『夢なき街の狩人』 W・L・リプリー | たまらなく孤独で、熱い街

『夢なき街の狩人』 W・L・リプリー

夢なき街の狩人 (創元推理文庫)

夢なき街の狩人
W・L・リプリー

訳:岩田 佳代子

(創元推理文庫)

初版:2005年12月22日
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1993年の作。

 

(注意:全部ネタバレです)

 

無敵の二人組が田舎町を支配する悪役を滅ぼす物語か。

特に主人公の相方が超人すぎて、何度か書いてるけど「禁じ手」だよね。

主人公がへらず口を叩くところも、相手を見下しているように感じる。

この二人はヴェトナムでそれぞれに心に深い傷を植えつけられたのだが、それですら単なる味付けとしか思えない。

悪役のボスも「すごいすごい」という評判ばかりで、いかにして田舎町を支配したのかという描写がないので最後はなんだか拍子抜け。

 

C・J・ボックスの『凍れる森』を思い出した。

主人公が認めた者はいい奴、そうでない者は悪い奴、とはっきりしている。

 

恋人と別居中の主人公の前に現われた美女。

主人公もいたく気に入ってどちらを選ぶか悩んだものだが、結局その美女は殺されてしまって選択の余地をあたえないところは作者もえげつないね。