『バルーン・タウンの殺人』 松尾 由美 | たまらなく孤独で、熱い街

『バルーン・タウンの殺人』 松尾 由美

バルーン・タウンの殺人 (創元推理文庫)

バルーン・タウンの殺人
松尾 由美

(創元推理文庫)

初版:2003年12月26日

(1994年1月にハヤカワ文庫JAより刊行) 

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「バルーン・タウンの殺人」

「バルーン・タウンの密室」

「亀腹同盟」

「なぜ、助産婦に頼まなかったのか?」

「バルーン・タウンの裏窓」

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「SF最新スタンダード200」にもリストアップされているので期待したのですが。

軽すぎて通り過ぎていってしまいました。

いや、重ければいいというものでもないのですが。

 

人口子宮ができて、身重~出産から解放された女性。

だが、それでも自分で出産したいという女性もいて、東京都第七特別区はそんな女性を住まわせているところ。

しかし、そんな女性の楽園とも思えるところでも事件は起こる。

 

「亀腹同盟」が面白かったかな。

面白いというか、むかーし読んで記憶の彼方に行ってしまった小説の片鱗がプクプクと記憶の表層に浮かび上がってくるみたいな。

 

気になるところでは・・・。

再刊の2003年当時ってまだ「看護婦」だったっけ?

近未来の話なのだから違和感がある。

なぜ、身重の女性をほったらかしにして彼女らの夫は誰一人姿を見せないのか。

いくら設備が整っていても、夫や家族がいてこそ出産へ至ることができるのではないのか?

そして、たかだか数百人しか妊婦が住んでいない街なのにさまざまな商店などがあるが、経営は成り立っているのか?

ちょっと考えすぎかな。

めちゃくちゃ面白ければ気にもならないんだけどね。