございますが,しかしこの募金活動は,基本的には某学園(註2)

(註2:団体名の公表を取り止めるよう,半ば強引とも言える申し入れが当会に対してなされただけでなく,事実を伏せ,当日現場には一人もいなかった当会の役員をその場にいた事にして欲しいなどの申し入れが平然となされた事などから,ここに至ってなお事の重大さを全くご理解頂けていない現状も考え合わせ,当初は全て実名にてご説明申し上げるつもりでしたが,しかし現在在籍されておられる本件とは何ら無関係な多数の学生諸子へ及ぼす影響や,また何よりも単に先様の名誉を傷つける事が目的なのではないなどの理由から,名称の公開はあえて差し控えました。なお便宜上以下学園と表記します)

が主体となって,と言うより私共が聞き及んでおります限りで正確に申し上げれば,当該学園の教職員の有志の方々が自発的に参加し行って下さったもの,というのがこのマリンスタジアムでの募金活動の実態であり,私共では企画・立案から始まるその一切に関し,何ら責任ある立場では関与させて頂けなかったと言うのが実情です。

 事実この問題の日も,けいたのための募金活動ではあるものの,(もちろん平日で役員達が物理的に参加出来ない状況にあったという事もありますが)学園側の責任に於いて行って下さっている活動だからこそ,当会の役員が誰一人その場にいないという状況に現場はなっていたわけです。しかし冒頭でも申し上げました通り,当会の名の下に募金活動が行われる以上,その全責任は当会,すなわちその代表者である私にあるわけですから,その立場からもこの募金活動に携わる教員の方何名かに対しては,再三に渡って無理があり過ぎるタイムスケジュ-ル等の見直しや,実質的な責任者(管理者)が不在である事の危険性等に対する警告を含む提言は致してはおりましたものの,それらが聞き入れられる事は最後までありませんでした。

 その悪影響は,これに先立つ8月1週目と3週目の火曜日から日曜日までの連日,今回と基本的にはほとんど変わらぬ陣容にて,同じくマリンスタジアムにて行われました募金活動に於いて,主に連絡網の整備を怠った事に起因するとしか考えられない駐車場でのトラブルや,単に外見上の問題なのか否か,詳細は存じませんが募金活動にふさわしくない者を参加させているとスタジアム関係者から注意されるなど,まさに責任者不在の弊害としか言いようのない問題などが引き起こされた時点で,すでに将来的に何らかの,決して小さからぬ問題を生じさせる余地は充分に予見されていたにも関わらず,それらに対して何らの対策も対処も為されなかった事が,結果的に今回の不祥事を招いた最大の要因である事はもはや明らかです。

 そして今回,私が最も重要視しているのはまさにこの点に尽きると申し上げて差し支えありません。その最大の問題とは,私共の募金活動に対する姿勢を本件によって誤解される事によって,現在活動中の方も含め私共の後に続く方々,つまりけいた同様に命をかけて海外での移植を目指し懸命に募金活動を展開される,あるいはすでに実行されている方々の募金活動への門戸を閉ざしてしまう事になりかねない,という点です。大きく,かつ極めて重く受け止めていると申し上げたのはそういう理由からですが,ともあれ私が現場におられた当事者の数人の方より直接確認した当日の状況は次の通りでした。

「トラブルの発生した現場には,元々は二人の教職員に一人の学生さんを加えた三名がいたそうですが,その後明らかに酒に酔った男性(自称船橋在住でマリ-ンズ応援団の副団長を名乗っていたそうです)が現れ,自分も呼びかけに参加させろとその列中に割り込みました。その場にいた二名の教員の内の一名が制止したものの,男性はそれを振り切って階段を上がり勝手に呼びかけを始めてしまったため,やむなく二名の教員は男性を放置し自分達もそのまま呼びかけを続行しましたが,しかし男性が何を叫んでいたのかは周囲の騒音にかき消され聞き取れなかったので知らないと言う事でした。また最初にその場にいた学生さんの所在は,その後現場を離れたという事ですが,その点についてははっきりと確認出来ておりません。」

