燃える集団をつくる専門家 川添香です。
今日はクライアントさんの許可をいただいたので、生の声をお届けします。
彼女は今年入社の営業マン。
まだまだ自信がなくて、仕事も失敗続きです。
8月に入って大きな失敗をしてしまいました。
入札案件で、書類の書き方を間違え参加することもできなかったのです。
普通ならありえない失敗。
この失敗で彼女は夏休みを返上して、先輩から特訓を受けたそうです。
なぜ失敗に至ったのか、彼女は振り返りを込めて話してくれました。
先輩は、こうやったらいいと一応のマニュアル的なものは示してくれた。
でも、内容がわからないことも多く、自分の知識の中で考えて考えて仕上げてみた。
いつも思っていたことは、先輩が横についてくれてひとつひとつ確認できたらなあということ。
聞いたほうがいいとわかってはいるけど、忙しそうにしている先輩を見ると声をかけちゃいけない、という気分になるということ。
こんなことを聞いたら、ダメなんじゃないかと思ってしまうこと。
そうしているうちに期限がぎりぎりになり、何とか仕上げて提出したものが大失敗につながってしまったのです。
さて、こんな気分になるのは、新人ばかりではありません。
職場における対人関係の不安は4つの種類があります。
1.無知だと思われる不安
2.無能だと思われる不安
3.ネガティブだと思われる不安
4.邪魔をする人だと思われる不安
組織にいる以上は、どのような状況でも評価がつきものです。
私たちは、発言について、常に評価判断されるリスクにさらされ、この4つの不安の加減で積極的に意見をいうかどうかを決めています。
しーんとした会議を思い浮かべれば、なるほど、と思われる方も多いんじゃないでしょうか。
コーチングにおいて、クライアントがいつもは言わない、あるいは言えないことを言えて(言って)しまうのは、
評価判断のない安全な場が保証されているからなのです。
前述の新人の彼女にとっては、4.邪魔をする人だと思われる不安、2.無能だと思われる不安につぶされそうになりながら作った書類でした。
そして、見事に失敗。
けれど、彼女にとってはそれは4つの不安から脱却するいい機会になったのです。
それについてはまた次回書きます。