『モスクワ、2015年』(上・下) ドナルド・ジェイムズ | たまらなく孤独で、熱い街

『モスクワ、2015年』(上・下) ドナルド・ジェイムズ

モスクワ、2015年〈上〉 (扶桑社ミステリー)

モスクワ、2015年〈上〉
ドナルド・ジェイムズ

訳:棚橋 志行

(扶桑社ミステリー)

初版:1999年2月28日 

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モスクワ、2015年〈下〉 (扶桑社ミステリー)

モスクワ、2015年〈下〉
ドナルド・ジェイムズ

訳:棚橋 志行

(扶桑社ミステリー)

初版:1999年2月28日 

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なんとも不思議な読後感の漂う小説。

悪くはないのだが、突っ込み所も満載だ。

2015年のモスクワ。

書かれた頃より20年先の未来を描いたのだろうけど、どちらかというと過去(?)の亡霊を描いているかのよう。

だから、近未来SFを期待すると肩透かし。

 

国家主義者と無政府主義者との内戦は前者の勝利に終わった。

新しいロシアの歴史が始まるものと誰しもが思ったが。

ヴァジム警部の妻は5年前に無政府主義者側に身を投ずるべく子供を連れて家をでた。

それ以来音信もなかったのだが。

内戦が終わるまでは。

モスクワに転属になったヴァジム。

経験のない殺人課の警部となる。

しかも、そこは恐ろしきモンストルム(怪物)が跋扈する、まさにその真っ只中。

さらにヴァジムには別の役目も。

 

冴えないヴァジム警部が妻を含めて三人の(凄いらしい)美女に深く関わるのは許せんな。

上巻では割とストレートな話しかと思いましたが、下巻で捻りが。

 

ヴァジムと妻との関係はどうなるのか。

ヴァジムと美女A美女Bとの関係は発展するのか。

モンストルムは捕まるのか。

国家主義者の政府はロシアをどう導くのか。

 

なんとなーく『チャイルド44』よりも『ユダヤ警官同盟』のカラーに近いかな。