 Aさんより頂戴したメ-ルに登場し観客の皆様に暴言を吐いたという,三名の中央に位置してメガネをかけた人物がこの男性である事は確認出来ましたが,しかし現場にいて最初に制止したという教員の方からは,その素性については本人より前出の情報以外には何も聞いておらず,従ってそれ以上調べようもなく分からないとの回答しか得られませんでした。

 この内容につきまして私が抱く大きな疑問は主に三点あります。まず一点目は,教員が二名もその場にいながら男性の乱入を何故制止出来なかったのか,いやそれ以前に明らかに酩酊状態である事が分かるような状態の部外者が,しかも一名の制止を振り切って募金活動に乱入しているにも関わらず,何故このお二方はそれを放置したままで募金への呼びかけを続行したのか。二点目は,男性が叫んでいた内容を,両脇に位置していたお二方が全く聞こえなかったとしている点で,如何に騒音があったとは言え,隣接して両側に並んでいる二人が二人とも,中央で大声を張り上げている者の言っている内容が一言一句全く聞き取れないなどという事など通常まずあり得ないという事。そして三点目は,どうして彼らはこの男性の素性を全く確かめようとしなかったのか,という点です。

 ここからはっきりそれと分かる事は,この場におられた二名の教員だけではなく,その場に居合わせた関係者全員に,皆様から頂戴する善意の募金とそれを募るという事の本質が,現在に至ってもなお全くご理解頂けていないと言う事です。私共が皆様に対して呼びかけ,お願いして来たご支援は,確かに幼児の命に関わる重大事ではありますが,しかしメ-ルにも記されている通り,だからと言って皆様方に募金に協力しなければならない義務など当たり前ですがあろうはずもありません。そしてまた私共がこれまでに頂戴して来たご支援は,皆様方にとっても全く同様に貴重なお金です,だからこそ私共は,あくまでも趣旨にご理解とご賛同を求めた上で「出来る範囲で決して無理をせず」を募金をお願いする際の絶対的な原則として堅持して参りました。

 しかし,実際の担当者以前に,この活動を管理されていた方(責任の所在は未だに不明ですが)にそういう意識が全くなかったというまさにその事こそが,入場前に募金をお願いしていながら,さらに退場口でも正面に立ち塞がって再度待ち受けるようなスケジュ-ルを何ら不自然と思わない事に繋がり,募金と集金の違いを混同したまま単に予定を消化するといったような意識がお金を集める際の効率ばかりに目を向けさせ,お客様の通路を塞いでいるのだという事を,指摘されるまで誰もが全く気付かないなどという事態を招く事になるのだと私は思います。

 スタジアムというのはショッピングセンタ-などと比較してもやはり特殊な空間です。八千万円ものお金を期限内に集める事など本当に可能なのか,そういう不安に怯えながら最初の一歩を踏み出した私共には,各自が抱えた募金箱に小銭を入れて下さる方々への感謝の念が徐々に増幅しながら醸成されて行きますが,極論すればただそこに立って呼びかけを行うだけで,それなりの金額を募金して頂く事も充分に可能なスタジアムなどの空間にいきなり放り込まれた場合,知らず知らずの内にお金を集める事それ自体が目的化してしまうといった危険性が背中合わせに存在する事を,募金を募る側は常に戒めていなければなりません。

 そしてさらに,全体を見渡し,同時に管理する者が存在しないからこそ,同じ会場内で何が起こっているのかすら当事者以外には誰にも分からない,などという無責任な状態を作り出す事にも繋がったのでしょう。

 ご指摘を頂き私から問い合わせを行うまで,一切それに類する報告が当会へもたらされなかったという事実が何よりもそれを端的に示している通り,当事者の誰一人としてこの点を問題とすらしていなかったという事にはもはや疑う余地が一つとしてありません。Aさんからのメ-ルに書かれている内容には,その隅々に至るまで私共がマニュアルとして使用させて頂いても決しておかしくないほどに,募金を募る際に必須とも言える心構えが網羅されています。しかしそれはまた,先にも申し上げた通り当会の数少ない役員達が,そしてその数の少なさを補うために,現在もなおご協力を続けて下さっている松田夫妻のご友人やそのご家族などが,これまで一貫して頑なに守り続けて来たものに他なりません。

