■■【経済の読み方】 2013年 8月中旬を時系列的に見る
世の中の動向は、アラカルト的に見ることも大切ですが、時系列的に見ると、また異なった面が見えてきます。
ここでは、これまでの流れをコンパクトにまとめてご紹介します。
■ いよいよTPP交渉会合 2013/08/20
8月22日からブルネイで開催されますTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を前にして、これとは別立ての二国間協議であります日米協議が開催されました。TPPでは、両国が協力し合うということでは合意しましたが、関税撤廃協議では、アメリカ側の準備が整わないということで今回は見送られる見通しになりました。
日本にとっては初日から会合に参加するのは今回が初めてのことです。
今回は、工業製品や農産物などの関税を巡る「物品市場アクセス」の分野で議論が本格的に行われる予定です。
日本政府は、撤廃する割合を80%前後とする方針です。関税撤廃の例外とすることを目指すコメや麦など農産物5品目については、各国の出方を見極めてからのようです。
来年は、中間選挙の年であり、それを前にオバマ大統領としては成果を上げておきたいという思惑があり、年内妥結に向けてアメリカのフロマン通商代表は強気で臨むでしょう。
■ アメリカ小売業順調 2013/08/14
いろいろな不安材料を抱えながらも、アメリカ経済は上昇を続けているようです。
アメリカ経済を見るときに重要な指標の一つが個人消費動向です。その動きを示す重要な指標として注目されます7月度の小売業の売上高は、前月比で0.2%増え、改善の勢いは緩やかながら4か月連続で増加しました。
これはほぼ予想どおりですが、その前の月が0.6%のプラスでしたので、増加の勢いはやや落ちました。
業 種 | 伸び率 |
スーパーや酒店 | 0.8% |
衣料品店 | 0.9% |
デパート | 0.6% |
自動車や部品 | -1.0% |
家具 | -1.4% |
出典: NHK
これを見ますと、個人消費に力強さが感じられませんが、改善傾向であると言うことは言えます。消費者の購買意欲が改善することにより、アメリカ経済の改善はホンモノといえ、日本経済にもプラス効果を高めると考えます。
■ 2.5大政党制を望む 2013/08/11
マスコミは、「2%物価上昇」「消費税増税」「ねじれ解消」をあたかも当然のような論調で記事を書いて報道してしているように見えます。
多くの国民は、「アベノミクスで好況」と踊らされていることに気がつかず、財布の紐が緩んできているようです。好況と言われる事例として、数か月前の相も変わらず、「統計などの高額商品が売れている」と報じられています。すなわち、それ以外の部分では、顕著な数字実積として出てきていないのです。
ボーナスが数%伸びていると言っても、大企業の一部の業種に偏っていて、まだまだ収入増に繋がっていません。実感できるようになるには1~2年はかかってしまいます。
それなのに、来春には消費税の増税は必定でしょう。「2%インフレターゲット」などと、横文字が並びますと、それがあたかも良いことのように感じられてしまいますが、要は物価が上がると言うことです。
「ねじれ解消」も大変似よいようにマスコミが騒ぐのもいかがでしょうか。与党圧倒的多数の中で、憲法96条を改訂し、自分達に良いように憲法を改定して、我が物顔で政治を操ろうという意図は見え見えです。
私は、「2.5大政党」時代を期待しています。
二大政党では、政権与党の独断専行となり、政権が変わる毎に政策が変更されてしまいます。一つの政策が持続されて行かないのです。それでは、国民にとっても迷惑ですし、海外からも信頼されないでしょう。
保守系と革新系の2大政党に、キャスティングボートを握る中道系の政党がいることにより、左右に振り子が大きく揺れすぎないように、調整役としての機能を果たせるからです。
現状では、公明党が自民暴走を食い止める役割を何処まで演じられるか、が鍵です。一方で、安倍総理のアクティブな動き、判断と指示は、私が知っている日本の首相の中ではダントツのように思えます。
ただ、右傾化が強いところが難点で、今後、どのように国政の舵取りをしてゆくのか、期待したい面もあります。
■ 9月経済危機は来るのか? 2013/08/10
安倍政権になってから、経済が回復しているかのように錯覚していますが、これから実体が伴ってくるのでしょうかと、国民は期待しています。期待と言いますよりは、希望を持ちたいと思っているという方が適切かもしれません。
今朝の新聞を見ますに、TPP交渉と並行して進められています日米経済交渉ですが、アメリカ側に押され気味で終会してしまったようです。現実は、国民の期待通りには進んでいないような気がします。
一方で、消費税増税は来春確実な雰囲気になってしまっています。
アメリカでは、リーマンショック以来、マネタリーベースが上昇を続けて来ていますが、今後改善するのかどうか、注目が集まっています。ここに来て上昇が鈍化してきていて、中には2015年度に下降するという見方もされています。バーナンキ議長が、来年1月の任期切れになる前に、かねてより緩和縮小予告とも思われる発表があってから、市場を中心に落ち着きがありません。
ドイツでは連邦議会選挙が実施されますが、政権交代も予測され、欧州経済危機の再燃も懸念されています。
中国はシャドウバンキング問題が依然としてくすぶっていて、そろそろ理財商品の償還期限が来ます。中国政府は、シャドウバンキング問題を軽視していたつけが回ってくる可能性が高くなってきました。
内外とも、いろいろな問題が蔓延し、それが9月に集中することから一部のエコノミストに「9月経済危機」が騒がれています。
人間の英知を結集して、住みやすい世の中にしていかなければならないと考えます。
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