臨床工学技士のホンネ⑫ ~血管造影室にてステントグラフト | 臨床工学技士の医療サブノート

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今日は”ステントグラフト内挿術”の手術に入りました。


あまり聞き慣れないので、どんな手術?と

思われるかもしれません。



また例によって用語を分けてみましょう。



・ステント(stent)


人体の血管などの狭い部位を内部から広げる管状の医療機器

構造は網目状の筒のようになっている。



・グラフト(graft)


移植する、接合する




となるので、ステントグラフとは、

「管状の医療機器を血管などの狭い部分に移植する」と考えてください。



この手術が適応となるのは血管に「瘤」ができたとき。

瘤とは血管のふくらみのことです。


これを放置しておくと、最終的には破裂して

大量出血・・・なんてこともあり得ます。

そうなるのを防止するため、ステントを入れるのです。



本日の患者さんは腹部に動脈瘤ができたため、

手術となりました。


この動脈瘤が腎動脈(腎臓にいく動脈)にかかっていれば

外科的に手術をする(おなかを開いて動脈瘤を取り除く)

ことになるのですが、幸い腎動脈にかかっていなかったので

この手術の適応でした。



足の付け根からワイヤーを通し、バルーンが内蔵された

ステント入りの管を、動脈瘤のところまで動かしていきます。

そうしてバルーンを膨らませるとステントが血管に張り付きます。


それで血液の漏れがなければOK!手術は終了となります。



足の付け根しか切開しないので、おなかをあけるより

患者さんの負担はとても少ないです。

人工心肺なども使わないのでとても経済的。


簡単そうに見えるけど、造影された画面を見ながらやるので、

器用な人でないとちょっとキツイかも。




う~ん、いろいろな術式があるので先生方は大変だ。





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