 実はこのマリンスタジアムでの募金活動は,私共からのお願いをマリ-ンズ様側より一旦はお断りされた後,個人的な人脈をお持ちの学園の教員のお一人に,その撤回のための橋渡しを私が個人的にお願いしたのがそもそもの発端です。ところがその方に依頼されたマリ-ンズ様宛ての支援依頼書を作成しお渡しした直後から,何故かこの話は私の全く与り知らぬ所で私の手を離れ,全ては当該学園とマリ-ンズ様間の協議によってのみ進められる事となりました。

 しかしながら,いくら質しても幹部の方からは辻褄の合わない説明をされるばかりで,その正確な理由につきましては現在もなお全く分かっておりません。募金活動に対する考え方や関係者に対する周知の徹底など,あらゆる意味で準備が全く整っていないにも関わらず,その事を無視して即募金に踏み切ってしまったという点が今回の事態を招いた最大の要因である事は間違いありませんが,今回の問題の根底にあるもの,つまりそのような状態にありながら,何故学園が,私が進めていた話を(事前通告もないままあえて横から引き取ってまで)このマリンスタジアムでの活動の主体とならなければならなかったのか,という点に関しましては,学園側から何ら整合性のあるご説明を頂けない以上,私と致しましてもこれ以上は分かりませんと申し上げる以外にありません。

 今回の件で私が犯した最大の罪は,連日行われたマリンスタジアムでの募金活動中に前出の通り様々な形で表面化したいくつかのトラブルから,このような素地が存在する事を事前に充分察知出来ていながら,しかしその後も継続して行われた活動に対し何ら改善に寄与出来なかったという一点に尽きると今さらながら痛感しております。もちろん,一旦こういった形になってしまった以上,以後の一切は私個人の力の及ぶ所ではありませんので,仮に変更や修正,あるいは中止を申し入れた所でどうにもならなかったであろう事に変わりはありません。しかし,そもそもを言えばこういう状況を作り出してしまった責任の端緒が私にある事もまた事実で,それがすなわち冒頭で申し上げた私の負うべき責任の全てです。

 実際問題として,莫大な目標金額をごく短期間の内に募金によって集めるという矛盾した要素を抱え込みながら,一方では「出来る範囲で無理をせず」という初志を貫く事は,実感として言葉で言うほど簡単なものではありませんでした。思うように総額は伸びず,しかも期限がいつやって来るのかは全く分かりません。正直に申し上げれば平素の募金活動での行動とは裏腹に,その時の私は常に焦燥感に苛まれていました。もっとありていに言えば一刻も早くお金が欲しかった,それが偽らざる本音です。だからこそ,一方で危機感を感じていながら,マリンスタジアムでの活動はあくまでも我々が主導する活動ではないという部分に私は拠り所を求めたのだと思います。学園が自分達の責任に於いて行うと明言している以上,こちら側からは如何ともし難いのだからやむを得ないのだ,最終的な結果として募金を受け取る以外自分達にはそれ以上どうしようもないのだと。

 私がどれだけ後悔し,また反省しようとも,起こってしまった事はもはや二度と取り返しが付きません,それはまた繰り返し申し上げている通り私自身に課せられた責任と全く同様です。しかし今回,それを承知していながら,また反対意見も少なからずあった中でここに顛末の全てを,しかも広く公開する形であえて掲載させて頂いたのは,Aさんを始めとする皆様に芽生えてしまったであろう,このような募金に対する不信感を払拭し,どうか今一度,募金にご協力下さった時のお気持ちに立ち戻って頂きたいという一念からです。

 学園に対しましても,経緯はともかく特定の個人を誹謗するような意図は全くありませんし,募金活動にご協力頂いた個々人にはもちろん感謝申し上げてはおりますが,しかし誠に遺憾ながら,その事と本件は全く個別の独立した要素です。単に名称が公開されれば看板に傷が付くなどといった表面的な問題と本件が内包する問題とは,大きさもその深さも全く比較にならないほど根本的に違うのだという点がどうしてもご理解頂けない事が返す々も残念でなりません。

