『秋の牢獄』 恒川 光太郎 | たまらなく孤独で、熱い街

『秋の牢獄』 恒川 光太郎

秋の牢獄 (角川ホラー文庫)

秋の牢獄
恒川 光太郎

(角川ホラー文庫)

初版;2010年9月25日

(2007年10月に角川書店より刊行)
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「秋の牢獄」

「神家没落」

幻は夜に成長する」

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恒川光太郎は3年ぶりくらいか。

「夜市」や「風の古道」のような世界を期待した訳でもないのだが・・・。

 

「秋の牢獄」

11月7日をリプレイする人々。

主人公だけでなく色々な人がリプレイしてて仲間になるというのは新鮮だったが、もしかして北風伯爵はすでに死んでいるが成仏できずに死んだ日を何事もなかったかのように繰り返している人に引導を渡す役目かもと思ったが。

よほどの「捻り」がないと、ありきたりの話としか読めない。

 

「神家没落」

古い家に囚われた男。

その家は毎年同じ場所に転移する。

身代わりを見つけたまでは良かったのだが・・・。

今ひとつ「家」に対しての男の「思い」が伝わらないな。

 

「幻は夜に成長する」

イリュージョンを脳内に溜め込む女。

色々と飛びすぎて(祖母と少女との出会い等)、「はあ、そうですか」としか思えない展開。

幻と現実の差異とはなにか。

人々が幻を認識するならば、それはすでに現実と同等になるのだろうけど、そこの所の怖さ恐ろしさをもっと書き込んで欲しかったな。

 

こちらに迫ってくるものがないというか、もっと言えばどうでもいいような話を読まされた印象。