『日本SF全集・総解説』 日下 三蔵
日本SF全集・総解説
(早川書房) 初版:2007年11月25日 |
(第1期)
星新一/小松左京/光瀬龍/眉村卓/筒井康隆/平井和正/豊田有恒/福島正実/矢野徹/今日泊亜蘭/広瀬正/野田昌宏/石原藤夫/半村良
(第2期)
田中光二/山田正紀/横田順彌/川又千秋/かんべむさし/堀晃/荒巻義雄/山尾悠子/鈴木いづみ/石川英輔/鏡明/梶尾真治
(第3期)
新井素子/夢枕獏/神林長平/谷甲州/高千穂遙/栗本薫/田中芳樹/清水義範/笠井潔/式貴士/森下一仁/岬兄悟/水見稜/火浦功/野阿梓/菊池秀行/大原まり子
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出版芸術社から刊行されている『日本SF全集』(全6巻の予定)は、1作家1篇(100枚以内)の収録で現在第2巻まででている。
※第1巻は上記第1期の作家から広瀬正と野田昌宏を除き、山野浩一・石川喬司・都筑道夫を加えた全15名の短編を各1作収録。
※第2巻は上記第2期の作家に野田昌宏・高齋正・河野典生を加えた全15名の短編を各1作収録。
しかし、この「総解説」で取り上げられている『日本SF全集』はそんなもんじゃい。
なんと1作家1巻(1600枚以内)というもの。
短めの長編なら3本くらいは収録できるボリュームですね。
もちろん、こんな全集はありません。
日下さんが架空の全集を刊行し、各巻(各作家)の著書をリストアップして、この作家ならこの作品を収録する、この作品は残念ながら収録しない、と解説したのがこの本。
おそらく日下さんはほとんどの作品を読まれたのでしょうね。
今回のために再読もしたでしょう。
まさしく労作です。
なによりもブックガイド的な部分が楽しい。
読んでいない作品もたくさんありますが、「傑作」と書かれると「どんなんかなあ、読みたいな」という気にさせられます。
各作家の業績や状況も分かってうれしい。
大なり小なり日本のSFを牽引してきた方々ですから。
残念なのは、巻末に全集収録作のリストや出版社が掲載されてますが、一部の作家を除いてほとんどが手に入らないことかな。