『一九三四年冬-乱歩』 久世 光彦
一九三四年冬―乱歩
解説:戸川 安宣、翁 華栄 (創元推理文庫) 初版:2013年1月25日 (1993年12月に集英社より刊行) |
執筆に行き詰った江戸川乱歩は、とあるホテルに身を隠す。
ところが根が小心者のせいかあれこれと悩む。
無人のはずが誰かいるような隣の部屋も気になるし、イケメンの中国人のボーイも、探偵小説好きなアメリカの人妻も気になる。
ホテルで書き始めた「梔子姫」はすこぶる快調に筆が進むが、乱歩の周りではおかしなことが・・・。
まともに読んだことはないが、ミステリ界の大御所・江戸川乱歩のイメージが覆されました。
作家の「書けない恐怖」というものは昔も今も変わらないのでしょうね。
久世さんが見事に乱歩を描いていると思うし、いかにも乱歩が書いたかのような「梔子姫」も面白かった。