EURO2012 準々決勝 スペインーフランス。
この試合はどちらもEUROとワールドカップを連続制覇した国の戦いだった。フランスは1998年ワールドカップを制した勢いで2000年EUROを制した。
しかしその後ジダンの引退後のフランスは見る影もなかった。
EURO2008はグループリーグ敗退。2010年南アフリカワールドカップは内輪もめがメディアで報道されて、国会まで揺るがす最悪の事態となった。
今大会のフランスは、かつての栄光のローラン・ブラン監督のもとでチームを再建し、連勝で乗り込んできた。
しかしルーニーを欠くイングランドに引き分けられ、スウェーデンに1点も取れずに負けるなど、不安な部分があり、何より期待された、ベンゼマ、ナスリ、リベリートリオは期待通り機能しているとは言い難かった。
そしてスウェーデン戦後に、お約束の口論があったとの報道があり、何やら不吉な匂いが漂っていた。
試合はフランスがナスリを先発から下げ、序盤引き気味になかなかいいサッカーを展開したが、やはりフランスの守備の穴をふさぐことはできなかった。
19分、ジョルディ・アルバに左サイドを突破されると、守備陣全体が左サイドに気をとられてしまい、右に侵入するシャビ・アロンソが完全にフリーでヘッドでゴール
攻撃しようとするフランスだが、スペインとの戦いでは少しの連携ミスも問題となり、いくつかのチャンスはつくれるが、決定的といえるシーンがつくれなかった。
特に攻撃の主柱であるはずの、ベンゼマの師匠っぷりはすさまじく、何の見せ場もつくれなかった。
かえって我がままなはずのリベリーの献身さが痛々しいほどであった。
とはいえスペインも追加点を奪うにあまり効果的なことができたとはいい難い。
アイルランド戦で2得点をあげ師匠を卒業したかに思われたトーレスが途中投入されたが、それにふさわしい仕事はできず、結局追加点は、足の止まりきったフランスが91分にPKのミスを与え、シャビ・アロンソが2点目を決めるときを待つほかはなかった。
試合終了後、後半から出場したナスリが、メディアとの騒ぎを起こした。
AFPの記者にコメントを求められると「記者はいつもくだらないことを書く」と話し、コメントを拒否。
記者が「そう思うのであれば、私もあなたと話しはたくない」と応戦すると、引き返したナスリは「この野郎(son of a bitch)」と発言し、「どうだ。これで俺の生い立ちが悪いと書けるだろう」と吐き捨てた、とのことである。
スウェーデン後の言い争いにもナスリが絡んでいるようである。この手のことにはうるさいフランス人の口を当分にぎわせるだろう。
最終的に悪役を買ってくれたナスリにベンゼマは感謝しなければならない。
ベンゼマ、ロッベンと続々と師匠が敗退しているなかで、トーレスはなんとか残っている。次戦は、危うく師匠になりかけて蘇った男、クリスティアーノ・ロナウドとの対戦である。
同じラテン系イケメンではあるが、ずいぶん差をあけられている師匠の逆転はできるだろうか
それにしても2010年の南アメリカではいじめで悪役にされたリベリーはずいぶん大人になったもんだ、今回だけかもしれないが。
エンディングはフランスのジャン・コクトー作『恐るべき子供たち』フランスにはなんとなく天才で悪童が多いような。ナスリもそんな臭がする。
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