『言壺』 神林 長平
言壺
(中公文庫) 初版:2000年2月25日 (1994年11月に中央公論社より刊行) |
万能著述支援用マシンであるワーカムを切り口に「言葉」とはなにかを問う連作短編集。
四六時中「言葉」(あるいは文字)を紡いだりひねくり回したり弄んだりしている作家ならではのアプローチかもしれないが、単なる読書人からみれば書かれていることが空疎に思えて仕方ない。
神林の小説を時系列にもリアルタイムにも読んでいないので、このころの彼が「言葉」に悩んでいたのかどうか分からないが、深く突き詰めすぎると筒井康隆が嵌ったような袋小路に落ち込んだかも。