『追想五断章』 米澤 穂信
![]() |
追想五断章
(集英社) 初版:2009年8月30日 |
楽しみはもう少し後までとっておこうと思ってましたが、つい手を出してしまった。
順番待ちの積読本たちよ、ごめん。
平成4年。
バブル崩壊後の不況期。
主人公は大学生だったが、一年前に父が亡くなり大学を続けられなくなったので、休学し古本屋をやっている叔父の家で居候兼店番をしている。
そこへ、ある女性が5編の短編小説を探してほしいと来店。
復学したい主人公は報酬も魅力だったので引き受けることに。
すべて同人誌などに載っているようなので、主人公はツテや運を頼りにぽつぽつと集める。
だが・・・。
5編ともリドル・ストーリーというのが面白いですね。
最後で一応の真相らしきものは現れます。
が、結局どのように転ぶにせよ、登場人物の周辺でとどまっている印象。
なので、例えば『ボトルネック』のように、本を飛び出して読者に向かってくるようなものはない。
そこが不満といえば不満かな。