この6月23日はアメリカ合衆国のTitleⅨ(邦名「男女教育機会均等法」)の成立40周年であり、多くのメディアが特集を行っている。
この法律は、1972年6月23日に成立した法律で、
「連邦政府から援助を受けている教育機関におけるプログラム(授業)においては何人も性別によって参加を制限されたり、恩恵を受けられなかったり、差別されてはならない。」
という趣旨。アメリカの女子スポーツ振興に欠かせない役割を果たしたと評価されている。
東名 有美、入口 豊、山科 花恵による「女子サッカーの日米比較研究(Ⅰ)」によれば、
学校スポーツに参加する女子大学生の割合は1972年以前は32000人であったのが、1983年には150, 000人に増加、大学での女性スポーツ予算も、1972年以前には2%未満だったものが、1991年には30%に増加した
と述べられている。
ABCニュースは6月23日
「Happy Birthday ,TitkeⅨ!Equal Rights for Women's Sports」
というタイトルで、現在の女子スポーツの成功を特集しているが、
その最初に女子サッカーで、アメリカ開催の女子ワールドカップ決勝のPK戦で勝利後にBrandi Chastainがユニを脱いで
「Thank you,TitleⅨ」
と叫んだことを紹介している。
phlliy.comではCarli Lloidがインタビューに答えて
「TitleⅨなしに今の私は考えられない」
と述べている。
TitleⅨはスポーツのみならず、女性の社会進出に多大な貢献を行っているということでオバマ大統領もこの日、The Honerによれば
「TitleⅨは、女性の成功のためのスプリングボードになっていることを証明した」
と述べたとのことである。
国民の権利のことでコメントできる大統領が居る国はさすがというべきなのだろうか
ひるがえって日本であるが、オリンピックも近くなって女子サッカー選手がさんざん苦労したことは美談になって出てくるが、社会的位置づけなどを扱うメディアは皆無である。
6月23日付読売新聞によれば、政府は「働くなでしこ大作戦」
と名づけて、女性管理職登用を行っている会社の公表や表彰を行っていくとのことであるが、果たしてこれが世界一の「なでしこ」を冠にして「大作戦」と名づけられるものであろうか
ちなみにこのTitleⅨという法律の草稿者はパッツィ・タケモト・ミンクという日系三世でハワイ出身の有色人種初の女性議員(民主党)、日本名を竹本はつと言う。
この法律は2002年に彼女の功績を讃えて「Patsy T. Mink Equal Opportunity in Education Act(パッツィT.ミンク機会均等教育法)」と改名されているそうである
日本にも女性議員、女性閣僚も居るのに、「なでしこ大作戦」しかできないのは人が悪いのだろうか政治風土が悪いのだろうか
増税だけは主要政党が合意できるようだが
日本放送協会も女子サッカーを扱った番組でこんなことを出せばもっと社会的な関心を呼ぶのではないか、それともまずいのだろうか
1972年は札幌オリンピックとミュンヘンオリンピックがあった年。
まあ夏季五輪ということで、エンディングはミュンヘンオリンピックの男子バレーボール金メダル動画。時代は変わるもんだ。
本日の試合
アメリカ女子代表ーカナダ女子代表オリンピック壮行試合
6月30日深夜午前3時より 多分Live
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