『弟よ!』 つか こうへい | たまらなく孤独で、熱い街

『弟よ!』 つか こうへい

弟よ!

つか こうへい

(角川文庫)

初版:1990年2月25日

(1987年12月に角川書店より刊行) 

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屈折しまくりの登場人物を書かせたらつかこうへいの右に出る人はいませんね。

本人が屈折してるのか捩れているのか。

 

代々農家だった森田家だが、養殖ウナギで財を成す。

しかし周りから「ウナギ成金」と言われるのが我慢ならなくて、息子を歯医者にしようとする。

兄の一郎は文学を目指しているので、やむなく弟のサトルが歯医者になることに。

しかし、サトルは体育会系で頭が悪く、4浪の末コネを頼りに新設の歯科大になんとかもぐりこむ。

妹の由紀はサトルが裏口入学したのが我慢できない。

一郎は新人賞を取り本を1冊だしたがそれっきりで、スチュワーデスのレイ子のヒモのような生活。

皆が皆、屈折する条件は十二分に持っている。

一郎が5年ぶりに実家に帰ったところから話しが始まる。

 

ピンと来ない部分がちょこちょこあったので、ボタンの掛け違いに笑うところもあったでしょうが、全体的にノレなかった。

それぞれの立場になれば身につまされる事ばかりなんでしょうが。