『沈黙の岬』 田中 光二 | たまらなく孤独で、熱い街

『沈黙の岬』 田中 光二

沈黙の岬―UFOハンター・シリーズ

著者・後書:田中 光二

解説:森 優(南山 宏)

(文春文庫)

初版:1981年6月25日

(1978年10月に文藝春秋より刊行)

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「沈黙の岬」

「霧の中の村」

「化石の島」

「ブラック・アウト・シティ」

「転生の谷」

「暗黒洋(やみわだ)を越える者」

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書庫(らしきもの)に新しい本棚もいれたので、ダンボールに詰めたまま眠っていた「死蔵本」を取り出したところ、田中光二の文庫本が出るわ出るわ。

一時期は山田正紀と共に日本SF界の若手ツートップだったのだが、いつの間にか架空戦記へ行ってしまわれた。

とは言っても当時もほとんど読まなかったが意地になって買っていたのか(架空戦記ものは持ってません)。

せっかくだから一冊くらい読んでみるかと思い、『イリアの空、UFOの夏』ではないが、夏と言えばUFOでしょうという訳(?)でこれを読むことに。

 

ある辺鄙な漁村。

そこがUFOにより「汚染」されたようだという情報が。

工作員の続と曽根は「汚染」の確認と、その場合の「浄化」「痕跡の修復」のために赴く。

のだが、作者はいきなりジョーカーを出してしまって面食らう。

彼ら異星人は地球人に「悟り」と普遍的な「愛」をもたらすために来たのだと。

『異星の人』から作者の立ち位置は想像がつくが、「汚染」された女性にそれを長々と説明されるのも白けるし、工作員の続がそれを直感で正しいと思いながらも「仕事」を続けるのもねえ。

1編目で続きを読む気が失せたが、せっかくだからと我慢して読んだとさ。