『先導者』 小杉 英了 | たまらなく孤独で、熱い街

『先導者』 小杉 英了

先導者 (角川ホラー文庫)

先導者
著者:小杉 英了

解説:池上 冬樹

(角川ホラー文庫)

初版:2014年10月25日

(2012年10月に角川書店より刊行)

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迷った末に購入を決めたのは遠田志帆さんの表紙が実に良かったから。

印象としては『名探偵コナン』の灰原哀に似てなくもないが。

 

死者の魂を導く特異能力を持つ者。

導くときには仮死状態になる先導者の、まさに自らの死を賭す過酷さに震える。

だが無垢なる者が先導されるわけではないし、善意なる者たちが先導者を操っているのでもない。

文体が主人公の諦念さに合っている感じ。

そして諦念で思い出したのが『わたしを離さないで』だが、断然『先導者』の方が好きだな。

まあ、諸手を挙げて傑作かと言うと微妙ではあるが。