 私との電話での会話の中でAさんは,この問題を放置すれば目標への到達すら危うくなるだろうと私共にあえて苦言を呈して下さいました。しかしブログの更新が遅れていたために,実際にはその時点での募金総額は目標にかなり近づきつつあり,その事も私の中で大きな問題意識となっていました。すなわち,この件を蔑ろにすれば,それは確実に更なる誤解を重ねる素地となるであろうという意味でです。金額が不足している時には殊勝な顔をしてお願いしますなどと言ってはいるが,いざ目標金額が達成出来そうだとなるや途端にメッキが剥がれたではないか,そういった誤解だけはどうか解いて頂きたい,八千万円と言う巨額の目標に皆様の募金で到達する事が出来た今だからこそ,私はどうしてもその事にだけは蓋は出来ないのです。

 また,願わくば,一旦は拒否されたにも関わらず,最終的にはスタジアムでの募金活動を許可して下さった千葉ロッテマリ-ンズ,並びに千葉マリンスタジアムの関係者の皆様にこの願いが通じ,今後同様の募金活動に対する門戸が,間違っても私共のために閉ざされるような事にだけはならないで頂きたいと切実に思っております。その点を改めてお願い申し上げますと共に,この事がたとえわずかでも,今後同様の募金活動を目指す方々が私共同様の轍を踏まぬためのご参考になれば幸いです。

 私が本件を公開すると宣言した事は,現実に少なからぬ軋轢を生じさせました。それは私のみならず,結果的には父親である松田の出処進退にも影響を与えかねない問題となるかもしれません。ですが本件の公開に限っては全て私の一存にて行い,事前に相談に類する事は一切行っておりません。それは私が,松田からのあくまでも個人的な依頼によって当会の責任者を引き受けるに至ったという経緯があるからで,その私のこれも個人的な見解ですが,これだけの巨額の費用を自分達の息子のために募金して下さった方々への感謝の証として,当然ながら当事者である松田自身にも等しく背負うべき責任があり,また同時に事実は事実として全てを嘘偽りなく明らかにする事が,今回の募金活動を支えて下さった方々に対する義務でもあると考えるが故です。

 私共は,ただ単に目標金額を集めるというだけでなく,募金で命を救われる事は決して恥ずべき事ではないとの主旨に立って,それによって救われたけいたが,その生涯に於いても決して萎縮する事なく堂々と胸を張って歩いて行けるような,そういう募金活動を目指し,またこれまで実践して来たつもりでいます。だからこそ募金のあり方それ自体を何よりも重要なのものとして全員が認識して来ました。それはもちろん簡単な事ではありませんでしたし,その過程では確かに幾つかのトラブルも経験しましたが,しかしその都度全員が誠意を持って解決を図って来たつもりですしまたその事をご理解頂けたからこそこれほどの莫大な金額を募金して頂く事が出来たのだと,その点にだけは自負を持って私は今もそう信じています。

 従いまして,ここに経緯の全てを明かし,つまびらかにする事それ自体が,今の私共に出来る精一杯のお詫びであり,また今回募金して下さった全ての皆様に対する私共の誠意だと考えます。Aさんを始め,今回の件でご迷惑をおかけした方々には,改めまして私より幾重にもお詫び申し上げます。どうかお許し下さい。

 最後に,もし私共がこの事を全く知らずにいたとしたら,今頃私共はもっと重大で深刻な立場に立たされる事に間違いなくなっていた事でしょう。そしてそれは,何よりもけいたに決して小さからぬダメ-ジを与える事にもなっていたはずです。黙って立ち去る選択肢もあったにも関わらず,あえてお電話を,そしてメ-ルを下さり,状況をお知らせ下さったAさんに心より御礼申し上げます。

この度は誠に申し訳ございませんでした。



                けいた君を救う会 事務局 代表 水澤 滋