『鳥はいまどこを飛ぶか』 山野 浩一
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鳥はいまどこを飛ぶか
後書:山野 浩一 解説:高橋 良平 (創元SF文庫) 初版:2011年11月30日 |
「鳥はいまどこを飛ぶか」(1971年)
「消えた街」(1964年)
「赤い貨物列車」(1965年)
「X電車で行こう」(1964年)
「マインド・ウインド」(1973年)
「城」(1965年)
「カルプ爆撃隊」(1974年)
「首狩り」(1971年)
「虹の彼女」(1970年)
「霧の中の人々」(1976年)
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山野浩一を初めて読んだのは、おそらく「マインド・ウインド」だと思う。
巻末の初出一覧を見ると「SFマガジン」73年7月号とあるからリアルタイムで読める訳もなく、一時期古本屋でバックナンバーを漁っていたのでその中から読んだのだな。
筒井康隆や山野浩一自身は評価してないようだが結構興味深く読み、ラストの一行はくっきりと脳裏に刻まれている。
だが、なんとしたことだ。
ずーっと消失ものかと思っていたのにレミングものだったとは。
どこで誤って記憶してしまったのだろうか。
そして、私の記憶にある消失ものとは一体何だったのか。
(『殺人者の空』の目次を見て気が付いた。「Tと失踪者たち」だろうね)
この作品集はほとんどが再読だろうけど、最近読み返した「X電車で行こう」以外はみごとに忘れている。
学生運動の影がちらつくのは仕方ないとしても、作者には失礼ながら全体に「青臭い」印象。
それに「自分でなんとかしよう」ではなくて、周りの状況に流されてひたすら内に篭っている感じだ。
たしかに内宇宙を描いているようだが、ニュー・ウェーブってこんなんだったっけ。