『プラトン学園』 奥泉 光 | たまらなく孤独で、熱い街

『プラトン学園』 奥泉 光

プラトン学園 (講談社文庫)

プラトン学園

奥泉 光

(講談社文庫)

初版:2007年10月16日

(1997年7月に講談社より刊行) 

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読者をフェイクするような話しなのだろうと思って読み始めたが、もっと大きなネタであった。

 

木苺は大学を卒業できたが、就職浪人を覚悟していたところ、教授から私立校の先生の口を紹介される。

そこは日本海にある島で、全寮制の中高一貫教育の「プラトン学園」という学校。

しかしながら、贅を凝らした造りで住むには問題なさそうだった。

教員にはパソコンが支給されネットワークも使えるし、「プラトン学園」という、実際の学校を模したようなゲームもある。

それに徐々にはまり込む木苺。

 

97年の頃というと、コンピュータのネットワークという概念はまだ一般的ではなかっただろうね。

当時としては先鋭で、もしかしたら読んだ人の中には何のことか分からない人もいたかも。

しかし『マトリックス』を「体験」してしまい、さまざまなネット環境に身をおく今となっては、いささか古いネタと言えるかも。